インド人の論理学: 問答法から帰納法へ (中公新書 1442)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121014429

作品紹介・あらすじ

インド人の思考法の基本は、観察から法則を導き出す帰納法にある。それがギリシャのアリストテレスが創造した演繹法的論理学との最大の違いである。彼らの帰納法的な思考の淵源は、インド文法学の伝統と、さらにさかのぼってブッダの「縁起」の教えにあると推測される。本書は、インドにおいて、どのような論理的思考が、いかにして発展していったか、インドの人々の考え方の基本を、歴史的に明らかにしようとする試みである。

感想・レビュー・書評

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  • インド哲学・仏教の著述には、ギリシャのアリストテレス以来の西洋論理学と、大いに異なる思考法が見られます。そうした論理的思考が、どのように発展していたのかについて、大変分かりやすく説明したのが本書です。

    大阪府立大学図書館OPACへ↓
    https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000422791

  • 読了に気合が必要であるため、点検だけして後回しにしている。
    カナダ留学時代の思い出と理論的内容とが交互に記述される。

  • 2018/04/10 初観測

  • 古代インド人の思考方法を、緻密な文献学に基いて論じたもの。
    論理学がギリシャだけのものでなく、古代インドでも重要な地位を占めていて、体系化がなされている。
     本文の内容もも去ることながら、世界中で活躍する著者の姿をみて、仏教学がこんなに国際的な学問だったんだと感動もした本。

  • 読了日不明。龍樹の空論について勉強していた頃、目次の"帰謬法――ナーガールジュナの反論理学"という言葉にそそられ購入。そしてこれが大当たり。インドにおける論理学の変遷と内実を知りたければ、この一冊で充分。アリストテレスに端を発する演繹法的論理学が神話の否定によって成立したのに対し、インドの帰納法的論理学が仏教教義の拡張解釈・補強材料として機能している点、大変興味深い。

  • [ 内容 ]
    インド人の思考法の基本は、観察から法則を導き出す帰納法にある。
    それがギリシャのアリストテレスが創造した演繹法的論理学との最大の違いである。
    彼らの帰納法的な思考の淵源は、インド文法学の伝統と、さらにさかのぼってブッダの「縁起」の教えにあると推測される。
    本書は、インドにおいて、どのような論理的思考が、いかにして発展していったか、インドの人々の考え方の基本を、歴史的に明らかにしようとする試みである。

    [ 目次 ]
    第1章 インドに哲学はあるか?
    第2章 インド論理学の構造
    第3章 インドにおける討論の伝統
    第4章 帰謬法―ナーガールジュナの反論理学
    第5章 インド人の思惟方法―帰納法

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    [ 参考となる書評 ]

  • これは勉強になる本.古代インド論理学というと,修辞と韜晦と神秘主義満載という偏見を抱いていたのだが,これが大間違い.吾が不明を恥じるばかり,殆どプラグマティズム記号論に肉薄してるのではないか.記述は平易なれど内容が内容なので,とうてい一読全解とは行かないが,こんな世界があるとは驚いた.これって東洋哲学やってる人には常識の範疇なのか.

  • 新書なのに十分で易しい内容。

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著者プロフィール

1944年生まれ。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。トロント大学大学院博士課程修了。1974年トロント大学PhD。1986年京都大学文学博士。2010年中村元東方学術賞受賞。広島大学・龍谷大学名誉教授。現、財団法人仏教伝道協会理事長。主な著書・訳書『さとりへの遍歴 華厳経入法界品』(上下)梶山雄一他共訳(中央公論社)。『シリーズ大乗仏教』全十巻、斎藤明他共編(春秋社)。『龍樹『根本中頌』を読む』五島清隆共著(春秋社)。

「2022年 『増補 菩薩ということ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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