アメリカ海兵隊―非営利型組織の自己革新 (中公新書)

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著者 : 野中郁次郎
  • 中央公論社 (1995年11月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121012722

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アメリカ海兵隊―非営利型組織の自己革新 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 旧日本軍は思考のシステムにおいて、米軍に勝ることができなかった。
    組織の存在価値を常に問い続けることが、私たちにできるのだろうか。
    コア・スキルの共有という概念を初めて知る。

  • 失敗の本質の野中さんの本ということでアマゾンに薦められて購入。組織論自体は公共組織なので営利組織にはそのまま転用できないのかもしれないと思ったが、勉強になる。こんどはSEALの本を読んで比較してみたい。

  • 「蒙がを開かれる」とはこのことだ。道に迷っている場合ではない。本書は著者の代表作『失敗の本質』と対で読まれなければならない。日本軍の「失敗の本質」はマニュアル君がそこかしこに跋扈したせい。一方、海兵隊が時代の荒波に揉まれながらも前線に立ち続ける理由は「無頼漢」気風を持ち続けているからだ。両者の大きなちがいは「官僚化するか否か」である。官僚機構は平時に発達する。日本軍は誕生も遅く「日清日露」以来、存亡の危機に立たされることがなかったので、形式主義や前例主義に頼ることになり、臨機応変に対処する考えを失ってしまった。かたや海兵隊はつねに「そもそも必要なのか」と疑義を挟まれ続ける組織だったために、存在意識を先鋭化させざるをえなかった。「生存の危機」こそが発明の母。『ピーターの法則』で言及される「無能状態に陥らないためには過剰適応しないことだ」というテーゼをそのまま地でいっている。そして、忘れてはならないのは、システム上の問題だけでなく気概の面でも、日本軍は海兵隊に太平洋で完敗していた点だ。タラワや硫黄島での日本軍を忘れてはならないが、海兵隊は勝つことに執着しており、あらゆる方法を駆使することを厭わなかった。やっぱり前のめりでいかないと。うまく思いをかたちにできないので再読します。

  • 常に自らを再定義することの出来る組織

  • 組織の存在意義、革新、機能を問う。
    細部に宿る本質の探究がすごい。

    ・陸海空軍との一線を画する存在、仕組み

    ◯組織が過剰適応に陥らず絶えず革新への挑戦を行なっていくためには、組織が基本的なものの見方、認知枠組み、思考前提を日常的に創り変えるプロセスを制度化していることが重要。
    ◯海兵隊司令官が推薦図書を公表し、隊員全員に議論のきっかけを提供する伝統
    ◯海兵隊将校向け月刊誌で自由投稿の紙面を中心に構成、毎号10前後の論文が、軍事理論、戦略、戦術、戦闘技能などを論じながら、海兵隊のあり方をさまざまな視点から絶えず見直している。

    1.「存在理由」への問いかけと生存領域の進化
    環境、使命、技術、組織からドメインを見出す。時間軸の変遷。

    2.独自能力-「有機的集中」を可能にする機能配置
    ミッションないしコンセプトを具現化する能力
    組織の持っている資源(ヒト、モノ、カネ、知識、情報)を機能として、この資源配分のデザイン

    3.「分化」と「統合」の極大化の組織
    論理的に不可能な同時達成について、時と場所によって、組織のリーダーが力関係の強い方を選び推進する。

    4.中核技能の学習と共有
    例 ブーツ・キャンプ

    5.人間=機械系によるインテリジェンス・システム
    敵、競合の情報

    6.存在価値の体化
    全人的コミットメントを引き出すもの

  • 海兵隊の歴史を知り、The Pacificを見ると理解が一層深まる。

  • 組織の生き残りのために的確に状況を認識し、変えていくというのは、いろんなものに当てはまると思う。

    先輩に薦められて読んだけど、いい本だった。

  • 石黒経済産業審議官(当時)から勧められた本。アメリカ海兵隊の成り立ちや、レゾンデートルを問われ続けたが故に、水陸両用作戦等の柔軟な戦術や実行力を兼ね備えた最強組織に進化することができたことなど興味深い。経済産業省の在り方を考える上でも非常に参考になる。

