- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121014696
作品紹介・あらすじ
北京の紫禁城は明朝第三代の成祖永楽帝の命で、1407年に着工され20年に完成した。翌年、成祖は北京に遷都し、一九一二年二月に清朝最後の宣統帝が退位するまで、紫禁城は明清両王朝を通じて24人の皇帝が居住し、500年にわたり政治の檜舞台であった。この一群の建物は皇帝の住居であると共に、その絶対的権威を内外に誇示するための政治的建造物でもある。紫禁城での皇帝たちの動静に注目しつつ明清両王朝の歴史を描く。
感想・レビュー・書評
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皇帝を中心とした明清代史、とは言え明代は1章のみ。岩波新書『紫禁城』とかなり重なるが、本書の方が皇帝以外にも鄭成功だけで1章充てたり太平天国にも紙幅を割いたり、より包括的だ。また各皇帝を「○○帝」よりも「○宗」と呼ぶ。
明代は、永楽帝の派手な対外活動を除けば時代にも皇帝にも恵まれていなかったようだ。仁宣の治も中興の英主弘治帝の時代も、何も起きなかったので平穏だったに過ぎないように見える。崇禎帝の即位時は王朝再興の志に燃えていたとのことだが、もはや現実はどうしようもなかったのだろう。
清代では康熙帝を「文武ともに振るった絢爛たる時代」「非凡な政治的能力の持ち主」とかなり高く評価している。著者は、乾隆帝と比較し、内政、外征では康熙帝に、書の編纂と文物収集では乾隆帝に軍配を上げる。
また、本書では中華の教養を身に着けた順治帝以降の「漢化」を特に疑問視せず割と肯定的に書いているが、近年の研究トレンドとは違うのではないか、と感じた。本書は1999年刊、著者は大学を定年退官後、という時代のためか。 -
2018/04/03 18:57:55
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・著者は先日読んだ「山西商人の研究」(東洋史研究会)の著者
・本の内容は明清史。読みやすい
・紫禁城の建物のことは「北京」(春名徹||著、岩波新書)のほうが
よくわかる -
11/5 王朝前期の質実簡素な気風が失われると、衰退に向かい崩壊。
何とわかりやすい、王朝か。 -
紫禁城を中心に明〜清の通史を簡略に説明してある。
途中鄭成功の話に脱線したり清に割いた分量が多かったりろいうか半分以上清だが、新書なのでしかたないでしょう。
読んでて楽しかったので良著です。 -
紫禁城での明清両王朝の皇帝の動静およびその歴史が簡潔に描かれている。