月をめざした二人の科学者―アポロとスプートニクの軌跡 (中公新書)

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著者 : 的川泰宣
  • 中央公論新社 (2000年12月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121015662

月をめざした二人の科学者―アポロとスプートニクの軌跡 (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • 宇宙への夢を実現するため、ナチス・ドイツでミサイルロケットを開発し、戦後はアメリカに渡り、NASAでロケット開発に尽力したフォン・ブラウン。「映像の世紀プレミアム」の科学者篇を見て、フォン・ブラウンの生き方に引っかかった。子どもの頃からの夢を実現した強固な意志は素晴らしいが、そのために立場は選ばなくていいのだろうか。私はすごく優秀な人間であればあるほど、十分気をつけて生きるべきではないかと思うので、手放しでフォン・ブラウンを素晴らしいとは思えなかったのだ。彼に葛藤はなかったのだろうか。もっと知りたくなって手に取った本。著者は日本の宇宙開発第一人者である的川泰宣さん。本書は、タイトルにある二人の科学者―フォン・ブラウンとコロリョフ―へフォーカスするより、米ソの宇宙開発競争を俯瞰して眺めており、私の知りたかったフォン・ブラウンの人物や心の動きはあまり伝わらなかった。一方、もう1人のソ連のコロリョフのほうはかなり詳しく描かれていて、内面描写がなくても何となく伝わってくるものがあった。的川先生はコロリョフにシンパシーを抱いていたのだろうか?フォン・ブラウンの生き方は、同じように宇宙への憧憬が強い的川先生にはたぶんあまり否定するものではないのかもしれない。また違う本を探しましょう。NHKの「コズミックフロント」という番組でやったBBCのドキュメンタリー「宇宙へ~冷戦と二人の天才~」がいちばん面白そうなんだけど。

  • 1957年、世界で初めて人工衛星(スプートニク)が打ち上げられた。旧ソ連の仕事だ。当時、冷戦中のアメリカは、技術力の差を見せつけられ大いにあせった。これをスプートニクショックと呼ぶ。このことは皆おそらく周知の事実だろう。ところで、ソ連のこの打上げで中心的役割を果たしたコロリョフという人物を知っている人はどれくらいいるだろう。さらに、当時アメリカでロケット開発の中心人物であり、後に人類初の月面着陸を成功に導いたドイツ人のフォン・ブラウンという人物を知っている人はいるだろうか。僕は2人とも全く知らなかった。ひょっとすると映画や何かテレビ番組などで知っている人も多いのかも知れないが、とにかく僕は初耳だった。この2人は直接の知り合いというわけではないが、どちらも「月へ人類を送りたい」という強い夢を持って、ロケット開発にいそしんだ。2人の夢は戦争に利用されたり、政治に利用されたりする。それでも、そのことによってまわりに批判されることがあったとしても、自分の夢のためにこの仕事を続けた。人工衛星ではソ連に先を越されたアメリカは、月への有人飛行では何としても先行しなければいけない。フォン・ブラウンへの要望は強くなる。急いだために大きな事故が発生。宇宙飛行士が亡くなっている。そんなことがあったということも、僕は知らなかった。たぶん、僕はものごころつき始めたころ、テレビで人が月面に降りるのを見たのだと思う。それは録画を見たのか、リアルタイムで見ていたのか、その辺が定かではない。フワー、フワーとスローモーションのように歩いている姿と星条旗が月面に立てられていたのをうっすらと覚えている。そこに至るまでに、いろいろなドラマがあったのだということを本書を通して知った。宇宙開発には莫大なお金がかかる。そこには批判がつきまとう。でも、それはロマンであることには間違いない。みんなは宇宙飛行士になりたいという夢を持ったことがありますか?僕には残念ながらそういう思いにかられたことは一度もないのだけど、そういう夢を抱かせるような環境は大切だろうなあと漠然と考えています。(追記)1986年1月スペースシャトルチャレンジャーが爆発事故を起こした。真っ青な空に炎が舞い上がった。その映像を何度見たことだろう。あんなものはできれば2度と見たくない。

