精神鑑定の事件史: 犯罪は何を語るか (中公新書 1389)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121013897

作品紹介・あらすじ

異常な犯罪が起きるたびに話題になるのが精神鑑定。しかし、精神鑑定は期待されるように、出来事の真相を明らかにできるのだろうか。本書は、レーガン元米大統領暗殺未遂事件、多重人格者の連続殺人、哲学者の妻殺し等々、社会を揺るがせ、鑑定人を悩ませた有名な事件を取り上げる。貴重な資料や証言をもとに犯行と裁判の経過をふり返り、精神鑑定のむずかしさを浮き彫りにしながら、異常な事件を生んだ心の世界を探る試みである。

感想・レビュー・書評

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  • 成功した家族についていけないタイプの青年。医師は「100ドルやって、グッドバイを言いなさい」と家族にアドバイス。自立能力のないヒンクリーを突き放した。その後、彼は事件を引き起こした。そして親は罪意識に苦しんだ。いまの日本もこういうの多い。アメリカの暗部を見たような気がした。

    パラノイア 激しい偏り、ズレ。敏感関係妄想。妄想症。偏執狂。

  • アルチュセールの妻殺しを興味深く読んだが、全体として切り口は平凡。

  • 人を殺す者が正常な精神である場合があるのか。罰せられる精神と治療に値する精神の境はどこか。的確な答えはないが、興味深い。

  • 本書は1947年生まれの精神病理学・司法精神医学を専門とする精神科医が1997年に刊行した、国内外の過去の有名事件における精神鑑定を通じて精神疾患⇔犯罪の因果関係とそこに関係する司法制度の問題と専門家にとっての精神鑑定そのもの難しさ・煩雑さなどを一般向けに説明する本。

    (メモ)
    ・ビリー・ミリガンは空想虚言症。
    ・「責任」について気になったが、調べるなら法学の領域か。

    【目次】
    序章 精神鑑定の舞台裏
    第1章 レーガン大統領を襲った男
    第2章 演技する犯罪者
    第3章 ロシア皇太子襲撃事件の謎
    第4章 大量殺人犯とガウプ教授の奇妙な関係
    第5章 哲学者アルチュセールはなぜ妻を殺したか

  • 4121013891 245p 1997・11・25 

  • 戦前や外国の事件で精神鑑定が問題となった事件について。法制度は違うけれど考え方は共通している。レーガン大統領を撃った男や、ロシア皇太子襲撃事件(大津事件)、津山事件、夢遊病殺人の話など…どの章も興味深かった。むずかしい。。。事件を事後的にどのように精神医学的に解明・説明するか。興味深いけど何のためにするのかっていったら、後の同様の症状による犯罪を防ぐためなんだろうか。

  • [ 内容 ]
    異常な犯罪が起きるたびに話題になるのが精神鑑定。
    しかし、精神鑑定は期待されるように、出来事の真相を明らかにできるのだろうか。
    本書は、レーガン元米大統領暗殺未遂事件、多重人格者の連続殺人、哲学者の妻殺し等々、社会を揺るがせ、鑑定人を悩ませた有名な事件を取り上げる。
    貴重な資料や証言をもとに犯行と裁判の経過をふり返り、精神鑑定のむずかしさを浮き彫りにしながら、異常な事件を生んだ心の世界を探る試みである。

    [ 目次 ]
    序章 精神鑑定の舞台裏
    第1章 レーガン大統領を襲った男
    第2章 演技する犯罪者
    第3章 ロシア皇太子襲撃事件の謎
    第4章 大量殺人犯とガウプ教授の奇妙な関係
    第5章 哲学者アルチュセールはなぜ妻を殺したか

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 1998年以来の再読。いまだに新鮮でしっかりとした論考に基づいた考察がなされている。かつ重要な病跡的な資料でもある。

  • 2004年5月27日

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著者プロフィール

中谷 陽二(なかたに ようじ)(責任編集)
1947年東京都に生まれる。1972年東京医科歯科大学医学部卒業。東京医科歯科大学神経精神科,千葉刑務所医務部,正慶会栗田病院,東京都精神医学総合研究所を経て1999年より筑波大学社会医学系教授(精神保健学),2012年より筑波大学名誉教授。専門分野は司法精神医学,精神病理学,精神医学史。

「2020年 『現代社会とメンタルヘルス 包摂と排除』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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