コ-ヒ-が廻り世界史が廻る: 近代市民社会の黒い血液 (中公新書 1095)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121010957

感想・レビュー・書評

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  • タイトルから推測できますが「珈琲」という物が如何にして世界の歴史(主に欧州)に影響を与えてきたのか?を主題とし、歴史的なアプローチから関係を辿っていく。といった内容になっています。 珈琲自身の発祥は勿論の事、欧州での珈琲定着の速度を爆発的に促したコーヒー・ハウスについての解説もあり、珈琲が好きな世界史好きには自信を持って勧められる1冊だと自分は思います。

  • [ 内容 ]
    東アフリカ原産の豆を原料とし、イスラームの宗教的観念を背景に誕生したコーヒーは、近東にコーヒーの家を作り出す。
    ロンドンに渡りコーヒー・ハウスとなって近代市民社会の諸制度を準備し、パリではフランス革命に立ち合あい、「自由・平等・博愛」を謳い上げる。
    その一方、植民地での搾取と人種差別にかかわり、のちにドイツで市民社会の鬼っ子ファシズムを生むに至る。
    コーヒーという商品の歴史を、現代文明のひとつの寓話として叙述する。

    [ 目次 ]
    第1章 スーフィズムのコーヒー
    第2章 コーヒー文明の発生的性格
    第3章 コーヒー・ハウスと市民社会
    第4章 黒い革命
    第5章 ナポレオンと大陸封鎖
    第6章 ドイツ東アフリカ植民地
    第7章 現代文化とコーヒー
    終章 黒い洪水

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 世界商品シリーズ、今回はコーヒーです。
    ザムザムの黒い水、知性のリキュールと呼ばれるコーヒーですが、
    この手の世界商品って(紅茶・たばこ・砂糖・綿など)
    プランテーションとか奴隷貿易を抜きにはあり得ないよなーと、
    しみじみ思いつつ読みました。勉強になったです。

    2010/3/1読了

  • 自分の大好きな飲み物について書いてある1冊

    コーヒーという摩訶不思議な飲み物は何故イスラム社会
    だからこそ大ヒットした。

    すこし面白かった

  • 普段何気なく飲んでいるコーヒーの歴史についての本ですね。
    少し独りよがりな文章の印象で、後半は付いていくのが大変でした。
    牽強付会なところもあるけど、新書だし仕方ないかな。

  • 学校で習う歴史とはまた違った視点で見る歴史は、とてもスリリングで面白い。
    ただでさえ面白いのに、文章がうまいからより面白い。
    ま、ちょっと自身の文章の流麗さに酔っている部分が散見されたりはするんだけど、それはそれで面白い。

  • コーヒーが世界史に果たしている役割を理解することが出来た。

  • テレビ番組「水曜どうでしょう」のディレクターの方が
    番組ホームページの日記に紹介されていて、
    読んでみた本です。

    イスラム教の聖なる飲み物として生まれたコーヒー

    それが大衆的な飲み物になり、
    ヨーロッパに渡り、
    イギリスにコーヒー・ハウスができると、
    そこは通信・保険など、さまざまな基地となり、
    そして、さまざまな熱い議論が起こされるようになった。
    そして、フランスでは、その議論がやがて…。
    さらに、コーヒーが世界を変えていった様子が書かれています。

    世界の出来事が強引にコーヒーに結び付けているところもありますが、
    なかなか読みやすく、楽しい本でした。

    最近、よく飲むようになったコーヒーを
    より考えて(?)飲めるようになりました。
    世界を巡って自分達のところに届くコーヒー
    それが飲めるのも平和なおかげ…

  • コーヒーの起源、世界への広まり方、戦争、植民地と今に至るまでをまとめたノンフィクション歴史。コーヒーはひとまとめにすると嗜好品になるだろうけど、単純なぜいたく品ではなく、まだ400年ほどの歴史しかないのに人の精神に深く根づいている不思議な飲み物ですね。近代のフードシステムに関する記述はないけど、生産者と消費者をいかに短くつなげるかが課題になるでしょう。

  • 4121010957  234p 1998・5・25 10版
    コーヒーを見ることで世界史が見える・・・そんな内容。

著者プロフィール

1946年福島県生まれ。東京教育大学大学院文学研究科修士課程修了。新潟大学教養部助教授を経て、東京大学大学院総合文化研究科教授。現在、東京大学名誉教授。専門は、文化学、ドイツ・ヨーロッパ文化論、言語情報文化論。
著書に『コーヒーが廻り 世界史が廻る――近代市民社会の黒い血液』(中公新書、1992)、『パンとワインを巡り神話が巡る――古代地中海文化の血と肉』(中公新書、1995)、『乾いた樹の言の葉――『シュレーバー回想録』の言語態』(鳥影社、1998)、『榎本武揚から世界史が見える』(PHP新書、2005)、『『苦海浄土』論』(藤原書店、2014)、編書に『バッハオーフェン論集成』(世界書院、1992)、翻訳にイバン・イリイチ著/デイヴィッド・ケイリー編『生きる希望――イバン・イリイチの遺言』(藤原書店、2006)等。他にバッハオーフェン及び母権論思想に関するドイツ語論文多数。

「2016年 『アウシュヴィッツのコーヒー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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