鄭和の南海大遠征―永楽帝の世界秩序再編 (中公新書)

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著者 : 宮崎正勝
  • 中央公論社 (1997年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121013712

鄭和の南海大遠征―永楽帝の世界秩序再編 (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • 1997年刊。著者は北海道教育大学教育学部教授。


     所謂コロンブスらの大航海時代に先立ち、世界史的には二つの大航海時代があったと著者は規定する。
     その一はイスラム世界によるものだが、もう一つは元~明朝にかけての中国発の大航海時代であると。
     本書は空前の陸上大帝国を創出したモンゴル帝国が陸のみならず、海のシルクロードを生み出し、それが、後の明朝の永楽帝、鄭和の南海大航海に繋がっていく様を解説していく。

     重要なのは①イスラム商人のインド洋(特に西)での展開と、②元朝以前=宋朝期から東南アジアに居住する華僑の展開。

     一方、なぜ欧米が近代化を達成し、中国が後塵を拝したかにつき、ジャレド・ダイヤモンド「銃・病原菌・鉄(特に下巻)」などで論考されているが、①遊牧民との対決を回避できない(周辺の広大な草原地域のため海洋国家になり切れない東アジア中国の地政学的位置)と、②朝貢システムの持つ海洋進出規模の上限(際限なき損はかぶれない)、③朝貢システムを撤廃するくらいに海外進出の必要性はなかったこと(自給自足が可能なくらい豊富な国内生産力)が本書から伺えそうかな、との感。

     確かに本書は元明期のユーラシア交易論が基本であるが、鄭和に代表させた明朝期の宦官論にも言及があり、初期の明朝政権論にも目配せが効いていると言えそう。

     なお、東アジア交易(朝貢システム)でも、胡椒の産品としての重要性は西欧が求める場合とさほど変わらないよう。何故か?は向後の疑問として残しておく。

  • タイトル通り、鄭和の南海遠征が中心の本です。が、より大きなテーマとして、当時の中国からイスラム世界をつなげた、「ユーラシアの海のネットワーク」の姿を描き出すということをしている本ではないか、と感じました。空間的にも時間的にも「その時代の海」を描き出すことに成功していると思う。面白かったです。

  • 鄭和の南海遠征について「明帝国が取った海禁政策を世界史的枠組みの中に位置づけようと」して書かれたそうだが、背景や海上の交易ネットワークについてはあんまり掘り下げられていない。概要を知るには手頃か。

  • 残念ですね。
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鄭和の南海大遠征―永楽帝の世界秩序再編 (中公新書)の作品紹介

十五世紀はじめ、宦官の鄭和は永楽帝の命を承け、二万七千名の乗組員からなる大艦隊をひきいて、七回にわたり南シナ海、ジャワ海、インド洋を結ぶ航海を行い、ダウ船・ジャング船交易圏を明帝国の政治的ネットワークに転換する試みに挑んだ。明帝国の農本主義と海禁政策を採りモンゴル帝国以来の海と陸の大ネットワークから帝国を切り離し、中華秩序の再建を策したのである。鄭和の事跡を永楽帝がめざす世界秩序再編の視点で捉える。

鄭和の南海大遠征―永楽帝の世界秩序再編 (中公新書)はこんな本です

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