karatteさんの感想
2015年4月1日
古書店にて200円で。酒呑童子そのものではなく、鬼門や蚩尤に関する文章が気になったので購入。この系統で読んだのは永井豪先生の『闇の宴 酒天童子異聞』ぐらいだが、さすがに専攻が日本中世史となると参考文献の数も膨大で、着実な論証を目指すにはこれくらいの博捜が必須なのだと思い知らされる。酒呑童子の正体についての考察にも気づかされる点は少なくなかったが、説話の形成に影響を与えたと目される国内外の様々な説話・文学には初見のものも多く、まさに蒙が啓かれる思いだった。これぞ読書の醍醐味。