夏目漱石を江戸から読む: 新しい女と古い男 (中公新書 1233)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121012333

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    近代日本文学を代表する作家で、英文学者でもあった漱石。
    その作品は、英米文学の受容とともに論じられることが多かった。
    本書は漱石作品を、人形浄瑠璃や歌舞伎、浮世草子、人情本、読本のような江戸期の文学と西洋文学との交点に生まれたものとして捉え、比較文学の手法を用いて分析、『坊つちやん』の武士的精神が『虞美人草』以降、恋愛の世界と交錯し、同性関係と異性関係の絡み合いとして、『こゝろ』が生まれる過程を考察する。

    [ 目次 ]
    第1章 『坊つちやん』の系譜学―江戸っ子・公平・維新
    第2章 「お家騒動もの」としての『虞美人草』
    第3章 女性嫌悪のなかの「恋愛」 ―『三四郎』
    第4章 「メタ=恋愛小説」としての『それから』
    第5章 惚れる女、惚れられる男―『行人』
    第6章 『こゝろ』は「同性愛小説」か?
    第7章 幻の「内発性」―『明暗』

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著者プロフィール

小谷野 敦(こやの・あつし):1962年茨城県生まれ。東京大学文学部大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了、学術博士。大阪大学助教授、東大非常勤講師などを経て、作家、文筆家。著書に『もてない男』『宗教に関心がなければいけないのか』『大相撲40年史』(ちくま新書)、『聖母のいない国』(河出文庫、サントリー学芸賞受賞)、『現代文学論争』(筑摩選書)、『谷崎潤一郎伝』『里見弴伝』『久米正雄伝』『川端康成伝』(以上、中央公論新社)ほか多数。小説に『悲望』(幻冬舎文庫)、『母子寮前』(文藝春秋)など。

「2023年 『直木賞をとれなかった名作たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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