廃藩置県―近代統一国家への苦悶 (中公新書)

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著者 : 松尾正人
  • 中央公論社 (1986年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121008053

廃藩置県―近代統一国家への苦悶 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 30年前のものですが,意外にもAmazonの中古で1,500円の値がついていました。こちらの著者松尾正人も明治研究者としてはよく聞く名前なので,とりあえず購入,読むことにしました。

    第一章 新政権の成立
    第二章 版籍奉還の実施
    第三章 集権化への歩み
    第四章 藩体制の動揺
    第五章 権力の結集
    第六章 波瀾の政局
    第七章 廃藩置県の断行
    第八章 廃藩置県の反響
    第九章 府県制の成立

    まあ,目次はいたって常識的なストーリーです。思ったよりは廃藩置県そのものよりも,それに至る政治的過程にページが割かれています。そして,本格的な歴史書というよりは一般的な読者を想定した新書ということで,書き方も歴史小説風です。もちろん,この頃は歴史的人物が活躍する時代ではありますが,大久保利通や木戸孝允,西郷隆盛などが登場し,誰がどうしたという話が続く。個人的にはこういうの苦手なんですよね。
    それでも,やはり学ぶことは多かった。特に版籍奉還の理念や,藩毎に温度や事情が違えども,形式的には上から押し付けられたものではなく,藩の側から版籍を申し出たことなど。
    廃藩置県に始まる地方自治の変遷については,地理学者であれば行政境界の変遷を個別に辿るわけだが,著者にはそういう関心はあまりなく,そういうことに関する事情は本文には書かれていない。しかし,巻頭には日本地図もついているし,巻末には藩から現在の都道府県に至る系譜が細かく記された図が示されていてとても有用である。

  • 副題が近代統一国家への苦闘というだけあって、様々な困った事が起きるのですが、簡単にすると
    明治2年、版籍奉還は成ったが、新政府が管理しているのは860万石で、明治3年には、強行な租税確保に動いた為に農民闘争が起こる、小藩は財政難で解体しつつあり、3藩の御親兵を経て、鳥尾・野村→井上→山縣が廃藩置県を提言、廃藩置県+秩禄処分で新政府は日本経済を掌握することになった。

    広澤さんは地味なイメージを持ってたのですが優秀な人だったんですね、あと大隈さんは超優秀だけど強行な所もあり、それが対立を生んでしまうんだなと。
    秩禄処分の本があるのでそれも読んでみたいです。

  •  廃藩置県の研究をするなら一回は読んでおきたい、くらいには言われる名著です。ただ刊行年が割合古いため、今からでは読みにくさがちょっと否めません。内容としては名著と言われるだけあってかなりしっかりしており、さすが松尾正人先生、といったところです。
     最後には各県が廃藩置県によりどう編纂していったかという図が載っているので、それも便利です。

  • 木戸さんがどうしてあんなにまで版廃藩置県を宿願としていたのか、今まで肌に感じることができなかったが、この本でやっと重要性が感じられた。 まだ完全には理解がおっつかないけれどもね。
    要するに朝廷が主導権を握るための回収(版籍奉還)と分配(廃藩置県)だったわけか。だから版籍奉還だけでは不十分で、その間の約二年で色々画策してたのね。

    松尾先生の木戸孝允は廃藩置県の焦点としての木戸を書いているけど、多分廃藩置県は木戸さんに絞らない方が分かりやすいんだろうなーw
    より専門的かつ詳細になってるからってのもあるだろうけど。こっち読んでから木戸孝允読んだ方がいいな…。

    鹿児島の県知事が鹿児島人で改革はかどらない〜っていうイメージばかり先行していたけど、その前に藩主が知事として君臨しなくなったというのがどれだけショッキングな事件だったかが初めてわかった。
    ていうか、そうせい侯って何て素敵な殿様なんだろう…!そうせい侯すごいや。何という度量。長州のさいわいだなあ。

    はれ?木戸さんって外交に携わってたの?記述があるのが外交に偏ってるきがす。大久保さんはひたすら内政に従事しているのはわかるんだけど。
    幕末時に就いてた役職がやっぱり向いているのか(向いてるってか慣れてるのか?)外国人の大久保さんに関する記述が少ないのもそのせいか。

    京都府って広沢さんが主となって改革したんだ…!主に内政に携わってたのね。広沢さんってかなり仕事していた筈なのに、記述されてる本はあまりないから嬉しかった。

  • 廃藩置県に至る経緯、携わったひとたちのことなど丹念に書かれています。
    地方側、中央政府側からとどちらからもうかがい知ることが出来ます。

  • 研究史を丹念に追ったわけではないのだが、
    従来の研究との差異は、非薩長の改革派諸藩の動向を重視した点ということだろうか。
    明治初年の研究では必読の物だと思う。
    同『廃藩置県の研究』(吉川弘文館 2001)は未読なのでなんとも。

    目次
    新政権の成立
    版籍奉還の実施
    集権化への歩み
    藩体制の動揺
    藩力の結集
    波乱の政局
    廃藩置県の断行
    廃藩置県の反響
    府県制の成立

  • 廃藩置県の状況がよくわかります。
    廃藩置県を学ぶにはいい一冊です。
    確か県の面積や人口がのっていたような……。

  • 教材として。
    自分の割り当て分を読むのに必死だったので
    読んだ感想はあんまり覚えてなかったり。

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廃藩置県―近代統一国家への苦悶 (中公新書)の作品紹介

中央集権化に向けて抜き打ち断行された維新政府政変の全容。

廃藩置県―近代統一国家への苦悶 (中公新書)はこんな本です

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