ジパング伝説: コロンブスを誘った黄金の島 (中公新書 1558)
- 中央公論新社 (2000年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121015587
作品紹介・あらすじ
コロンブスのアメリカ大陸到達は、世界史を大きく動かした。かつてない大洋横断を彼に決意させたのは「ジパング」の存在である。この極東の島にまつわる伝聞はムスリム・中国商人のネットワークで伝えられるうちに膨らみ、ヨーロッパでは「黄金島」という一大伝説となった。数百年にわたり生き続けた「ジパング伝説」を軸に、アジアのネットワークがいかにして「大航海時代」を準備したのかをダイナミックに描く。
感想・レビュー・書評
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ダメだ。コロンブスの1491と一緒で途中で断念。とてつもない睡魔に襲われ全く頭に入らない。もっと勉強してからリベンジ致します。
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面白かったです。
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『とかく人間は、未知の領域に夢を繋ぎたがるものなのである。』
かつて「黄金島」とまで謳われ、数百年に渡り生き続けたはた迷惑なジパング伝説と、それに動かされて大航海時代を築き上げた哀れな人々の変遷を描く。単に、事実を淡々と並べているわけでなく、人々がどういった過程を経て馬鹿げた噂を信じるに至り、噂が如何にして伝説となったのかを、精神論的な観点からも解説している。若干、色眼鏡的な要素も垣間見られるような気はするが、それが却って面白かったりする。
古き良き時代の偉大な発見であっても、その礎となっているのは、常に人間の衰えることのない欲望であり、どんな賢人の偉業であっても、そのインセンティブは己の私利私欲である。かの有名なコロンブスとて例外ではない。諸行無常の世の中にあって、理由・動機とは、如何に無意味な概念であろうか。