複合不況: ポスト・バブルの処方箋を求めて (中公新書 1078)
- 中央公論新社 (1992年6月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121010780
作品紹介・あらすじ
80年代半ば以降、米国と日本で起きたバブルの発生と崩壊のメカニズムを実証的に分析し、今回の不況は金融の自由化の帰結として生じた金融部門の経営悪化にリードされて引き起こされた新しい不況であること、問題の焦点が有効需要より信用逼迫に大きく移動したことを明らかにする。したがって従来のような有効需要拡大政策もなかなか効果を現わさない理由が解明され、正確な診断による有効な処方箋の必要に応える労作である。
感想・レビュー・書評
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まだ大学時代を引きずっていた頃に読んだ本。面白かった記憶がある。
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物性研の所内者、柏地区共通事務センター職員の方のみ借りることができます。
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返却:物性研図書室へ返却してください -
2022/03/30 読了
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大和総研理事長。タイトル通りの内容。ポストバブルをしっかり論じている。
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一次産品経済が工業経済から分離した。
工業経済において、生産が雇用から分離した。
財、サービスの貿易よりも資本移動が世界経済を動かす原動力となった。 -
失われた10年が単なる景気循環ではなく、
様々な要因が相乗して生じた「複合不況」と定義した
平成不況分析の先駆的作品 -
1987年.
この前後に金融自由化、不動産投資、株価高騰、ドル買い円売りがすすむ.
経済循環のなかで、「バブル」がいわれる時期である.
日米複合不況
米国発、日本波及.経済知識が乏しいと、なかなか難解.金融の取引用語に理解がないと、文章の推移になかなか吐いてはゆけない.
が、レーガノミクスや中曽根首相が「ロン・ヤス」と意気投合していた背景と、それがなにをもたらしたかは、よくわかる.
為替差損.
金融政策とマネーサプライが問題となる.「円売りドル買い」の日銀政策が、「ドル買い円売り」に転じたーと、する.
国語的には似たような用字ながら、語順のちがいが円高移行を抑止しようとする国際金融のなかでの、円の<立ち位置>を背後に示しているらしいので、事は難解.
著名な学者による、よく読まれた著作.
誰が読み、誰が急いで読んだ.手にした著作は第2刷目.
実態経済の場に身を置く者には、必見であったはず.
国際経済のウネリのなかで、人為的操作の限界と危うさを読み取りつつ、アメリカとの関係のありようを考えさせてくれた.
しかし、それは著書の真意にちかづくもので、あるのか.また、遠のくのか.読者の一員としては判断しがたかった、が.
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4121010787 262p 1992・9・20 7版