ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)

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著者 : 本川達雄
  • 中央公論社 (1992年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121010872

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ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 哺乳類の心臓は一生のあいだに約20億回打つ。
    それはゾウでもネズミでも同じ。
    …ということは、心臓の拍動を時計として考えたら、ゾウもネズミも同じ長さだけ生きて死ぬことになる。

    …という冒頭の話から、目からウロコがぽろぽろ落ちていくのがわかりました。
    生物のサイズに着目し、エネルギー消費量や体内器官、移動方法などを考察しています。
    実際に計測されたデータから導き出された数式を元に説明が進むのですが、それぞれの生物にとって今ある形が理にかなっているものだということがわかりました。
    特に昆虫の体の仕組みについての第12章と、ヒトデやウニなどの棘皮動物についての第14章が楽しかったです。
    水の中ではやわらかく体をくねらせているのに、手で持ったとたんに固くなるヒトデの仕組み、やっとわかって長年の謎が1つ解けました。
    生物って本当によくできているのですね!

    そして、残念なことに、苦手な数式が出てくるたびに、ぼんやりと眠気をもよおす私の頭もよくできている…と思わざるを得ませんでした…。

  • 動物のサイズと時間、犬猫を飼った人なら実感しているはず。「犬の1歳って人の何歳の?」 犬のチャッピーが3ヶ月で我が家に来て、当時4歳だった娘は妹ができたと喜んだが、一年経つとチャッピーは17歳!!知恵のあるりっぱな犬に。かたや・・・。20年前の本。難しい理論を少しでもわかりやすく伝えたいという本川先生の気持ちは感じるが、それでも全部は読みきれなかった。(R)

  • おそらくこの本の初版が出たとき中学生で、長期休みの前に先生の一人が推薦図書にあげていてずっと気になっていた。
    20年立って未だに平積みされている以上、やはり読まねば、と。
    読んで納得、これは読みやすいし、おもしろい。選択授業の関係で生物を取らなかった私でもわかるような言葉で書かれているけれども、内容は濃い。
    そして着眼点が好き。サイズが違えば、時間の流れ方も違う、体のデザインにもきちんとその生物なりの理由があり、人間だけの世界観で測っていてはいけない、ということ。
    これは動物学の本だけれど、いろいろ考えさせてくれる本だ。

  • 生物の身体の構造や生存戦略がサイズによって規定されているということを、さまざまな事例を引きながら解説している本です。

    ゾウやネズミなどの哺乳類だけでなく、昆虫やサンゴ、ウニやヒトデのような生物についても、サイズという観点から一見不思議な生態を解き明かしています。

  •  ずっと前から読みたかった本。
     動物のデザインには意味がある。大きさにも形にも意味がある。すばらしいデザイン。そして、正しいデザインが何なのかは解らない。

  • この本には生物のサイズや体のつくりが自然界から見るとこんなに合理性があって、うまくつくられているものだと感心させられることしきり。
    代謝量と体重の関係、体重と食べる量の関係、レイノルズ数(慣性力と粘着力の比)と体長の関係など、様々な動物のそれらの関係を並べてみると綺麗に比例関係にあるのは自然界の不思議であり何とも見事だとしか表現できず、人間は普段人間の目線でしか考えない、なんとも視野の狭い動物だという気にさせられてくる。
    自分自身は学生時代生物は苦手科目であったが、そのような人でも問題なく読むことのできる、人間が最も優れた生物だという自惚れを拭い去ってくれる内容であると思う。

  • 本川達雄著「ゾウの時間 ネズミの時間」中公新書(1992)