  • 自ら「楽な仕事は陸海がやればいい」と歌い、地獄の黙示録で知られる苛烈なキャンプをくぐった選ばれしメンバーで構成されるアメリカ海兵隊を知る一冊。

    セルフリニューイングオーガナイゼイションし自称する組織の中の個に、一番求められるのは「本物の矜持」ではないだろうか。

  • 「失敗の本質」と対で読むと良いと思うんだけど、組織論としてはたぶん第六章だけ読めば充分。

  • never mind how ; just get it done

    映画 フルメタルジャケット 新兵 boots bootcamp
    DI drill instructor 海兵隊 新兵訓練

    陸軍 ウエストポイント 海軍 アナポリス
    空軍 コロラドスプリングス
    海兵隊は士官学校がない

  • ○この本を一言で表すと?
     アメリカ海兵隊の通史と自己革新についての本


    ○面白かったこと・考えたこと
    ・アメリカ海兵隊の設立の経緯からどのように変わっていったかの過程を俯瞰できました。別の本を読んで間違って解釈していたところもあり、知識を更新できました。陸海空を統合したタスクフォースによる侵攻作戦は真珠湾攻撃からアメリカが学んだと何かの本に書いてありましたが、それより前から研究されていたということが分かりました。アメリカの軍隊は陸軍・海軍・空軍・海兵隊の4種あるものと思っていましたが、海兵隊が海軍所属ということを初めて知りました。

    ・設立経緯が「イギリスにあるから作った」という単純なものだったというのは初めて知りました。そこから艦上警察が主任務になり、海軍から排斥されそうになった中でマハンのシー・パワーの考え方が広まり、前進基地の防御、陸軍支援という別の任務を獲得していくという過程は、立場が曖昧でアメリカ軍という大きな組織の中で漂流するような不安定な立場に置かれていたのだなと思いました。(第一章 存在の危機)

    ・水陸両用作戦という考え方が生まれ、それを実践する組織という使命を新たに持ってそれに邁進するプロセスは自己革新の良い見本だなと思いました。その使命に必要なスキル・兵器・作戦等を開発していく過程は、目的を精神論ではなく着実に達成していく強固な進め方だと思いました。(第二章 新たな使命の創造)

    ・日本が敗戦に方向転換するきっかけとなったガダルカナル島の戦いはアメリカが全体的にずっと優位に立って圧倒的な勝利を収めたイメージでしたが、水陸両用作戦を始めて大規模に展開し、失敗も多かったことと、そこから教訓を得ていったというのは、これも自己革新の流れだなと思いました。(第三章 教義の実践)

    ・ガダルカナル島での教訓から水陸両用作戦を練り上げた後での戦いで、かなり作戦通り進めることができるようになったことと、海軍とのセクショナリズムから艦砲による支援が少なく、被害が大きかったことなどは、組織の良い方向と悪い方向の両側が出ているなと思いました。(第四章 教義の革新)

    ・第二次世界大戦でかなりの完成度を見せた水陸両用作戦の軍隊という使命から、即応部隊という環境に適応した使命を追求する組織への革新していったのは、成功事例に溺れる他の多くの事例と大きく異なるなと思いました。その海兵隊の各階層を育てるためのブーツ・キャンプや士官教育が書かれていて、その厳しさから確かに精兵集団になりそうだなと思いました。一般兵よりも士官の方が、座学においてだけでなく現場における作業の訓練においても厳しいというのは納得のいく上下関係が作られる組織構築法だなと思いました。最新機器等を追求しながら、現場の「インテリジェンス」の方をより重視するという姿勢は企業においても重要なことではないかと思いました。(第五章 革新への挑戦)

    ・海兵隊が自己革新組織であることがまとめられていました。各自が特化した者の集合ではなく、各自が戦争に関する必要分野を一通り経験した者の集合というのは、失敗すれば何もかもが中途半端になりそうですが、うまくいけばこの章での主張通り有機的な組織になりそうだと思いました。(第六章 組織論的考察)

  • 自己革新を続ける組織の要件を理解できた。

  • 趣味と実益を兼ねて、「自己革新組織」について学ぶため、手に取った。

    1-5章は海兵隊の成り立ちや歴戦、その文化や組織構造などを実例を元に解説しており、ここは軍事好きでないと読みつづけるのはツライかもしれない。
    6章は組織論考察ということで、「失敗の本質」の解説部分のような章となっている。海兵隊が「最強組織」として存続している考察がここにまとまっており、この章を読むだけでも得るものは多い思う。

