金融工学の挑戦―テクノコマース化するビジネス (中公新書)

  • 100人登録
  • 3.02評価
    • (1)
    • (6)
    • (30)
    • (3)
    • (2)
  • 13レビュー
著者 : 今野浩
  • 中央公論新社 (2000年4月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121015273

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
マーク・ピーター...
有効な右矢印 無効な右矢印

金融工学の挑戦―テクノコマース化するビジネス (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 金融工学の日本での歴史書。

  • 10年以上ぶりに読み返してみましたが、非常に興味深い記述です。

    ところどころにアメリカの金融帝国化やテクノコマースに関する懸念がしっかりと入っているにも関わらず、人物像や歴史なども入っているからだと思う。

  • 大学時代、今野先生の講義は確か一般教養だったような。。。

  • 金融工学の重要性、あるいは金融工学を若者に学ばせる環境の重要性を説いた本。著者本人は、「金融工学」ではなく、「理財工学」という名前を普及させたかったらしい。

  • 東工大の教授(2000年現在)で金融工学(デリバティブ商品の格子価額や商品価格を設定したり、分散リスクのモデルを作成する学問)の日本での草分け(らしい。)である著者による、金融工学史(と言っていいと思う)の本。

    分散リスクのモデルが誕生したきっかけ、有力な公式がいかに見つけ出されたか、日本において「デリバティブ」という商品がどのように迎えられてきたか等の歴史を簡単に分かりやすく概説し、そしてこれからどのように日本は欧米特にアメリカで進化してきた金融工学を取り入れるべきか、また一般市民がそれらとどのように付き合いながら自分たちの資産運用を行うべきかといった「ご意見」も述べている一冊。

    書かれたのは11年前の2000年なので、今とは金融に対する世間の認識はずいぶん違うころに書かれた本といえると思うのだが、すくなくとも金融商品というものといかにつき合うべきか、金融商品とは何かといった記載は現在にもなかなかに当てはまると思う。分かりやすく面白い。

    しかし読んでいて、不気味な符号に思わずぞっとしたのは著者が「デリバティブ」とは何かを説明している章で、デリバティブを
    「扱い方次第で原子力発電所にも核弾頭にもなる」
    と例えて説明しているくだりである。

    サブ・プライムローンがきっかけとなった金融危機、そして現在の福島での原発の惨事を経てから読んでみると、偶然の一致とはいえ余りに不気味であった。

    原子力発電、デリバティブによる金融商品。人類は便利さに惹かれて恐ろしい禁断の箱を開けてしまったのではなかろうか。

    著者自身が金融工学の「エンジニア」であるだけに、デリバティブ商品の仕組みや、それを基礎づける研究/理論の紹介はかなり詳細で読み応えがある。
    しかし、やはり知れば知るほど恐ろしい学問分野であると思えたのも確かで、そもそも「コール・オプション」や「プット・オプション」というデリバティブの商品は本質的には「運任せ」な危険な商品のはずである。
    (著者自身も一種の「ギャンブル」であると断言しており、また読者に向けて「コールもプットも、原則として売ってはいけない。買うだけにしなくてはいけない」と諭している。このように、専門家の立場からデリバティブは危険だと明言している点にも個人的には好感が持てた。)

    そのような「運任せ」がなぜに商品として売買されうるのか。また商品としてどのように公正価格が決定されるのか。そのメカニズムの複雑さに圧倒され恐ろしい気持ちになった。おそらく、アメリカで開発された金融工学の様々な手法は突き詰めれば「運」を数式で解き明かそうという試みであったのだろう。本来人間には窺えないはずの未来の「運命」を数式で掴みとれると信じ、その道を歩み始めた時に、既に金融危機という神罰が約束されていたのかもしれない。
    そして、その常人には到底計り知れないスケールの工学理論を次々と発展させたのがMITやスタンフォード出身の超エリート研究者達やノーベル経済学賞を受賞した「天才」達であったという事実もまた恐ろしい。津原泰水の

    「宇宙の際涯と聞いて、我々凡人はメタファだと感じる。天才はそこまでの距離を測ろうとする」

    という印象的な言葉を思い出した。天才達であったが故に途方もない不可能を可能と信じ、しかも恐ろしいことに本当に可能にしてしまったのであろう。。バベルの塔の物語も思い起こされる。

    金融工学の基本的な知識が学べるだけでなく、著者の解説を通じて金融に対する批判的な視軸もある程度養うことが出来る。入門書としては良書だと思います。

  • [ 内容 ]
    金融ビジネスにとって激動の時代が始まっている。
    日本版金融ビッグバンの渦中にあって、国内企業が対応に苦慮する一方、金融ハイテクを駆使する外国の金融機関は、日本人が戦後蓄えてきた1200兆円の個人資産に狙いを定めてきている。
    外国資本を抑えるためにも、この分野への多くの人材の参入が不可欠だ。
    金融工学の世界的な展開に身近に接し、日本における水準の向上に尽力してきた著者による明晰なパースペクティブ。

    [ 目次 ]
    第1章 金融工学の時代
    第2章 金融工学の系譜
    第3章 資産運用理論
    第4章 デリバティブ
    第5章 割引率と金利変動モデル
    第6章 証券化と信用リスク
    第7章 最近の話題
    補章 金融工学への道のり

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 4121015274  216p 2000・4・25 ?

  • ルーエンバーガーの金融工学の翻訳を行っている今野さんの本です

    金融工学について書かれているところはやはり入門の域をでませんがやはりどうして今金融工学が必要なのか

    あるいは欧米との差がどのくらいあるのかを切実に書いております

    そういう意味で金融工学を勉強したいと思う人が最初に読んで意識を高めることができる本だと思います

  • 数学がアレな人でも、金融工学史上の天才たちのエピソードは楽しめるはず。

  • 金融ハイテクを駆使する外資から日本の個人資産を守るため、金融工学の世界で相場を科学的に解明しようと集まった人材とその研究の姿を紹介している一冊です。少しでも金融工学が身近になり、日本の金融工学のレベルが上がることを期待しています

  • 著者の人間性がかいま見られる良書。数式満載でつらい。科学の分野は努力云々よりも一握りの天才がリードするんだなぁ。

  • 金融工学とは何か、を新書一冊で理解するのは無理でも、雰囲気とエッセンスを味わうのにはうってつけ。

全13件中 1 - 13件を表示

金融工学の挑戦―テクノコマース化するビジネス (中公新書)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

金融工学の挑戦―テクノコマース化するビジネス (中公新書)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

金融工学の挑戦―テクノコマース化するビジネス (中公新書)の作品紹介

金融ビジネスにとって激動の時代が始まっている。日本版金融ビッグバンの渦中にあって、国内企業が対応に苦慮する一方、金融ハイテクを駆使する外国の金融機関は、日本人が戦後蓄えてきた1200兆円の個人資産に狙いを定めてきている。外国資本を抑えるためにも、この分野への多くの人材の参入が不可欠だ。金融工学の世界的な展開に身近に接し、日本における水準の向上に尽力してきた著者による明晰なパースペクティブ。

金融工学の挑戦―テクノコマース化するビジネス (中公新書)はこんな本です

ツイートする