文科系のパソコン技術―ライティングシステム序説 (中公新書)

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著者 : 中尾浩
  • 中央公論社 (1996年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121013040

文科系のパソコン技術―ライティングシステム序説 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 今考えている植物のデータベースをつくる
    ということについて、ヒントになるかもしれないと
    思い読んでみる。
    理科系とはアプローチの仕方が違うことに興味を持った。

    いくつかの提言について
    「コンピュータは、言語を処理するための道具である。」

    「文科系の人間にとって言語をどのように
    扱うかこそ仕事の中心だからである。」

    「頭の中であれこれ概念を操作することが
    確かに考えること・・実際に書いたり、
    あるいは他人と議論しながら考えているはずである。
    いずれも言語化する作業を伴っている。
    しかもそれは現実に目に見えるかたちで
    文字にしたり音声にしたりすることによってである。
    これを思考の外在化とよんでよい。」

    「言語形態をまとう以前の思考とは
    不定型な星雲のようなものであろう。」
    言語学者 ソシュール

    「人間とは不思議なもので、
    先ほどまで自分の頭で考えていたことさえ忘れてしまう」

    「書きながら考えが変わってくることはないだろうか。」

    「知的生活や知的生産には
    インプット型とアウトプット型がある。・・
    インプット型の人の方が
    アウトプット型の人より多いことになる。」

    「物書きという職業が特殊であったばかりでなく、
    書くという行為そのものが
    かなずしも日常的ではなかった。」

    「パソコンは、発信する思考を支援するのである。」

    「最終的にアウトプットにいたる、
    データを集める、読む、考える、書くと
    いった一連の行為を総括した
    「ライティングシステム」
    ととらえた方がふさわしいのではなかろうか」

    「文をデータベースと見なす。」

    「データベースにおいては
    利用価値と構築の労力が正比例している。」

    「とにかく何でも入力しておくことである。」

    「日本のデータベース産業が遅れているのは、
    「情報はただ」という安易な意識がどこかにあるからである。」

    「言語の中には差異しかない。」ソシュール

    「差異といってもコンピュータと自然言語では
    どうも扱いが違う。
    明らかにコンピュータで判断できる差異には
    限界がありそうなのだ。」

    「日本語では形態的差異をコンピュータに
    認識させることからして困難なのだ。」

    「コンピュータは形態的な差異を認識することは
    非常に得意である。
    それを応用して文法的な差異を
    認識させることもかなりのレベルで成功している。」

    「そうして正しさをいくら追求しても、
    なかなか人間の知能に近づいたといえない。
    なぜか、人間は間違えるからである。
    お互いの誤解をどうやってカバーしあうかが
    コミュニケーションの基本であるからである。」

    「狂人とは理性を失った人間のことではない。
    理性しか持たない人間のことだ。」

  • 文科系なんてとんでもない。名前から想像したよりずっとパソコンエキスパートな内容だった。著者は専門職でなくても中級から上級のエンジニアだと思われる。

    中でもG・K・チェスタトンの次の言葉を引用し、パソコンに当てはめていたのは興味深い。
    『狂人とは理性を失った人のことではない。狂人とは理性以外のあらゆる物を失った人である。』
    パソコンは定められたようにしか動かない道具、それだけなのである。

    パソコンという道具は何が得意か、何ができないか、という特性を上手く解説していた。
    パソコンに限らず、そういった観点で物、生活を見つめるのは誰にでも役に立つことだと思う。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4121013042
    ── 中尾 浩《文科系のパソコン技術 ~ ライティングシステム序説 19960625 中公新書》
     
    ── ソシュールのデータの場合、エングラーが作成した『一般言語学
    講義:校訂版』(通称『エングラー』版)に基づけば、断章番号という
    便利なものがついているので、ページ数などをあまり気にする必要がな
    かった。(P124)
     
    ── 狂人とは理性を失った人間のことではない、理性しか持たない人
    間のことだ(チェスタートン, G.K.)(P184)
     

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