    学習し続けること、リーダーが「戦略」=「文化と統合のバランス」を正しく行うこと、規律を守らせて小進化を続けること、本質的に変えるべきでないことのために継続的に自組織の機能を変えていくことの必要性、を学んだ。

    【以下、気になった部分書き出し】
    ・士官候補過程(OCC)の目的は、士官候補生にストレスを与えて、いかに挑戦・反応するかを評価し、選別することである。ストレスにうまく対処し、リーダーシップ、知性、強固な人格、耐久力、自発性、共同作業能力(チームワーク)を示したものが少尉任官の資格を得る。(P151)
    ・海兵隊には、「友軍を見殺しにしない」、「死者を戦場に放置しない」という伝統がある。将校や兵士が危険を犯して死傷者を収容しようとして、自ら死傷した例は数え切れない。死傷しても必ず収容されるという信頼、お互いに骨を拾うという戦友愛は、海兵隊員の連帯意識の支柱となっている。(P162)
    ・自己革新組織とは、絶えず自ら不安定性を生み出し、そのプロセスの中出新たな事故創造を行い、飛躍的な大進化としての再創造と連続的で漸次的な昇進かを、逐次あるいは同時に行うダイナミックな組織なのである。(P171)
    ・その要件とは、(1)「存在理由」への問いかけと生存領域(ドメイン)の進化、(2)独自能力-「有機的集中」を可能にする機能配置、(3)「分化」と「統合」の極大化の組織、(4)中核技能の学習と共有、(5)人間=機械系によるインテリジェンス・システム、(6)存在価値の体化である。(P172)
    ・ドメインとは、組織がどのような領域で環境と相互作用したいかを決める独自ノン生存領域のことである。ドメインの定義は、組織は誰に対して、いかなる能力で、何を提供するのかの基本構想を示すもので、究極的には組織のミッションを明らかにすることである(P172)
    ・水陸両用作成ンという概念は、海兵隊の過去の経験の延長から生み出せるものではなかった。それは、現状の改善から生まれる小進化ではなく、過去から不連続的に飛躍する大進化のきっかけになった概念である。(P176)
    ・昇進かとしての洗練は経験的であることが多いが、大進化としての再創造は経験を超える概念で始まることが多いのではなかろうか。(P176)
    ・その領域での生存に必要な独自能力を開発し、それを他組織との際を強調しながら展開するのが自己革新組織の戦略の要諦である。(P178)
    ・素子マニュアルのような、組織的に共有可能な形式知も重視するが、質の高い暗黙知がなければ形式知に変換しても底の浅い知にしかならない。イノベーションの源泉は、、機械的な形式知にあるのではなく、人間的な暗黙知にあるのである。(P187)
    ・基本的な規律の共有も重要である。・・・・・当たり前の基本を確実にやらせる規律も、小心化の持続には極めて重要なのである。
    ・今日体験は相手の思考プロセスまで暗黙的にわかるので、戦闘行動に不可欠のチームワークの知を涵養するという。(P192)
    ・海兵隊が、贅肉のない、プロ意識に徹した、いざというときに頼りになる軍事組織でなくなった時には、即消滅するであろう、と(P193)
    ・いずれも環境の変化を先取する形で主体的に氏名ないしドメインを変革し続けてきた。氏名やドメインは機能的価値と言ってもよい。... 続きを読む

  • 非営利組織でありながら、革命的な自己革新を起こし続ける、米国海兵隊をまとめた本。海兵隊が出るので、相手役として日本軍も出てくる。日本軍側から米国海兵隊の水陸両用作戦を分析した堀栄造の『大本営参謀の情報戦記』も合わせて読むとさらに深い理解ができると思う。

  • どうしても旧日本軍との戦いが登場し、海兵隊=正、旧日本軍=悪(敵)という図式が見え隠れし、非常に読むのが辛い。全然ページが進まない。

  • 海兵隊の歴史と変遷が判る。米国民に組織の存在理由を如何に納得して貰ふかを組織論として展開する。
    17年前の著作であるが、オスプレイ開発の話も登場し古さを感じない。
    海兵隊入隊者は必づライフル射撃訓練をさせられる。ライフルマンが飛行機、ヘリ、戦車、LVTを動かす。
    「友軍を見殺しにしない。死傷者を戦場に置き去りにしない。」
    軍事組織に縁遠い日本人にとって大変勉強になる本だ。

