- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121012401
感想・レビュー・書評
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《現況》
《気づき》
平安時代の生のデータはほとんど残っていないので、ある程度は文学作品を参考にする必要があることはわかるんですが…。
あからさまなフィクションを、社会学的な考察の根拠にするのはよろしくないと思います。読む側が自分で眉毛に唾をつけながら読む必要があります。
私が今まで知らなかった大江朝綱とか藤原明衡の愉快な作品を知れたことは収穫でした。
あと「辻取り」「お稲荷さんの祭り」も知りませんで、興味深く拝見しました。
紫式部や清少納言の「家刀自」についての考え方も面白かった。
清少納言という人は、出仕中も藤原棟世という人と結婚していて、定子没後はその人のいる摂津?かどこかに行ったと聞いています。年はずいぶん離れていたそうですが。
この時代、物をかいてそれが残っているというような人は、まず一握りの、トップクラスの女性エリートであり、技術職であるから、普通の女性達とはまた感覚がちがうかもしれません。
私が思うに、平安時代というのはある意味現代に似ている気がします。性的にはなんでもあり、簡単にくっついたり離れたりできる。時代の風潮に振りまわされすぎるとある意味、幸せに生きるのは難しい時代だったのではないかと。そんなふうに思っています。
女性への性の抑圧が始まったのは、どこからの影響だったのでしょうかね。そこは明らかにされてないのが残念でした。
todo
大江朝綱とか藤原明衡の本を探して読む。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
実は三日夜餅について調べたくてそれっぽい資料を探してきたのだが、三日夜餅についてはまったくノータッチでどっちかというと、フェミニズムっぽい観点から平安時代における性愛観の変遷を見るって感じの本だった。
まあ、知りたいことはまったく知れなかった訳だが()、平安中期10世紀初頭頃にはほとんど男女差の見られない性愛観が、ムラから都市への社会変化、家父長制家族の成立、などにより次第に男性優位の性愛観へと変化していくというのは、まあ、うん、わかるんですけど、本書、三章+終章構成なんだが、如何せん章毎の関連が分かりにくいというか、章が変わると時代がわりと前後するので、読み通して全体的な話はわかるが歴史的な流れがわかりにくくてですね……。しかも、終章とか坂田聡「中世の家と女性」に対して半分ぐらい反論に使ってんじゃ無いかと思って、ひとつひとつ反論する必要はないのではとかとか。
しかし、農耕神である稲荷神がダキニ天と習合して、村では共同体における農耕儀礼としてなされていた祭りが都市部においては個の性愛の成立を願う祭りに変化し、また男女の出会いの場にもなっていく(辻等も同様)というのはなるほど興味深いなー、などと思ったりしたわけで、ただどーしてもやっぱりフェミニズムの色が濃いので、他の資料と併せて読まないとこれだけではいかんともなーという感じ。 -
平安時代の男女の恋愛観を知りたくて読み始めたのだが、途中現代のジェンダー論にまで話が飛んで驚いてしまった。
個人的に、最終章以外は面白かった。あくまで個人的に。 -
う~~~ん。
☆2.5くらいなかんじ。
読んでいてなんとなく不快な、生理的に受け付けないような部分があった。
頼長のところは興味深く読んだ。