医者のみた福澤諭吉: 先生、ミイラとなって昭和に出現 (中公新書 1330)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121013309

感想・レビュー・書評

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  • 慶應義塾医学部を定年となった筆者がH5年に行った記念講演を膨らませた書籍。

    墓所移動のために75年ぶりに掘り起こされた福澤が、地下水のせいで屍蝋(ミイラ)化していた話から始まり、福澤が西洋見聞の際に医学をどのように捉えていたかという話までは福翁自伝の医者視点からの解説といった体裁。

    しかし、北里柴三郎をサポートして伝染病研究所(現在の東大医科研)をつくる話、北里が医療官僚トップの森鴎外こと森林太郎のサボタージュで辛苦をなめる話、北里が北里研究所を設立する話、のあたりから、官僚vs民間、東大医学部vs慶應医学部の確執といった顛末記となってくる。

    明治に入り、国民病であった脚気予防の取り組みにおいて、麦食を取り入れたことで海軍が脚気を克服するのに対して、森林太郎が医療責任者を務めた陸軍が日清戦争・日露戦争と米食を継続したために戦死者以上脚気による死亡者が出る話は、福澤諭吉の時代とは関係ないが多くのページが割かれている。

    なかなか面白い本だった。売らずに本棚に残しておく可能性が高い。

  • お医者さんの書いた本ですが、わかりやすくて、
    面白かったです。福沢諭吉の知られていない業績を
    知ることが出来ます。近代医学にも貢献していました。
    シーボルトの娘のお稲、森林太郎(鴎外)、北里柴三郎
    の話も興味深い内容でした。

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