  • 意思決定関連の本として借りたのですが、借りようとしてたのは別の本だったっぽい。
    日本軍のやられっぷりの描写がけっこう生々しいです。これはこれで興味深く読めました。

  • アメリカ海兵隊のことを書くということは、第二次大戦の日本軍のことを書くということで、途中で読むのが辛くなり断念しました。

  • 陸・海・空以外の部隊である海兵隊。たびたび映画やドラマにも取り上げられる部隊がどうやって結成されたか、何故必要なのかについて書かれている。内容のおおよそは海兵隊の歴史であり、最後の方に部隊の概要がかかれている。純粋に海兵隊のみに触れられている。
    海兵隊というものがどういうものかおおよそ知っていたとはいえ楽しめて読めた。中公新書ということもあり内容は興味がないと比較的難解。

  • つねに不要論が存在することは、自己革新的であるための重要なポイントなのかもしれない(商社も似たようなものである)。また、海兵隊が自己革新的でいられたのは、「平時には縮小される」という軍隊特有の絶対的な運命があるために、存続の危機をつねに体感していたことも大きいだろう。

    そういう意味で言えば、海兵隊が自己革新的であることができたのはひとえに政府という絶対的圧力団体が存在したからで、個人的には、この構図を株式会社に活かすことができるのかどうかに興味を持った。

  • ◎太平洋戦争における米国海兵隊の対日基本戦略となるオレンジ・プラン 【P22】
    1924年承認(先見性)/海兵隊幕僚アール・H・エリス少佐が提言/水陸両用作戦による敵前進基地の奪取を海兵隊の使命と定義

    ◎海兵隊気質を持つ男:アンドリュー・J・ヒギンズの人生哲学 【P45】
    「手続きはどうでもいい、やってしまえばいいんだ(Never mind how; just get the job done.)」

    ◎タラワ上陸作戦の教訓を活かす 【P90】
    作戦終了直後、戦闘中に生じたすべての失敗と欠陥を発見し、詳細に検討し、それを修正するよう、幕僚たちに指示した。
       ↓
    タラワ上陸作戦の究極の戦訓は、ライフルマンを支援する戦車・砲兵・工兵・艦砲射撃・近接航空支援を統合する有機的チームワークとコミュニケーション手段の構築にあった。
       ↓
    太平洋全域にわたり、戦訓が配布された。

    ◎研究開発システム 【P166】
    海兵隊員には、全員が研究開発に関する情報提供が義務付けられ、訓練終了後ごとに、たとえシャベル一本の改良すべき部分でも発見すれば、部隊から即、開発センターへ知らせるシステムが確立されている。

    ◎反省のシステム 【P168】
    組織が過剰適応に陥らず絶えず革新への挑戦を行なっていくためには、組織が基本的な物の見方、認知枠組み、思考前提を日常的に創り変えるプロセスを制度化していることが重要である。

    海兵隊の場合の2つの仕組み:
    1,海兵隊司令官が推薦図書を公表し、隊員全員に議論のきっかけを提供する伝統。
    2,隊内月刊誌の自由投稿紙面の目的は、自由な議論とアイデア交換の場を提供し、…思慮に富む投稿を通じて毎年多数の海兵隊員が、海兵隊の進化と進歩に貢献するアイデアを提起できるようにすること。

    情報収集機関や部署に依存するよりも、組織構成員の一人ひとりが絶えず組織環境の変化(個々の概念とその結晶化したものが古くなっていないか)を監視するほうが、個人的かつ組織的な変革へのコミットメントを引き出すためにも望ましいと思われる。

    ◎自己革新組織の組織論的考察 【P171】
    ※紙面コピーを参照のこと

  • 海兵隊の歴史と事実を述べているだけで、組織反映などの考察などは余りなく、正直がっかり。

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アメリカ海兵隊―非営利型組織の自己革新 (中公新書)の作品紹介

1775年に英国を模して創設されたアメリカ合衆国海兵隊は、独立戦争以来、2度の世界大戦、朝鮮・ベトナム・湾岸戦争などで重要な任務を遂行し、遂にはアメリカの国家意志を示威するエリート集団へと成長した。はじめは海軍内でとるに足りなかったならず者たちが自らの存立を懸けて新たな戦術を考案し、組織の自己革新をなしとげたのである。本書は、その戦績をたどりながら、「最強組織」とは何なのかを分析する試みである。

アメリカ海兵隊―非営利型組織の自己革新 (中公新書)はこんな本です

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