物語 北欧の歴史―モデル国家の生成 (中公新書)

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著者 : 武田龍夫
  • 中央公論社 (1993年5月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121011312

物語 北欧の歴史―モデル国家の生成 (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • 北欧5か国の歴史を追うと、力関係とか盛衰がわかって面白い。

    (メインの関心である)フィンランドの話はなかなかでてこないが、それもそのはず(しばらくの間北欧の歴史はすなわちデンマークなりスウェーデンなりが主役であるのだから)。
    しかしスウェーデンやロシアとの関係であるとか、ロシアとの戦争を経て(そして日露戦争を踏まえて…)100年前の独立に至ったなど、よくわかった。

    バイキング以降の通史をつかむにはよくまとめられていてよかろうが、全体的に、初学者にとってはやや詳しすぎるかもなぁ・・・
    (といっても自分はもともと世界史が苦手だったのを思い出すのだが。。そういう意味では、時々でてくるコラムには救われたかも)

  • これはダメ。歴史の本としていろいろ失敗している。積まれた新書を消化するキャンペーン④。

  • デンマーク・スウェーデン、ノルウェー・フィンランド、アイスランドの、中世以降の略史。

  • 読了。

  • 北欧の歴史を網羅的に解説。学校の歴史ではあまり出てこないので、へーと勉強になりました。

  • ○この本を一言で表すと?
     デンマークとスウェーデンを中心とした北欧の通史の本


    ○この本を読んで面白かった点
    ・世界史の本でも近代についての本でも少ししか書かれていない(触れられていないこともある)北欧について、断片的にしか知りませんでしたが、国家の成立前から戦後に至るまでの歴史全体を通して知ることができてよかったです。

    ・平等主義で冒険的で強かったバイキングの遠征ルート(P.9)とグリーンランドやアメリカ大陸への遠征(P.13)は今でもスケールの大きな話ですし、当時ではとんでもなく大きな話だったのだろうなと思いました。(序章 バイキングの遠征)

    ・デンマーク・スウェーデン・ノルウェーの北欧三国の成立と、自身は王にならなかったデンマーク王の娘のマルグレーテが最初は自分の息子を、息子が死んでからは姪の息子をノルウェーとデンマークの王として立たせ、スウェーデンでも王として認めさせることで三国同君連合とさせたのはとてつもない手腕だなと思いました。その後デンマークを上位とした北欧三国中でスウェーデンが独立してヨーロッパの中でも強国となっていく流れは興味深かったです。(第一章 キリスト教と反乱の時代)

    ・北欧ではルーテル派のキリスト教がカトリックを駆逐したためにその後のヨーロッパの宗教対立に巻き込まれなかったというのは初めて知りました。ルーテル派とは北欧独特の宗派かなと思ってWikipediaを見るとルター派のことだと知って腑に落ちました。(第二章 剣の時代)

    ・名前を聞いたことがあるグスタフ・アドルフがスウェーデン王で外征を行っている間もオクセンシェルナに内政をまかせて治めていたというのは初めて知りました。デカルトがスウェーデンで女王に会ったことは別の本で読んだことがありますが、それがグスタフ・アドルフの娘のクリスチーナ女王であったことや、クリスチーナがカトリック好きでローマで死んだことなどは初めて知りました(第二章 剣の時代)

    ・デンマーク王のクリスチャン7世が分裂症で異常行動をとるようになり、その侍医だったストルエンゼが王妃のマチルダと恋仲になり、国政を動かしていたが捕えられて処刑されたという話とデンマーク人が今でもその話を嫌がるという話は興味深かったです。(第三章 ロココの時代)

    ・スウェーデンで18世紀に自由の時代と言われる時代があって福祉などにも力を入れられている中で不況になり、また王権の時代に戻り、ナポレオンにより動乱の時代になるという流れは複雑で大変な時代だなと思いました。(第三章 ロココの時代)

    ・狂ったクリスチャン7世と不逞のマチルダの間の息子のフレデリック6世がナポレオン側に付かざるを得ず、ノルウェーを失ったものの、国民のために果断に行動したことからその死が国民に悼まれたというのは、元々の苦しい条件が揃った中で精一杯がんばったからかなと思いました。(第四章 動乱の時代)

    ・スウェーデンの現代まで伝わっている王家がフランスの下士官の家系ながら出世したベルナドッテから始まっているというのは面白いなと思いました。(第四章 動乱の時代)

    ・元々プロシアの領地だったホルスタイン地方と隣接した元デンマークの領地シュレスウィヒ地方を一帯の土地であると15世紀のクリスチャン1世が文書で残していたせいでシュレスウィヒ戦争に繋がり、完全に失ってしまったこと、「外で失ったものを内で取り戻そう」というスローガンを挙げたダルガスの国民運動から国内未開発地の開発が始まってデンマーク農業が急速に発展していったこと、グルントヴィにより国民学校の普及が始まったことなどは現代のデンマークに繋がっている話だなと思いました。(第四章 動乱の時代)

    ・ノルウェーがデンマークの支配下にあり、次いでスウェーデンの支配下にあって、ナポレオン戦争などで壊滅的な打撃を受けながらも海運国としての実力をつけ始め、憲法などを制定し、ついに1905年に516年ぶりに独立に至るという経緯は苦難の歴史だなと思いました。(第五章 独立の時代)

