トリマルキオの饗宴: 逸楽と飽食のローマ文化 (中公新書 1352)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121013521

作品紹介・あらすじ

「トリマルキオの饗宴」とは古代風刺小説の金字塔といわれる『サチュリコン』の一部であり、作者は、ネロの背徳の指南番というべき通人ペトロニウスとされている。この時代、ローマは平和と繁栄の只中にあり、市民は拝金主義、逸楽、飽食に浸っていた。「トリマルキオ」はこの時代精神を最も良く体現する作品である。本書は厖大な文献、考古・美術資料、諸研究を駆使して、社会、生活、文化を再構築する、刺激的なテキスト解読の試みである。

感想・レビュー・書評

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    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99635313

  • 『トリマルキオの饗宴』とは、歴代の古代ローマ皇帝の中でも悪名高いネロ帝の背徳の指南役とも言われるペテロニウスが著した『サテュリコン』という小説の一部分です。エンコルピウスなる人物が地方の有力者であるトリマルキオに食事に招かれ、そこで経験したさまざまな贅沢を紹介していくという形式となっています。そこには各地からもたらされた食品や、開く天井など様々なものが紹介されてますが、これらは当時のローマの交易範囲や建築技術などを反映しており、歴史史料としても非常に有益な書物です。先頃、塩野七生女史の『ローマ人の物語』が完結しましたが、(女史もこの本を参考にしていることは間違いないでしょうが)そこにはないローマ人の別の顔を見ることができること受けあいの本であると思います。この『トリマルキオの饗宴』を研究した人が書いたさまざまな絵も記載されており、視覚的にも楽しめる本です。

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著者プロフィール

1944年生まれ。東京大学副学長、国立西洋美術館館長、国立美術館理事長を経て、2013年より第21代文化庁長官。

「2014年 『アーカイブ立国宣言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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