英語達人列伝: あっぱれ、日本人の英語 (中公新書 1533)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121015334

作品紹介・あらすじ

「日本人は英語が苦手だ」という通念など、信じるに足らない。かつての日本には、驚嘆すべき英語の使い手がいた。日本にいながらにして、英米人も舌を巻くほどの英語力を身につけた「達人」たちは、西洋かぶれになることなく、外国文化との真の交流を実践した。岡倉天心、斎藤秀三郎、野口英世、岩崎民平、白洲次郎ら、十人の「英語マスター法」をヴィヴィッドに紹介する本書は、英語受容をめぐる日本近代文化史を描きだす。

感想・レビュー・書評

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  • 偉人達のなす技であり到底我々凡人には真似できる芸当ではない。その上で彼等の姿勢、気概には学ぶべきところが多く定期的に自戒の意味で読み返している。

  • 気分転換の一冊。

    英語の「達人」のエピソード集です。
    目次を見るとびっくりするのが、
    達人1名につき、1章という大胆な構成です。
    「英語」を切り口にした伝記集ともいえるでしょう。

    それぞれの達人が、
    ・「どんな達人だったのか」
    ・「どのようにして達人になったのか」
    いろいろなエピソードで語られていきます。

    最近英語をやる気がおきない…
    そんなときの気分転換におすすめです。

  • 昔の人の泥臭い努力エピソード読んでやる気出そおもたけど、どっちかというと泥臭さより天才みが深すぎてウザかった。いや、そんなん無理やん。

  • 新渡戸稲造にはじまり、白州次郎に終わる日本の英語達人の英語熟達度とその方法を紹介した本。洒脱な文章でとても読みやすい。また、日本人が本質的に英語がだめ、という誤謬を正し、また僕らが英語ができないあれやこれやの言い訳を一刀両断してくれる。外国人に「英語が上手」と「貶められる」意味も教えてくれる。

  •  『英語達人塾』が面白かったので、英語達人たちの偉業・面白話に興味を持ち、本書を読んだ。
     本書は、勉強法云々よりもむしろ偉人伝として抜群に面白い。それは著者が英語学者でありながら日本語の文章がとても上手いからである。ユーモアと修辞に富んでいながら、筆が滑りすぎたり文章がうるさかったりすることは一切ない。岡倉天心の件にもあったが、英語に限らず言語一般に対する高い興味・解像度が英語達人たちには共通しているのだろう。
     達人の裏には尋常じゃない努力がある。わたしも地道な努力を弛まず続けなければ、達人はおろか中級者にもなれない——ということを思い知らされた。
     勇気づけられるエピソードがあった。第Ⅴ章で幣原喜重郎がイギリスで御者に英語が通じず、「これは英語をやり直さなければならんと考えるようになった」という件だ。というのも私はカフェでバイトしているのだが、外国人のお客さまに簡単な英語の文言(”anything else?”など)が全然聞き取ってもらえないのである。これには自尊心が傷つけられる。だが、そこでしょげかえるのではなく、「やり直そう」という気概を持って発奮した人がいるという事実にわたしは救われる思いがした。わたしも彼と同じように一から発音を学び直そうと思う。ちょうど手元に、関正夫『世界一わかりやすい最後の発音の授業』がある。これが良い教師がわりになることを信じる。

  • 第86回アワヒニビブリオバトル「【2日目】おうち時間DEビブリオバトル」3時間目 英語で紹介された本です。
    オンライン開催。
    2022.05.04

  • まえがき

    新渡戸稲造
    岡倉天心
    斎藤秀三郎
    鈴木大拙
    幣原喜重郎
    野口英世
    斎藤博
    岩崎民平
    西脇順三郎
    白洲次郎

    クロノロジカル・チャート
    参考文献
    あとがき

  • 日本人の英語教育の問題は良く指摘されるが、その中から天才的な英語の達人が時に現れる。10人の達人たちの生涯は英語学習のヒントになるか。

    新渡戸稲造、岡倉天心、齋藤秀三郎、鈴木大拙、幣原喜重郎、野口英世、斎藤博、岩崎民平、西脇順三郎、白洲次郎。

    留学しないと語学は身につかないような印象があるが、本書に紹介される人物の多くはほぼ独学で英語を修得している。学習法や環境より才能が求められるのかもしれない。

    だがネイティブを前にひけをとらない態度ひ痛快。

    中央公論に連載されたもの。

  • 明治〜戦前、英語の学習教材もロクにない時代に、欧米人に遜色無い、もしくはそれを上回るまでの英語力を身につけた達人たちのエピソードを興味深く読む。

    語学の才能の差もあるが、少なくとも彼らほどの猛烈な努力は出来ていないことから、自分に語学力が身に付いていない理由を再確認し、改めて学習意欲を持った。

    新渡戸稲造の『武士道』、岡倉天心の「茶の本』、鈴木大拙の『禅と日本文化』は、原文で読めるようになって彼らの格調高い英文を感じてみたいと思った。

  • 岡野幸夫先生 おすすめ
    49【専門】830.4-S

    ★ブックリストのコメント
    「日本人は英語が苦手だ」という通念など、信じるに足らない。日本にいながらにして、英米人も舌を巻くほどの英語力を身につけた達人たちは、外国文化との真の交流を実践した。英語受容をめぐる日本近代文化史を描き出す。(表紙見返しより抜粋)

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著者プロフィール

東京大学大学院教育学研究科教授

「2019年 『言語接触 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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