  • ナチスのスポンサードでV2ロケットを開発したウェルナー・フォン・ブラウンと、流刑にあいながらも不屈の精神でソ連の宇宙開発をリードしたコロリョフ。ふたりのオッサンの夢競争。

  • 先日観たBBCドラマ「SPACE RACE 宇宙へ~冷戦と二人の天才」
    の原作といった趣きでとてもおもしろい。コロリョフに惚れるね。

    ドラマでは描かれなかった、アポロ計画後のフォン・ブラウンの苦悩に涙。最後にも。

    そしてプロローグを読み返し、あいまみえることのなかった二人の天才が、わずかのタイミングですれ違っていたという運命のいたずらに感心、またふたりの元で働いた人物がいたことにも改めて驚いた。

    amazonのレビューで誰かが書いてたが、これだけいろんなエピソードがあると新書一冊では足りず、たしかにそれぞれのエピソードがあっさりし過ぎの感は否めない。もっといろんなドラマがあったはずでもっと読みたい!

    とにかくおもしろかった。こんなにも壮大でドラマチックな話しがはあるだろうか。手塚治虫か浦沢直樹がマンガ化すれば、もっと世の人々が知るところとなるのになあ。

  • 50年代から60年代にかけて行われたアメリカとロシアのロケット開発競争.その競争を引っ張ったのは,アメリカのフォン・ブラウンと,ロシアのコロリョフの2人の技術者.熱い.僕はコロリョフ派です.

  • 宇宙開発において最も熱かったスプートニク計画からアポロ計画について…宇宙開発を今後してゆく人は是非読んでおくべき本だと思います。
    この本で宇宙開発の流れがざっとわかります。

    個人的な感想としては、フォンブラウン(ロケット工学の神様)の生き様が凄く興味深く思いました。

  • 冷戦下のソ連とアメリカによる壮絶な宇宙開発競争。コロリョフとフォン・ブランのふたりは生涯顔を合わせることはなかったが、ふたりが同じプロジェクトにいたら人類はもっと早く宇宙に行っていたかも知れぬ。

  • 宇宙に魅せられ、紆余曲折を経ながらもロケット開発への情熱を貫徹した2人の科学者の物語。
    1人は、ウクライナで生まれ、「スプートニク」を打上げ、「ヴォストーク」でガガーリンを宇宙に送り出したソ連の科学者コロリョフ。もう1人はドイツで生まれ、大戦終結の中でアメリカに渡り、「アポロ計画」に携わり「サターンV」ロケットを生み出したフォン・ブラウン。
    この2人の生涯を、米ソの宇宙開発競争へという時代の流れの中で描いた一冊。
    2人の科学者の物語としても十分に読み応えがあったし、宇宙開発の歴史に詳しくない人が、歴史を知るのにも良い本だったと思う。
    宇宙に興味を持っている方は読む価値あり!

  • ソ連のコロリョフとアメリカのフォン・ブラウン。対照的な生き方をしながらもロケットに心を奪われた科学者たちの数奇な運命をメインとしたそれなりに読みやすい内容。大きなプロジェクトを成し遂げるにあたっての組織構造はやはりアメリカが勝っていただろうし、だからこそコロリョフ亡き後の迷走があったり(それだけが理由じゃないだろうけれど)。
    人類は火星に有人飛行したくないんだろうか。やっぱりしたくないのかもなあ、なんてアポロ計画の終わりのあたりを読んで思いました。わたしは行きたい。見たい。

  • 米ソの宇宙開発、コロリョフとブラウンの2人の生い立ち、時代背景などがよくわった。たまに専門的で難しく感じた。

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月をめざした二人の科学者―アポロとスプートニクの軌跡 (中公新書)の作品紹介

宇宙開発競争をくりひろげた冷戦期の米ソは、それぞれ稀有な才能を擁していた。ソ連には、粛清で強制収容所に送られながら、後に共産党中央委員会を「恫喝」して世界初の人工衛星スプートニクを打ち上げたコロリョフ。アメリカには、「ナチスのミサイル開発者」と白眼視されながらも、アポロ計画を成功に導いたフォン・ブラウン。遠く離れた地にありながら、同じように少年の日の夢を追い、宇宙をめざした二人の軌跡。

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