物語 スイスの歴史―知恵ある孤高の小国 (中公新書)

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著者 : 森田安一
  • 中央公論新社 (2000年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121015464

物語 スイスの歴史―知恵ある孤高の小国 (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • よく知られていそうで、あんまりよく知られていない国、スイス。僕もその一人でした。国家としての正式名称は『スイス盟約者団』。『永世中立国』としても有名で、『平和主義』・『自然美』などのイメージが一般的だと思います。でも、この国の歴史には意外な側面があったりします。新書にしてはちょっとボリュームがある感じがしましたが、スイスの歴史を知ってみたいという方に向いていると思います。(読了:2005年5月2日)

  • 予習ではないけど結果として予習。
    連邦というか同盟の様相がよく分かる。文字通り色んな文化の集合体なんですな、スイスは。
    歴史を良く知らない国だっただけに内容が頭にすっと入ってきた訳ではないけれども、スイスという国のイメージが印象的に描写されているかと。

  • 何故にスイスが永世中立国と成ったのか…その疑問がある程度解消できました。
    スイスの正式名称がスイス盟約者団というキーワードが大事なのだな〜。

  • スイス旅行の共に持っていきました。

    他国との関係、自国内の緒地域の関係性が複雑で、すぐに頭に入って来ませんでした。一般の読者であれば個別の事象に拘るよりは、より一般化して理解する方が読みやすいと思います。

    他国からの干渉を常に受けながらも、それぞれの地域の独立性を利害の一致する集団で守り続けたスイス連邦。

    独特の閉鎖性、半直接民主主義、自治権を強く残しながら連邦性を取る国家がどのように形成されていったか、流れを掴むことができました。

  • ヨーロッパの歴史を改めて勉強したかったところ、本書を図書館で見つけて借りた一冊。

    スイスといえば永世中立国や、時計などで有名だが、連邦制であること、近世までは傭兵が主な産業だったことなど初めて知った側面も多かった。

    特に、連邦制という概念は、日本人にはいまいちピンと来なかったが、本書でよくイメージをすることができた。

  • 読了。

  • ○この本を一言で表すと?
     20世紀までのスイスの通史の本


    ○この本を読んで面白かった点・考えた点
    ・ヨーロッパの中央に位置する地理的な背景における各国との関係だけでなく、スイス国内においても戦国時代のような合従連衡が続く関係という安定のしない国・地域だなと思いました。ほのぼのしたイメージのスイスだけでなく黒いスイスについてもある程度知っていたつもりでしたが、思っていたよりも国内外の状況の変動の波が大きく、大変な地域だなと思うと同時に、その困難な状況を様々な形で切り抜けて今に続いているというのはすごいなと思いました。

    ・カエサルが「ガリア戦記」を書いたことは知っていましたが、その舞台となるガリアがスイスの辺りの地域だったことを初めて知りました。「ガリア戦記」の内容は全く知りませんが、その戦争の流れをざっとでも知ることができてよかったです。(第1章 カエサルからカール大帝へ)

    ・狭い国土の中で都市国家や貴族などが勢力争いをしている流れはどこか日本の武士台頭の時期くらいに似ているなと思いました。同じように都市貴族マネッセが恋愛歌謡を集めていったところは後白河法皇が今様を集めていたことと似ているなと思いました。(第2章 神聖ローマ帝国)

    ・13世紀後半に農村が同盟を結び、それが都市も巻き込んで近代に至るまで続いていく元になっているのは面白いなと思いました。信義より利害関係が強い同盟関係が何百年も続くというのは、戦国時代が終わらなかったと仮定した日本みたいなものかなと思いました。(第3章 スイス盟約者団の成立)

    ・スイスの兵隊・傭兵が強く、神聖ローマ帝国やフランス王国にも大きな影響を与えていく過程は興味深かったです。主要な産業がない中で他国の「国家の大事」となる戦争の重要な利害関係者となっている立ち位置は特殊だなと思いました。(第4章 対外膨張の時代)

    ・宗教改革の流れがかなり早い段階からスイスを巻き込み、またスイス国内でも言語や文化が異なった地域でその宗教革命の進み具合も異なり混乱していく過程は、微妙なバランスで成り立っている多様な文化が同居する地域に大きな変化を持ちこむと大きく混乱するという縮図だなと思いました。(第5章 宗教改革と対抗宗教改革)

    ・事実上も名目的にも独立したスイスが、門閥支配のベルン、企業家支配のチューリヒ、闘争が続くジュネーブ、直接民主制の農村邦と様々な状況の異なる地域の集合体だったというのは興味深いなと思いました。(第6章 アンシャン・レジームの時代)

