アメリカン・ロイヤーの誕生: ジョージタウン・ロー・スクー留学記 (中公新書 819)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121008190

感想・レビュー・書評

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  • 80年代(ちょっと古い!)にアメリカのロースクールに入学した著者の体験記。
    日本のロースクールはアメリカをモデルにして作ったそうなので、それを念頭に置きながら読んでみた。とかくアメリカの学歴インフレはすごい。アメリカ企業と対等に接しいきたいならば、日本でも修士号や弁護士資格などの学歴(目に見える資格)が必要となってくるというのが納得できた。専門化が進み、その中でも競争の激しさがあることが伝わってくるロースクール内の報告書である。

    第一学年の成績が有名ローファームに入れるかを大きく左右することやロージャーナル(学校で出版している法律雑誌)の編集者になることは成績優秀者の称号みたいなものでこれも有名ローファームに入れるパスのようなものだとか、州ごとの司法試験は60パーセント受かるとか(だから最初日本の法科大学院も新司法試験の合格率を8割とか6割とか言ってたのかな。)・・・ロースクールの学生を著者は3グループにわけているが第一グループは上記のような優等生グループ。第二は中堅ローファームに入ったり、司法試験も比較的やさしい州の弁護士さんになったりするのだそうだ。第三グループは端的に言うと落ちこぼれ。ロースクールを卒業しさえすれば、就職先にこまらなかったのは一昔前とのコメント。(お、おそろしい。)成績が低いとそれだけチョイスが少なくなるのだそう。勉強していい成績をとるのは将来の選択肢を広げることなのだ。

    大部分は著者の報告書みたいなもの(先生の特徴や生徒のことなど学校生活の日記みたいな感じ。結構どうでもいい著者のプライベートでのことも書いてある)
    著者によく頑張ったと拍手をおくりたい。

著者プロフィール

2021年5月現在
慶應義塾大学名誉教授,同志社大学法学部前特別客員教授

「2021年 『どのアメリカ? 矛盾と均衡の大国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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