日露国境交渉史―領土問題にいかに取り組むか (中公新書)

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著者 : 木村汎
  • 中央公論社 (1993年9月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121011473

日露国境交渉史―領土問題にいかに取り組むか (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • 1993年刊行。著者は国際日本文化研究センター教授。

     幕末の日ロ交渉史から始まり、エリツィン政権末期までの日ロの領土交渉を、日ロ双方の実情を踏まえレビューするもの。

     日ロ間で締結された条約の文言、条約交渉過程を詳細に書いている新書はあまり見ないが、エリツィン時代迄ではあるものの、一通りの問題意識を持つには有益な書。特に、サンフランシスコ講和条約、日ソ共同宣言の成立過程は詳細かつ新奇で良。
     ゴルバチョフ・エリツィンが北方領土返還交渉に全体的には後ろ向きであった事実は記憶しておく必要があるかも。

  • ▼皆さんは「大津事件」を覚えているだろうか。そう、日本に来ていたロシアの皇太子が行列を横切ろうとして武士に切られたあの事件。「司法権の独立」に際して引用されることの多いこの事件だが、この斬捨御免にあったロシア人こそ、若き日のニコライ2世(ロマノフ朝最後の皇帝。もっとも、ロシア革命後に処刑されてしまうのだが)である。これこそ世界がつながりを知ることの醍醐味だろう。
    ▼さて、本題の日露の国境交渉と言えば、つまり「北方領土」の問題である。両国の認識はさておき、第二次大戦後の世界において、北海道と北方領土との間の線引きは国際法や国際社会が認めているものとは言い難い。それゆえ、確定自体はこれからしなければならないことは事実である。
    ▼意外に知られていない事実であるが、この問題がネックとなっていて日本とロシアは平和条約を締結できずにいる。そのため、国際法上、戦争は終わっていない。
    ▼領土問題とは非常にセンシティヴでもあり、また、そこに生きる人々たちのことを「忘れた」議論もされがちである。いかに"national"でなく"rational"な、「目的」としてではない国境交渉戦略が組み立てられるかが、今私たちに求められているのだ。

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