    (1)体重が増えると時間は長くなる。ただし1/4乗で増えるため、体重が16倍になると時間がようやく2倍になるという計算である。体重の増え方に比べれば時間の長くなり方はずっとゆるやかだ。ではあるが、体重とともに時間は確実に長くなっていく。つまり大きい動物ほど、何をするにも時間がかかるということだ。時間は実は絶対ではない。我々は時間をふつう時計を使ってはかっている。時は万物を平等に駆り立てていくと我々は思っているが実はそうではないらしい。ゾウにはゾウの、犬には犬の、猫には猫の、ネズミにはネズミの時間と、それぞれ身体のサイズに応じて、違う時間の単位があることを生物学は教えている。このような生物における時間を物理的な時間と区別して、生理的時間と呼ぶ。
    (2)大きいということはそれだけ環境に左右されにくく、自立性を保っていられるという利点がある。動物は身体の表面積を通じて環境に接している。サイズが大きい程体積辺りの表面積は小さくなるので、表面を通じての環境の影響を受けにくくなると考えられる。サイズが大きい程上にも強い。飢餓状態では身体に蓄えられた脂肪などを使いならしのいでいく。一般的に体重が半分に減少した時点で多くの動物は耐えきれず死んでいく。サイズが大きいということは一般的にいって余裕があり、ちょっとした環境の変化はものともせず、長生きできる。これは優れた性質だが、一方でデメリットがでてくる。この安定性が、新しいものを生み出しにくくしている。大きいと個体数が少ないし、ひと世代の時間もながいため、ひとたび克服できないような大きな環境の変化に出会うと、新しい変異種を生み出すこともできず絶滅してしまう。一方で小さい物はつぎつぎと変異し、後継者を残すことができる。

    生物学はよく経営学の難問の解決の糸口になりやすい。このような事項を見てみても、大企業と小企業の違いが生物学と全く一緒であるということが良くわかる。なぜなら、大企業であれば分業化が進み、1人のスタッフが1つの職種を受け持っている。一方で小企業は人数が足りないため、様々な業務を1人でこなさなければならない。経験値の向上という観点でいえば、小企業では同じ時間働いていたとしても、大企業にいる数倍以上の経験を有する時間が過ごせるのではないかと個人的には考えている。また、金融破綻、経済危機などの大きな外部環境の変化は大企業にとっては死活問題であるが、ベンチャー企業にとってはまさにチャンスである。2011年という大きな変換がおこっている現在、救世主となるのは、今を生き残ったベンチャー企業であろうというのが、生物学的な見解かと個人的に考える。生物学と経営学を同時に比較したい人間にとって、この本は、経営学に応用できそうな生物学の世界観を教えてくれる個人的には貴重な本である。

  • 生物学は手がかりになる 島の規則 哺乳類は最高速度の3パーセントで動く 循環系 体が大きくても細胞の大きさは同じ 0.01ミリ 10ミクロン 昆虫はクチクラにより乾燥から身を守り硬軟に対応可。モノコック構造→飛行機など
    フレーム構造 気管 植物細胞壁 間奏を防ぐ セルラーゼは昆虫にとって原爆 制限された面積でなるべく光を受けるようになると木のようになる
    珊瑚は褐虫藻という単細胞植物を大量共生させ、光合成させている。 自切
    生理的時間は体重の4分の1乗に比例刷る。成長する時間もそれに比例する
    →時間が体重の4分の1乗に比例するということは、体が16倍大きくなると、時間は2倍ゆっくりと経過することになります。だから、体の大きな動物ほど寿命が長く、体の小さな動物ほど寿命が短くなる傾向にあります。でも、長生きする動物であれ、短命の動物であれ、一生の間に流れた時間は、同じよ

  • サイズによって時間は変わる。
    時間が違うということは、世界観も異なる。
    しかし、時間は違ってもサイズによって変わらないものもある。
    一生の間に心臓が打つ総数や体重あたりの総エネルギー使用量は同じである。

    実際に計測されたデータから導き出された数式を元に説明が進み、それぞれの生物にとって今ある形がいかに理にかなっているのかがわかる一冊である。
    ヒトがおのれのサイズを知る、これは人間にとって、もっとも基本的な教養であろう。サイズという視点を通して、生物を、そして人間を理解してみるのもおも
    しろいのではないだろうか。

