技術官僚の政治参画―日本の科学技術行政の幕開き (中公新書)

  • 19人登録
  • 3.50評価
    • (1)
    • (0)
    • (3)
    • (0)
    • (0)
  • 2レビュー
著者 : 大淀昇一
  • 中央公論社 (1997年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121013828

技術官僚の政治参画―日本の科学技術行政の幕開き (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • (土木)技官のあり方や系譜について学ぶにあたっての、必読の書。

    ・明治初期、没落する旧士族の将来に心を砕くことで始められた、開墾や運輸の「勧業」。
    ・政治的混乱を引き起こさせないよう、伊藤博文が「多くの人には、科学でも」と考えたこと。
    ・「お雇い外国人」の代替程度に着想された、技官の育成(それゆえの弱い立場)。
    といった、「消去法」や「代役」程度に開始された科学技術振興。

    しかしその後第一次大戦あたりまで、国づくりが本質的に社会基盤整備でもって語られていく様子は心地よい。

    宮本武之輔が登場するあたりからが、本省のメインに思える(実際、しばらく宮本の伝記のようになる)。
    「所謂(法律家的)行政官に対する戦争」(p.49)を決意し、文字通りの「政治参画」を図っていく流れは共感したくなるし、また中学から死の直前まで日記をつけ続けていたという記述(p.47)も印象的だし、あるいは大河津自在堰の補修という「雪辱戦」「弔合戦」に臨む覚悟にも、おのずから身震いする。「己が一生を賭して任に来れるもの、技術家としての生涯の栄辱を今回の工事によりて決せんとす」という挨拶も凄い(p.90)。

    一方でたしかに、「政治家型技術者」宮本に対して、「芸術家型技術者」(職人型?)の太田円三のスタイルも魅力的ではある(p.74)。「技術の身に没頭し一生を技術に挙げて誇りとする」のも、いわれてみれば格好良い。

    後半のほうでは、「科学技術」行政の端緒や振興が、軍需を背景にしていたことが、繰り返し、見て取れた。
    うーん、なぁ。

全2件中 1 - 2件を表示

技術官僚の政治参画―日本の科学技術行政の幕開き (中公新書)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

技術官僚の政治参画―日本の科学技術行政の幕開き (中公新書)を本棚に「積読」で登録しているひと

技術官僚の政治参画―日本の科学技術行政の幕開き (中公新書)の作品紹介

日本が近代国家として出発したとき、行政を主導する立場にある法科系事務官に対し、技官・技師は脇役的な立場に置かれていた。そこで彼らは大正デモクラシー下に技術者運動を起こし、地位向上のための政治的動きを開始した。しかし彼らの国政への参画という夢が実現したのは、日中戦争下においてであった。戦後の科学技術行政は、戦前の残照と米国の指導下に再スタートするが、本書はそこに至る戦前技術官僚の思想と行動を追う。

技術官僚の政治参画―日本の科学技術行政の幕開き (中公新書)はこんな本です

ツイートする