江藤新平: 急進的改革者の悲劇 (中公新書 840)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121008404

作品紹介・あらすじ

佐賀藩に生れ育ち、時代を先取りする感覚と実行力とともに佐賀藩政改革の実績を背景に、国政の基本方針、教育・司法制度など明治国家の法体制構築に献身した江藤は、明治6年政変で下野し、故郷に帰って佐賀の乱にまきこまれる。自ら作りあげた刑法によって処刑された悲劇と同時に、本書では、明治国家を人間解放と人権定立の方向に牽引した中心人物のすぐれた人権意識、法治主義思想に照明をあて、従来の江藤像を一新する。

感想・レビュー・書評

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  • 1987年刊。著者は大阪市立大学教授。維新期の数年間、彗星のごとく登場し消え去った江藤。司法制度、法令(民法の他、憲法の如き最高法規も含む)に影響を及ぼし、また、参議制度等後の内閣制度の萌芽たる行政機構を構築。著者は、江藤が人権を大衆に付与し、これを担保する裁判制度で公平正義を旨とする理念を導入しようとしたと見て、彼の早世が理念実現を遅らせたと慨嘆。やや江藤に肩入れしすぎの気もするが、首肯できる。個人的には、江藤出世の発端たる佐賀藩での活動と、これを支持・後援した藩主鍋島直正の懐の大きさに感銘を受けた。

  • やはり今読むと古さは否めない。内容的にもかなり重複しているため「幕末維新と佐賀藩」をお勧めします。

  • 江藤新平は佐賀の乱の人。
    子供の頃に読んだまんがの日本の歴史に出てきていたのが初めの記憶かと思う。その中で刑に処せられる前に「一度は参議にまでなったというのに。。」と頭の中で思うところがなぜか印象に残っており、この人物はどんな人物なんだろうか、とその時から思っていた。
    それ以来ずっと気にする機会はなかったのだが、本屋でこれが並んでいるのを見かけて、「そういえば江藤新平って?」と思い手に取ってみたのであった。
    これを読むと著者のひいき目もあるだろうが、かなりの実務家であったことがわかり、とても好感をもった。
    強烈に仕事できる人というのは、なんだか憧れる。

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