    ・フィンランドがロシアとスウェーデンに挟まれているという地理的な位置からつねに両国からの干渉を受け続け、ロシアが強国となってからは皇帝の政策により自治の度合いが変わり、日露戦争やロシア革命を経てようやく独立ができたというのは、なかなか苦労している国だなと思いました。(第五章 独立の時代)

    ・第一次世界大戦やその後の国際連盟成立などで中立を目指して苦労する北欧各国の事情と国際連盟への失望など、ヨーロッパ全域の中での北欧の外交政策の苦労が感じられるなと思いました。(第六章 戦間期の時代)

    ・フィンランドの対ソ戦とその上でのドイツとの関係、戦後にドイツが敗戦し、ソ連が戦勝国となったことから国際的に不利な位置に立たされたこと、その中で苦労しながらも国際的地位を向上させていったというのは大変だなと思いました。(第七章 大戦の時代)

    ・ノルウェーがドイツにあっという間に侵略され、その後レジスタンス運動を続けて勝利し、ソ連の脅しに屈しずにNATOに加盟したというのも大変だなと思いました。(第七章 大戦の時代)

    ・デンマークがドイツと国境を接した平坦な国であったことからドイツにあっという間に侵略され、その中でレジスタンス活動を続けて国内のドイツ軍に打撃を与え、戦後にNATOに加盟するものの非協力的な中立路線を採っているというのは興味深いなと思いました。(第七章 大戦の時代)

    ・スウェーデンが地理的にはデンマークやノルウェーよりドイツから離れていながらもドイツに協力を強要させられて中立の立場を時折乱されていながらも守り通し、北欧軍事同盟構想をノルウェーとデンマークに持ちかけるも成立せず両国はNATOに加盟し、スウェーデンはNATOに加盟せずその後も中立を保ち続けるというのは忍耐強い政策をとり続ける国だなと思いました。(第七章 大戦の時代)

    ・アイスランドは「北欧」5ヶ国の一つでありながらほとんど触れられていませんでしたが、この章でデンマーク領だったこと、火山噴火などの自然の脅威でダメージを受けていたりしたこと、第二次世界大戦時にはデンマークがドイツに占領されてからイギリスやアメリカに占領されていたことなどが触れられていました。(第七章 大戦の時代)

    ・福祉国家として戦後に経済成長を続けつつも停滞し、ソ連崩壊により冷戦が終結することで緊張の下での均衡が終わり、今後も福祉国家として存続していけるかが課題だと述べられていました。この本が書かれたのが1993年で、今なお福祉国家として存続し、存在感を示し続けていることを考えるとすごいなと思いました。(終章 曲り角の時代)

  • 『物語 北欧の歴史』北欧という地域に絞り、その歴史を現代まで簡潔に述べる。ひとつの国に絞っていないため、北欧の関係史が分りやすい。北欧5ヶ国についてのベースを仕入れられる。北欧と一括りにされてしまう国家の異なる道のりを把握して、各国の理解への入り口とすることができる。

  • 高校の世界史の知識がある人が、ダイジェストとしての北欧史の知識を加えるには良いかもしれません。地図を増やしたり、国別に王や首相(大統領)を纏めたものがあればもっと良くなるかも。コラムを付けて楽しませる工夫をしていた所は入門書としては◯。

  • スウェーデン・デンマークを中心とした北欧史概略。

  • 北欧といえば、東山魁夷の絵のような森と湖やフィヨルドや白夜、北欧デザインの家具や食器、高福祉社会、ムーミンであり、そのイメージは「寡黙で真面目で穏やか」だったのですが、この本を読んで歴史としては「穏やか」どころではないことを知りました。つい最近まで三国志状態だったという感じです。
    デンマークとスウェーデンを中軸にした数多の王朝の盛衰、隣国ロシアやドイツとの度重なる交戦、民族独立運動によるフィンランドとノルウェーの独立、二度の世界大戦と中立外交と、自国も含めた周辺状況が目まぐるしく変わっていく通史でした。

    以下、興味深かったエピソード。
    - スウェーデン王家の跡継ぎに、スウェーデンの国民議会がフランス人のベルナドッテを据えた。当時のナポレオン麾下の名将でカール14世ヨハンに改名する。ベルナドッデ王朝の開祖。そのカールヨハンがフランス軍との戦争でナポレオンを敗走させる。当時同君連合だったノルウェー王でもあり、現ノルウェー王宮に銅像がある。
    - フィンランドの分離独立運動を日本の工作員が支援していた。当時、日露戦争が起こっておりロシア国内の革命派を鼓舞するために工作員が送られていた。
    - 第二次世界大戦を通してスウェーデンは中立を通した。中立を守るために最後の一兵まで戦う決意表明を首相が行い、兄弟国ノルウェーを見殺しにし、ナチスドイツからのさまざまな要求に対して忍耐に忍耐を重ねながらギリギリの弾力的な政策を行い、3年かけて軍事力を整えてドイツに陰りが見えたところで譲歩政策を少しずつ転換し、今度は連合国の要求に応じていった。それは交戦国に対する公平さを意味する中立ではなく生存のための戦いだった。

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物語 北欧の歴史―モデル国家の生成 (中公新書)の作品紹介

本書はデンマーク、スウェーデンを中軸に、両国から分離・独立したノールウェー、フィンランド、アイスランド北欧5カ国の通史である。

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