  • 私の問題ですけど、書いてあることはさっぱり分からない。
    でもなんかスゴイことが書いてある、ということだけはものすごく伝わってくる。
    数字や式によって具体的な説得力を高めること、細胞がある機能を持つときにコストと対価という表現を使ったりして、事業計画の書き方に役立つのではないか、と筋違い(?)の感想を持った。

  • とても興味深い内容だったのだけど、読んでると睡魔に襲われ、読み終えることなく貸し出し期限が切れてしまった。
    機会があれば、もう一度読みたい。

  • これは良かった。時間のタイトルだが、生物入門の一冊としてとても面白い。大学生や高校生の教養に良さそう。

    個人的には生物学に興味を持てるようになった一冊ということで評価も高め。

  • 生物学入門書であり、自分にとっては今更ながら読んでいる感じだが、今更でも恥ずかしがらずに読んで良かった。生物学とは一見関係ない様に思える物理学系の式が出てきていて、生物学には沢山の知識が要ることを改めて思わせられた。最後の方で時間とサイズの話から少しだけ外れた話こそが著者のこの本を書き出した切欠が出ているのも面白い。めっちゃ棘皮動物のこと急に言い出したけどなんだこいつと思わずに読んでいただきたい。

  • 高一の僕には難しかった
    天高の千冊に入っていたので読んでみた
    また読んでみようかな

  • コープの法則。島の法則。呼吸器・循環器系(拡散)。時間は体重の4分の1乗。

  • 家で正月を迎えたとき、ネズミがいて餅のかけらやらソバの切れ端をもらって食べていた。そんな時ふと感じた。ネズミにとってもこれは正月なのか。ネズミの一年と人間の一年は同じなのか。そんなことを考えていたら、そういえばこんな本あったなと思い出す。
    数式の理論的な組み合わせや近似によって、動物の大きさから時間や生活空間、とられる戦略が展開される様は、みていてすがすがしい。
    面積と体積の比は長さ依存であるため、人間を基準にした場合、小人や巨人といったものの存在は難しいことが予想される。ほんとうを知りたくて確かめたら、理論的にそういう結果になったのだから仕方ない。
    また、導かれた理論を実際の動物を測定してみたらほぼぴったり、そういうところも生物学の魅力。大がかりな機械がなくても、分子や原子に解体しなくても、動物を覗いて見れさえすればいい。
    だが、読んでいくうちに、ふと考える。では、いったい大きさというのは何を表しているのか。大きさを知ることで何が予測できるのか。この手の生物学が陥りやすいところだと思う。進化生物学もそうであるが、結果論でしかない。数式集めて、動物集めてみたら同じ法則が導かれた、たしかにその事実は素晴らしい。だが、説明などいくらでもつけられる。大きさを知ることで、どんなモデルが構築できるのか。何を予測できるのか。生物は同じ環境にありながら、こうも大きさが違っている。どうしてこの大きさでないといけないのか。理論的に考え、実際の動物を測定して実際にそうなのだから、と答えるかもしれない。そんなことが聞きたいのではなく、なぜそこにその大きさの生き物がいるのか、それが知りたいのだ。きっと川に行って網で掬えば、そこにはたくさんの違った生き物が入っているだろう。このことをどう考えればいいのか。
    この本はそういう大事なことを考えてはいない。
    それから、哲学が頭の中ばかり覗いていて、自分の生物学は実際のものを扱っているという考え方はいただけない。それでも科学者なのかと問いたい。だいたい、大きさというもの自体ただの概念ではないか。どこに大きいがあって小さいがある。生物学、ひいてはあらゆる科学は、人間の頭の中の所為にすぎないと知るべきだ。それを知ったとき、生物のこの多様性が恐ろしく不思議に見えてくるはずだ。

  • 名著と誉れの高いこの新書をついに読了。
    大変面白かった。
    知性を弄る理系書物、と思っていたら時間をめぐる哲学的な問いを投げかけてくる。

    曰く、現代人のやっているのとはヒト本来のサイズに見合ったものなのか?
    思考のサイズばかりが大きくなっていないだろうか?