    ・森信三の「修身教授録」で何度も書かれ、教育界における最高の人物のように書かれていたペスタロッチがどのような時代背景で、どのようなことを成し遂げたのかを知ることができてよかったです。意外と自身の考えを貫き続けたわけでなく、決まった体制側に従って他方を説得しに行ったり、割と柔軟だったのかなと思いました。スイスの永世中立がナポレオン失脚後にうまく立ち回ったことで成立したというのは興味深いなと思いました。(第7章 変転するスイス)

    ・連邦国家になるにあたり、賛成派と反対派に分かれて争うというのはありがちな話だなと思いました。デュフール将軍が電撃的に反対派を各個撃破して短期に少ない被害で戦争を終わらせた話は前に何かで読んだことがありましたが、その背景が分かって良かったです。(第8章 連邦国家への道)

    ・「国民のため」に「国民によって」が加えられ、直接民主制に近付いていくというのはすごい流れだなと思いました。レファレンダム(住民投票)とイニシアティブ(国民発議)によって、実際に法律が定められたり否決されたりするのはかなり進んだ民主主義だと思いました。(第9章 すべては国民によって)

    ・スイスが中立の立場を守って第一次世界大戦や第二次世界大戦を乗り切ったのはすごいなと思いました。第二次世界大戦で枢軸国側とも一定の距離で貿易等の付き合いをしながら敗戦国側に入らなかったのは、中立国としての経験や外交力の結果かなと思いました。(第10章 戦争と危機)


    ○つっこみどころ
    ・地理関係や人間関係が説明がないか荒い説明で登場することが多く、よく分からないまま読み流したところがいくつもありました。もう少しページ数が多くなってもいいのでその辺りの説明があればよかったなと思いました。

    ・かなり細かく歴史的なできごとに触れられていますが、その数が多すぎて各できごとの記述が浅くなってしまっている気がしました。

  •  ヨーロッパ史の本を読んでいると、大国の動きを掣肘・牽制する存在としてしばしばスイスの動向が語られます。どうして、そんなにスイスが重要だったのか?が気になって、この本を読んでみました。

     通史をしっかり語ってくれるので、スイスの成り立ち、どうして現在の中立を勝ちえ、半直接民主制を敷いているのかよく分かりました。自分の疑問についても、自分なりの答えを得ることが出来ました。

     他のヨーロッパ史の本を読む時に対照していけば、更に得るところがありそうだと思いました。
     

  • 聞きなれない現地の制度名などがカタカナのまま頻繁に語られるので、スイスについて初学であった私には、少々とっつきにくく感じた。

    が、紀元前から2000年ごろまでのスイス連邦成立の歴史が網羅されていて、なぜこの国が今のような姿になっていったのかが一通りわかるようになっている。

    現在この国が、国民皆兵で永世中立国であり、各州の自治権が強く、一定の署名を集めれば国民から憲法改正や法案提出ができる上、それを国民投票に諮ることができるというほぼ直接民主制といって良い様な制度にたどり着いた背景や経緯がわかり興味深かった。

    労働者が低賃金・長時間労働にあえぎ、雇用側が儲けすぎている状況に対しての抗議抵抗運動や労働者の立場を訴える政党ができる過程などは、他国の過去の出来事とは思えないリアリティをもって感じられた。

    また、永世中立国であることの利点ばかりでなく、その影の部分も解説があり、これがスイスのみならず欧州全体の力学を知る上でよい視点を与えてくれていると思う。

    日本の政治状況を考える上で、この様な国があることを知っていることは良い比較対象となりえると思う。

  • スイスの歴史をざっくり、淡々と述べた本。1:国民皆兵のルーツ=中世の人工増加⇨農地不足による食糧不足⇨周辺国に傭兵としてマンパワーを輸出。2:永世中立国となった背景=ナポレオンの軍事侵攻に対処したい周辺国の思惑を汲みながら、スイスが中立国となることはドイツ、イタリア、フランスの安寧にも寄与すると主張したスイス外交団の交渉勝ち(1815年ウィーン会議において永世中立国として認められる)。。。。ナチス略奪金塊問題に関することにも興味が湧いてきました。

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物語 スイスの歴史―知恵ある孤高の小国 (中公新書)の作品紹介

ヨーロッパの中央に位置するスイスはユニークな国である。風光明媚な観光地として知られる一方、国民皆兵の永世中立国でもある。多言語・多文化の連邦国家で、各カントン(州)の自治権が強い。中央集権化に対する国民の反発は根深く、国連やEUにも加盟していない。こうした強烈な個性はどのように形作られたのか。内部分裂の危機と侵略の脅威にさらされつづけた歴史をひもとき、この国に息づく独立心の源をさぐる。

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