フリードリヒ大王: 啓蒙君主のペンと剣 (中公新書 1152)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121011527

作品紹介・あらすじ

十八世紀なかばに、オーストリア、フランス、ロシアなどの大国を相手に七年戦争を戦い抜いた小国プロイセンの王フリードリヒ。彼は戦略の大家であると同時に、ヴォルテールを師として詩作に耽り、自らフルートを奏でる芸術家でもあった。しかし、彼にまつわる諸伝説の多くは、プロイセンがドイツ帝国となった十九世紀に成立したものであった。本書は、歪められた虚像の奥から、啓蒙君主の魅力的な人間性を引き出す試みである。

感想・レビュー・書評

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  • 啓蒙主義の魅力的な王様と認識していましたが
    こういう本を読むと、決して順風満帆というわけではなかったのだと実感できます。


    父の虐待
    逃亡失敗
    カッテ(逃亡に協力してくれた人)の処刑
    ラインスベルクの牧歌的生活
    冷めた結婚生活

    女性を見下す性癖があったせいか
    エリザヴェータ、マリアテレジア、ポンパドゥール夫人の自尊心を傷つけ、プロイセンは政治的に孤立したという俗説もあります。

    けど、個人的に、女性に媚びて愛人が沢山いる人より
    男性の友人と知的なお付き合いをする人が好きみたい。私。



    フリードリヒは若い頃は友人達と語らったり音楽を楽しんだりしましたが晩年は孤独だったようです。

    でも、フリードリヒは歴史上の多くの人に影響を与えています。

    私にとっては、大好きなBACHの『音楽の捧げもの』作曲のきっかけを作った人。

    http://nagisa20080402.blog27.fc2.com/blog-entry-241.html

  • 虚飾を排した大王の「実像」を描こうとする本。その際とくに注意が払われているのが、フリードリヒと父王フリードリヒ=ヴィルヘルム一世との確執、姉ヴィルヘルミーネとの家族関係、大王による王妃の冷遇、大王の個人的交友関係など、大王の人柄がよく分かるようなエピソードを中心として構成されている。その点では、参考文献にも挙げられている訳書『人はいかにして王となるか』と同様の内容を、ただし詳しい部分はそれ以上に詳しく、簡潔明快に叙述してくれている。『反マキャベリ論』の著者フリードリヒとシュレジエンに侵攻する政治家フリードリヒの対比についてなど、彼の政治哲学と実際の政策の関係については、かなり厳しい評価が下されている。他方で、ヴォルテールとの関係については、ヴォルテールの評伝などと比べればむしろ大王に好意的な書き方であろう。いずれにせよ、一八世紀の宮廷社会に生きる人間の生活様式、生活文化がよく分かる本である。

  • 某サイトで紹介されていて、図書館で借りて読む。
    フリッツ親父のパジャマの色、クローゼットの中身、好きな果物とそのお値段までわかる、すごい本。

  • フリッツおじいちゃん可愛いなー

  • ×
    どうやって入手しよう…

  • 公人でなく私人としてのフリードリヒを知りたい人にお勧め。
    これ読んだだけで著者の趣味がだいたいわかります(笑)

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著者プロフィール

明治大学名誉教授。西洋生活文化史・服装史専攻。

「2022年 『図説 服装の歴史[普及版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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