    これが書かれた1992年から25年たったが、人間は当時以上に生き生きとしていない。
    搾取され疲弊し悩んでいる。

    ここに答えはないが、改めて著者の問いかけについては真剣に考える必要がある。

  • 1992年刊行。体のサイズの違いが、当該動物における時間感覚に差異を生ぜしめるとの観点から、多くの生物について検証し、論じていく書。サイズにより寿命が異なることが多く(むしろ、サイズが当該動物の寿命と相関関係を持つことが多い)、1分あたりの価値が寿命の違いにより変わってくると言うイメージが持てれば、本書の意図を読解することはそれほど難しくはないだろう。むしろ、本書の肝は、数多くの生物にあたって説明したことにある。著者は東京工業大学理学部教授。

  • その筋では有名な本だそうです。この手の新書にありがちな堅苦しさがほとんどなく、とても楽しく読めます。生き物について目から鱗の知識がたくさん。

  •  生物のサイズにより時間感覚が異なり、それは体重の1/4乗に比例する、という話が面白い。推論の進め方も楽しく、充実した読後感がある。多くの読者がいる所以。
     近似式の立て方がいまいち不明なので、もう少し勉強しつつ再度読んでみたい。

  • 前半はことさら難しく、数学への理解がないわたしにはピンともこず、やっぱり算数必要だな…と余計なことばかり考えた。
    サンゴが産卵することを知っていてもそれが動物だという認識は薄かった為、後半のサンゴ、ウニの話しは面白かった。

  • かなり昔に話題になっていた本です。
    大半の動物は、サイズによらず、同じ比例の線の上に乗っているということを解説した本です。
    運動量や行動範囲、サイズ、心拍数、体の各種パーツなどなど、特に哺乳類に限ると同じ比例の線の上に乗るというのが測定で確認でき、それを式に表しています。
    ただ、なぜ比例の線の上に乗るのかについては、ほぼ仮定の話になっています。
    本書も古い本なので、いまなら解明されているのかもしれませんが。
    半分以上は哺乳類を中心として、そこに魚類や鳥類を足した感じの項目になっており、後半の数章で昆虫や植物とサンゴ、棘皮動物についての解説があります。
    個人的には、哺乳類などのサイズの話はかなりチンプンカンプンでしたが、昆虫、植物とサンゴ、棘皮動物については非常に面白く読めました。
    特に棘皮動物。ウニやヒトデの類ですが、このあたりは大変おもしろい、そして動物としても面白いものでした。
    外骨格的内骨格生物であるとか、キャッチ結合組織とか、面白い生態が解説されていました。
    先にも書きましたが、大半が推論や仮定の話で、事実としてはこうだけど、なぜこうなっているのかというのは書かれていないのが残念です。本書の時点で、解明していないので仕方がないですが。

  • 第1,2章のサイズと絶対時間の関係が特に秀逸。
    その後の章は物理法則から動物がなぜそのような形状をしているか導出している。これはこれで面白い。

  • 教科書で読んで気に入ってる本。かなり久しぶりの再読。
    サイズが違うとなにもかもが違う。いきものって面白い!この進化の過程を目で見てみたい。

  • とても難しい内容であった。

    哺乳類は、一生に20億回心臓を鼓動する。
    1回の鼓動の時間がそれぞれ違うため寿命が違う。

    それぞれ別の時間を持っているということになる。
    時間は体重の1/4乗に比例する。

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ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)の作品紹介

動物のサイズが違うと機敏さが違い、寿命が違い、総じて時間の流れる速さが違ってくる。行動圏も生息密度も、サイズと一定の関係がある。ところが一生の間に心臓が打つ総数や体重あたりの総エネルギー使用量は、サイズによらず同じなのである。本書はサイズからの発想によって動物のデザインを発見し、その動物のよって立つ論理を人間に理解可能なものにする新しい生物学入門書であり、かつ人類の将来に貴重なヒントを提供する。

ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)はこんな本です

ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)のKindle版

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