物語韓国史 (中公新書)

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著者 : 金両基
  • 中央公論社 (1989年5月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121009258

物語韓国史 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 紹介文に「父が子に語る韓国史」と書かれているように、韓国・朝鮮の民族意識の反映としての歴史を語った本です。紀元前2333年に興ったとされる檀君の古朝鮮から説き起こされ、それ以降のコリア史を、檀君の母である熊女が見守り続けているというスタイルで、歴史物語が展開されていきます。三韓時代の抗争を記すことに重点が置かれていて、近代史についての叙述はほとんどありません。

    東北アジアの歴史については、いまだ実証的なベースでの研究を進められる環境が十分に整っていない現在、本書のような民族精神の形成に寄与するような神話=歴史を相互参照し、それぞれの国でどのように民族精神が形作られてきたのかを、批判的に捉え返していく作業が重要なのではないかと思います。そういった意味で、日本人にとっても、本書のようなコリア史を知ることの意義はあるのではないでしょうか。

  • ○この本を一言で表すと?
     日本生まれの韓国人が書いた朝鮮半島の神話と歴史の本


    ○この本を読んで面白かった点
    ・ちょこちょこ出てくる「檀君の母・熊女のつぶやき」が話を簡単に総括していて分かり易い反面、日本の天皇崇拝の朝鮮版といったところで著者の意見が出ているのかなと思いました。

    ・朝鮮でも建国神話があったことを初めて知りました。古事記の話などはむしろこれをモデルにしているのかもしれないなと思いました。(天帝の孫の桓雄が三種の神器を天帝から授かり、天降って神市を開き、人間になりたい熊と虎にその方法を教えて虎が挫折して熊が人間となり、桓雄と人間となった熊女の間に子供ができて檀君となった。)(Ⅰ章)

    ・中国では漢の時代に衛氏朝鮮があったというのは昔聞いたことがあるような気がしますが、その興亡とその後の対策として漢の武帝が節度使を置いたエピソードは初めて知りました。(Ⅰ章)

    ・高句麗と百済の祖先が同じ扶餘族ということは初めて知りました。また、その祖先も高句麗の開祖である朱蒙の子である温祚が百済の開祖と近い関係というのは面白いなと思いました。温祚が兄の沸流より大器だということを見せて王になる流れはこれまた古事記の海幸彦・山幸彦の話に似ているなと思いました。中国でも朝鮮でも日本でも同姓のものが王統を継ぐのが普通であるイメージですが、新羅だけ三姓が交代しているというのは面白いなと思いました。高句麗・百済・新羅・伽耶のどの建国伝説でも開祖は卵から生まれるという話になっているのは面白い共通点だなと思いました。(Ⅱ章)

    ・朝鮮三国時代は高句麗が強く百済が弱く新羅はその間で中国と組んだ新羅が最後に勝利、というイメージでしたが、率いる王の強さによってそれぞれが強かった時代があったことを初めて知りました(高句麗の広開土王、百済の近肖古王、新羅の武烈王)。(Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ章)

    ・後三国(新羅、高麗、後百済)の話はあまり知らなかったので新鮮でした。(後高句麗が成立し、反乱ですぐに潰されて高麗が起こり、新羅から高麗が禅譲され、後百済では王の甄萱が自分の子に幽閉されて高麗の力を借りて自分の国を滅ぼしてその後は仏寺に入って余生を送ることになり、高麗が朝鮮全土を統一。)(Ⅴ、Ⅵ章)

    ・今の韓国でも全羅道(昔の百済地域)が差別される傾向が残っていると聞いたことがありますが、その原因が高麗の開祖である王建の十ヶ条の遺訓で百済の者を登用しないことを定めたことというのは初めて知りました。(Ⅵ章)

    ・朝鮮は儒教の国のイメージがありますが、歴史上ずっと仏教国だったこととのイメージと相まってよく分からなくなっていましたが、李成桂による朝鮮王朝で崇儒廃仏政策を取ってそうなったことを知って納得できました。(Ⅶ章)

    ・ハングルが1443年に世宗のもとで作られながら、有力者の反対を受け、3年かけて「君民正音」を発表したものの、500年経ってようやく国字の地位を得たというのはなかなか苦労の歴史だなと思いました。(Ⅶ章)

  • 韓国の歴史を物語のようによんでいく。
    歴史の勉強がたのしくできる。

  • 神話の時代から中世が中心。歴史は争いの積み重ねということがよく分かる。

  •  最近韓国歴史ドラマをたくさん見ているので、朝鮮半島の歴史を建国当初から知りたいと思い買ってみた。神話時代から現在の韓国に至るまで、概略がわかるので面白いと思った。ドラマでは創作が多いと言われているが、この本でも神話なのか事実なのかよくわからない部分があった。

     タイトルが「物語 韓国史」なのだから、神話は神話として紹介してくれたらそれでいいのに、筆者はこれらの神話を「歴史的事実」ではないが「信仰的事実」だという。
     「信仰的事実」ってなんだろう。筆者はこれらの神話や伝説をどうしても「事実」にしたいらしい。それを正当化するために「信仰的事実」などという言葉を創作し、神話や伝説を「事実」にしているように見える。

     物語として読む分には、私には面白く読めたので、神話は神話、伝説は伝説と書いてもらえれば、素直に読めたのにと思った。
     そういう意味でがっかりした。

  • 紀元前2333年、白頭山に天孫が降臨するという「檀君神話」から延々と説き起こし、8世紀に新羅が滅亡するまでの記述が全体の4分の3を占め、1910年の韓日併合(本書にはこう記述されている)以降の歴史はわずか6頁に押し込まれているという、ビックリするほどバランスの悪い朝鮮史の本。

    神話と史実を一緒くたにして記述するのはいかがなものかと思う。とはいえ、『三國史記』によれば、高句麗の建国が紀元前37年、百済の建国が紀元前18年、新羅の建国が紀元前56年ということになっているから、日本よりもだいぶ歴史が古い。しかし逆にいえば、高麗王朝と朝鮮王朝(李氏朝鮮)の千年間には、語るべきダイナミックな歴史はないということなのかもしれない。また、済州島(耽羅)についての記載がないのも不満である。全体として、自民族中心主義的な史観に貫かれているのだが、これはこれで興味深い。

    高句麗・百済・新羅はセットにして語られるが、高句麗は遼東半島までをも含む広大な版図を治めていた。そのため、高句麗を中国の歴史の一部とみなす立場もあり、韓中両国の間で論争になっているらしい。隣国の歴史を客観的に語ることは、どの国にとっても難しい。

  • 韓国に旅行に行くことを思い付いてから、自分が隣国である韓国についてほとんど知らないことに気付き、これをきっかけに勉強してみようと手に取った。
    買った勢いで読み進めたが、頭に入らない。読んですぐ忘れていく感じだ。読み方の分からない名前・漢字が多すぎるのだ。李氏朝鮮から先が大事だと思ったのでそこからは読んだ。この本は韓国の戦後についてはほとんど書かれていない。朝鮮戦争の記述が2ページとは…。
    にしても、中公新書の字は相変わらず読みにくい。

  • 僕のじいちゃん、ばあちゃんの生まれ故郷はどうやってできたのか、知ることは良いことか、と思い買いました。
    「物語 イスラエル」と一緒にぼちぼち読もうかと思ってます。

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