米国初代国防長官フォレスタル―冷戦の闘士はなぜ自殺したのか (中公新書)

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著者 : 村田晃嗣
  • 中央公論新社 (1999年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121014863

米国初代国防長官フォレスタル―冷戦の闘士はなぜ自殺したのか (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 関内ブックオフで購入する。再読です。数年前に読んだ記憶があります。最後まで読み通した記憶がありません。そのため、全く内容を覚えていません。興味深い本でした。この本のテーマは、アチソン国防長官です。著者は、同志社大学の先生です。興味を持った点は、アメリカのエスタブリッシュメントの構造です。一流大学は、エスタブリッシュメントへのパスポートだったようです。ただし、その成績は関係ないようです。また、この時代においても、ウオール街からワシントンへの移動は、容易だったようです。どうも、ここら辺がわからないところです。財務省等の経済官庁、国務省はわかります。何故、海軍省も、こんな人事が可能なのでしょう。また、ワシントンではなく、ニューヨークで、Foreign Affairsが生まれた背景がわかります。ウオール街の大物、そして、それに連なる人物が、外交政策に携わるポストに、簡単に、就けるのですから、当然です。

  • 前半で第二次大戦までを、後半で戦後を描く。フォレスタルを中心に当時のアメリカの環境が、多くの登場人物を招きながら展開されてゆく様は非常に賑やかで、読んでいて面白い。その反面、後半以降で描かれるフォレスタルの内面の落ち込みは前半との対比もあって非常に心に来る。月並みな間奏になるが、フォレスタルにもう少し支えがあれば、もう少し家庭があればと感じずにはいられない。軍統合問題の難しさがひしひしと伝わる。

  • タイトルにもある通り、本書は、米国国防省初代長官となったフォレスタルの生涯が、全般に渡って描かれている。
    しかしながら本書は、その個人の単なる伝記に留まることはない。米国が、二つの大戦をまたいで模索してきた「国家の安全保障の在り方」をも、一人の登場人物――フォレスタル――に光を当てることによって、巧みに描き出している。
    冷戦の闘士の自殺、彼の様な死があること自体が悲劇であるのか。あるいは、その様な死が、日本では未だかつて存在しないことが悲劇であるのか――私たちのこれからの安全保障を考えていく上で、非常に示唆に富んだ、好著であると言える。

  •  一般人にはまったく知られていない、アメリカ初代国防長官ジェームズ・フォレスタル。

     本書は、ペンタゴンの最初の主となったフォレスタルの生涯を追いながら、20世紀前半のアメリカの政軍関係を描いている。

     ウォール街で活躍することになるフォレスタルの前半生についてはさして面白味も無いが、後半の太平洋戦争期からはじまる米軍の統合問題は、本書の核心部であり、そして一番興味深い部分であると言える。
     海軍長官として独立不羈の大海軍の強硬論を抑えながら、軍全体の効率的な運用を目指すフォレスタルであったが、そこには大統領との軋轢、陸軍の反発、海軍内部の反発と様々な不安定要素が彼を悩ます。そして、その板挟みの中で精神を病んだフォレスタルは、16階から身を投げて、命を絶つに至った。

     第二次大戦・太平洋戦争で活躍したアメリカ軍人の動向について、多少なりとも関心があれば面白く読めるかもしれないが、一般の人向けでは無いように思える。

  • 村田晃嗣がまだ“タレント”でない頃の遺作。題名からすれば、単なる個人の伝記。その実は、アメリカの安全保障観の変遷(WW?〜冷戦)であり、統合問題なのである。ただし、後者については、国家安全保障法(1947)までに関してである。

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米国初代国防長官フォレスタル―冷戦の闘士はなぜ自殺したのか (中公新書)の作品紹介

J・フォレスタルはウォール街で成功を収めたのち、ナチス・ドイツがパリに無血入城した直後の1940年8月からノルマンディ上陸作戦直前の四四年五月まで海軍次官、47年9月まで海軍長官をつとめ、戦後、陸海空軍が統合されると、アメリカ初代国防長官に任命された。40年代を通じて「国防の最前線」にあった男が国防長官になったとき担わなければならなかったのは、「安全保障国家」という、矛盾に満ちた巨大な怪物であった。

米国初代国防長官フォレスタル―冷戦の闘士はなぜ自殺したのか (中公新書)はこんな本です

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