「良い仕事」の思想―新しい仕事倫理のために (中公新書)

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著者 : 杉村芳美
  • 中央公論社 (1997年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121013811

「良い仕事」の思想―新しい仕事倫理のために (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • 西洋で"労働"というものに対する評価がその時代によっていかに変遷してきたかを考察しています。

  • 自己実現願望の労働とは別の、仕事倫理を模索する誠実な試み。80年代初頭の東大の相関社会科学が叶えた質実な学問が継承されている。西洋の労働観の変遷を丁寧に追い、ルイスとシュマッハーの労働観に示唆を受けながら、おぼろげではあるが質のある労働観が浮き彫りになる。決して奇を衒うことのない筆に、社会科学という学問がまだ捨てたものではないことを思わせる。

  • [ 内容 ]
    経済の発展期には美徳とされた勤勉の価値が豊かさの到来とともに揺らいでいる。
    よく働くことは余暇や家庭や地域の生活と相反する生き方になってしまった。
    勤勉な労働よりも、意味ある労働が求められるようになる。
    だが、勤勉倫理に代わる新しい仕事倫理は生まれるのだろうか。
    仕事をめぐる過去の思索を訪ね歩き、「良い仕事」の思想の伝統の中に、現代の自己実現願望の限界を超える新しい仕事倫理・仕事理念の可能性を見出す。

    [ 目次 ]
    第1部 ポスト勤勉社会と仕事意識(労働倫理は衰退したか;高度産業社会と労働倫理)
    第2部 「良い仕事」の思想(良い仕事と「善く生きること」;良い仕事と「善い行い」;良い仕事と芸術;良い仕事の概念)
    第3部 「新しい仕事倫理」の可能性(良い仕事と全体性;仕事におけるインテグリティ)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 2010年8月29日読了

    良い仕事をするためには、常に意識しましょうという本。恩師に薦められて期待して読んだが、期待はずれであった。

  • (S)
    「良い仕事とは何か?」という問に対して、古代ギリシャにおける考え方から、現代での価値観をまとめあげた本。
    特に筆者として強い主張があるようには読めず、経済学、社会学的側面からの「仕事」の捉え方を解説している。
    仕事がどうこう、ということを学ぶのではなく、「仕事とは何か?」という根源的で抽象的な問いをどのように思考していくか、そのプロセスを知る参考になる。

  • ■P20
    労働はつねに意味を帯びた行為であり、経済的必要にとどまらない意味の充足行為である。意味は、個々人が求めるものだが、その意味の充足はほかの人間による承認や評価、共有されている価値観と不可分である。それゆえ労働の精神性は集団的、社会的、文化的広がりをもる現象といえる。

    ■P167
    (シュマッハーの)「良い仕事」の第三の目的・機能は「他人のために、他人と協力しながら行動して、生来われわれの内部にある自己中心主義から、みずからを解放すること」であった。(中略)自己中心主義からの解放は、自己から離れたり自己を否定することを意味しない。むしろ自己についての洞察と反省をとおしてこそ得られるものだ。自己もまた自分自身のものではないこと、自分一人で存在
    するものではないこと、自分以外の多くの人の現在および過去の行為と所産に負っていること。これらを知ることによって、はじめて他者とのつながりを自己のなかに見出すことになるだろう。また、仕事の生活においても「他者のために」を自己のこととしておこなうことになるだろう。

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「良い仕事」の思想―新しい仕事倫理のために (中公新書)の作品紹介

経済の発展期には美徳とされた勤勉の価値が豊かさの到来とともに揺らいでいる。よく働くことは余暇や家庭や地域の生活と相反する生き方になってしまった。勤勉な労働よりも、意味ある労働が求められるようになる。だが、勤勉倫理に代わる新しい仕事倫理は生まれるのだろうか。仕事をめぐる過去の思索を訪ね歩き、「良い仕事」の思想の伝統の中に、現代の自己実現願望の限界を超える新しい仕事倫理・仕事理念の可能性を見出す。

「良い仕事」の思想―新しい仕事倫理のために (中公新書)はこんな本です

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