両班(ヤンバン)―李朝社会の特権階層 (中公新書)

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著者 : 宮嶋博史
  • 中央公論社 (1995年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121012586

両班(ヤンバン)―李朝社会の特権階層 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • なかなか目新しい視点もあるものの構成が良くないのかいまいち散漫な印象

  •  朝鮮の時代劇を見ていると、両班(ヤンバン)という特権階級の人たちが出てくる。身分的にはその下に位置する常民や奴婢たちをこき使う。特に奴婢と呼ばれる人たちは人間扱いされず物と同じだ。売買の対象にさえなっている。

     私は朝鮮の歴史ドラマを見ていて、これほどに民衆をいたぶる両班という「種族」がいつごろどのようにして発生したのか、当時どれほどの人口の両班がいたのか、そして現代においてはその両班たちはどうなったのか、そういう疑問を持ってしまった。それにこたえてくれたのがこの本であった。

     「民衆エッセンス韓日辞典」によると「ヤンバン」の語義は
    ① [史](身分)両班。
    ② [史](東西班) 東班(文官の班列)と西班(武官の班列)。
    ③ 礼儀正しく善良な人。
    ④ 婦人が第三者に対して自分の夫を指して言う語。
     このうち最も概念を狭くとらえているのが②で、その次が①だそうだ。しかし、語義の配列順が示すように①が両班という言葉の最も重要な意味で使われるということだ。

     時代が下ってくると、一般人も上昇志向が強くなり、両班的地位を獲得しようとする動きが強まる。そうして両班戸や両班人口も増加するが、奴婢身分の人々は19世紀中葉になっても全人口の3割を占めていた。しかしただの労働力として利用されていた奴婢たちも、小さいながらも小作農として独立していく。下層両班、常民、奴婢の身分を問わず多くが小農として次第に均質な存在になっていく。

     近代になって社会全体の両班志向が加速化された。現代の韓国人で自分の属する一族の族譜が存在しないという人は希だそうだ。韓国人全部が両班になったらしい。

  • ぜひ。両班の日常生活についてのところなど真面目なのに笑える…。さりげなく重要なことを書いているので慎重に読みたい本です。韓国語版も。'양반'강출판,노영구 옮김.

    기타참고: http://www.sakyejul.co.kr/general/books/books_pop.asp?BookID=510

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両班(ヤンバン)―李朝社会の特権階層 (中公新書)の作品紹介

韓国では今日も、儒教の「教え」が日常生活の隅ずみまで深く浸透している。朝鮮・韓国で朱子学の受容を担ったのは両班階層であった。両班は官僚・知識人として李朝時代を通じ京師と地方の支配エリートであった。しかし両班は法制的手続きを経て制定された特権階層ではない。彼らは社会的慣習を通じ周囲から両班としての資格を認定された、相対的で主観的な階層であった。ではその資格とは。両班の形成過程と儒教的伝統の実態を描く。

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