道楽科学者列伝―近代西欧科学の原風景 (中公新書)

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著者 : 小山慶太
  • 中央公論社 (1997年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121013569

道楽科学者列伝―近代西欧科学の原風景 (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • 楽しい読み物。
    アンシャン・レジームの大貴族から、本邦の「道楽科学者」だった蜂須賀正氏侯爵にも影響を与えたウォルター・ロスチャイルドまで、おカネとヒマにあかして趣味に打ち込み、結果的に人類に多大なる貢献をした6人の事蹟を紹介している。先に挙げたロスチャイルドやラヴォアジェ、ローウェル天文台のローウェルなど、誰でも一度は聞いたことがあるビッグネームが多々登場するが、その物語は(現代の平均的日本人には)耳新しい。私は隙間時間に少しずつ読んだが、そういう読みかたにぴったりの本である。
    革命で斬首されたラヴォアジェの例はあれど、性別以上に身分がものを言った時代であれば、卑劣漢ワトソンに貶められたロザリンド・フランクリンのような悲劇も登場しない。恋多き侯爵夫人の生涯の、なんと痛快であることか。何らの気がねなく愉しめる、一級の娯楽作品であると言えよう。

    2017/7/10~7/14読了

  • 6人の科学者の生涯と業績を簡単に紹介している本です。取り上げられているのは、シャトレ公爵夫人、ビュフォン、ラヴォアジエ、バンクス、ローエル、ウォルター・ロスチャイルドで、さらに終章で、アルフレッド・ルーミスとド・ブロイにも簡単に触れられています。

    自然科学の専門分化が著しい現在とは異なり、本書に取り上げられている科学者たちはディレッタントとして科学研究に取り組んでいました。本書は、そうしたディレッタントの科学者たちが生き生きとした情熱を持って科学研究に邁進していたことが描き出されています。

    自然科学に詳しくない読者でも楽しんで読むことのできる本だと思います。

  • 生活の糧とか特定の使命感からではなく、純粋な好奇心や楽しみのが目的で、科学や学問にのめり込んだ人たちが少なからずいた話。
    誰彼のエピソードも、生きるのには困らない財力 + 才能と努力という構図。ベルエポックならでは精神の余裕が感じられる話ばかりで、なかなか現代の研究者たちには羨ましい限りだろう。

  • かつて生活のためではなく純粋な好奇心(道楽)から科学をやった人達
    がいた.彼らの余裕のある学問へのうちこみかたがとても羨ましい.ビュフォン、ローエルなどが特に面白かった.この本が絶版なんて.

  • 科学がまだ職業として確立していなかった頃に活躍した人々の紹介。そこでの科学は金儲けの手段ではなく、純粋に知的好奇心に支えられているものだった。そんな時代が少し羨ましくもある。あとがきにあったように、当時の富の不平等があったからこそ、ラボアジェによる質量保存則の発見などの科学の発展があったのではないか、という指摘は間違っていないと思いました。

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小山慶太の作品

道楽科学者列伝―近代西欧科学の原風景 (中公新書)の作品紹介

恵まれた才能と富を活かし、「学問という最高の道楽」を楽しんで、卓越した業績を挙げたディレッタントたち。華麗な恋の遍歴のはてにニュートンの『プリンキピア』仏訳を完成したシャトレ侯爵夫人、領地の森をフィールドに『博物誌』を著したビュフォン伯爵、大銀行の長男に生まれながら動物学者の道を歩んだウォルター・ロスチャイルドらの姿に、学問が職業として確立する以前の、好奇心と遊び心が融合した近代科学の"原風景"を見る。

道楽科学者列伝―近代西欧科学の原風景 (中公新書)はこんな本です

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