イギリスのいい子日本のいい子: 自己主張とがまんの教育学 (中公新書 1578)
- 中央公論新社 (2001年3月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121015785
作品紹介・あらすじ
優しい子に育ってほしいけれど、自分の意見を言えないようでは困る。自分の意志を持ってほしいけれど、わがままなのはだめ。子どもが育つとき、自己主張と自己抑制が共にできることが大切なのはわかっていてもそのバランスは難しい。両者を等しく重視するイギリスと、自己抑制を尊重しがちな日本を比較教育学を用いて比べながら、子どもたちはどうやってこれらを身につけていくのか、親はそのためにどうすべきかを探る。
感想・レビュー・書評
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英:自己主張すべき場面では主張し、抑制すべき場面では抑制する。
日:自己主張すべき場面でも抑制し、抑制すべき場面でも抑制する。
米:自己主張すべき場面では主張し、抑制すべき場面でも主張する。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自己主張と自己抑制のバランスを見直さないと、いまの経済社会で日本人は不利益を被る。
が、日本国内にいる限り、世界の他文化に比べて日本社会が特異な存在であることに気づかない。
本書を読むと、そうした点に気づくことができる。
なお、日本社会では子育て中の主婦等に冷たい人が多いという話は、日本人は内には配慮するが、外には無関心という「内と外」で説明すべきだと思う。 -
自己主張の強いアメリカ人、自己抑制の強い日本人、両方に長けているイギリス人を比較し、今後の日本における子どもの教育(主張できる、かつがまんができる子どもへの教育)を模索する。
本書で、著者はイギリスの文化が良いと言っているのではなく、例として提示している。
自己主張もできなければ自己抑制もできない最近の日本人の傾向に警告し、周りの者の気持ちを配慮しながら自己主張(自分の考えを伝える)できる人間育成、環境づくりを提示する。 -
書店で見つけたときは、単にイギリス人と日本人の価値観の違いがわかるのかな?という程度で手にとりましたが、子育て面にウェイトが置かれているとはいえ、かなり奥の深い本だと感じました。
読んでいて特に感心したのは分析の切り口です。単に言葉で延々と説明するのではなく、分析を例えば2軸で行い(例:日本人の特性をオモテ・ウラの軸とウチ・ソトの軸に切り分析する)、図示しながら説明しているなど、コンサルティング・ファームがやりそうな方法で説明していることです。
その意味で日本が抱える問題点はかなりクリアーに説明されていると感じました。 -
自己肯定感が高い子を育てることが一番。精神的に余裕があれば、自分も他者も尊重し、向上心高く強く生きれる。
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何年も前に買って積読してた本、文化の違いから見る子育て論面白かった。
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イギリスのいい子日本のいい子―自己主張とがまんの教育学。イギリスでは自己主張と我慢の両方をきちんと出来る子供がいい子とされる。日本では自己主張が軽視され、我慢が出来る子、自己抑制が出来て協調性がある子がいい子とされる。だから日本人は大人になっても最低限の自己主張が出来ない未成熟な人間になってしまう。自己主張軽視、我慢重視の日本の教育に警鐘を鳴らす良書です。
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2017.10.2
文面論文らしく固いので読み物としては読みづらいところもありましたが、育児中の身としては気づかされる部分も多々あった。
親が揺らいでは子も揺らぐ。
私は外国人の友達や、海外で生活した経験がないので、アメリカとイギリスと日本の比較がおもしろけった。