イスラム過激原理主義: なぜテロに走るのか (中公新書 1612)
- 中央公論新社 (2001年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121016126
作品紹介・あらすじ
イスラム過激派が話題になるのは戦争やテロの際に限られているため、彼らは無謀な狂信者集団だと思われている。しかし現実には、彼らは独自の革命思想のもとに組織化され、各々の論理と目的のため冷静に手段を選択している。スポンサーとなっている国家さえある。敬虔な若者たちが、暴力的な原理主義運動に身を投じるのはなぜか。その誕生から世界を震撼させる現在まで、イスラム原理主義の思想と歴史を解明する。
感想・レビュー・書評
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イスラム原理主義の歴史についての内容。ソ連のアフガン侵攻に端を
発したアラブアフガンズによる集団・ジハード団・テロ民衆に
一度は指示されるが結局はイスラム教徒からも非難される。
固有名詞の乱発と時代前後のため読みにくい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
意外とみんな知らないイスラム原理主義の生い立ちと目的。
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9.11米国同時多発テロで一躍、日本のメディアに多く登場するようになった
「イスラム原理主義者」なる言葉だ。では、彼らは一体、どんな集団なのだ
ろうか。
それを解説したのが本書である。9.11直後に出版されているので、それ
以前にイスラム原理主義者たちが起こした事件を扱っている。なかでも
日本で大きく扱われたのは日本人観光客も犠牲になった「ルクソール
事件」。
キリスト教が多くの分派に分かれているように、一口に「イスラム」と言っても
そこには様々な分派がある。その中でも先鋭化したのが過激主義のグループ
なんだが、要は「コーラン」にしろ「聖書」にしろ、いかようにも解釈出来るから
なんじゃないのか。
そして、唯一神は守護神ではなく「人を教え導くもの」って位置付けだからでは
ないのだろうか。宗教のすべてを否定する気はないけれど、物の見方にひとつ
基準しかなくなってしまうのは怖いな。
昨日だったか、今日だったか。エジプトで韓国人観光客が誘拐されたとの
ニュースがあった。この事件もイスラム原理主義者の仕業らしい。
人に危害を加えることを容認するような宗教なんて宗教じゃないよな。それは
既にイデオロギー闘争じゃないのか。でも、イデオロギーが違うからって
テロを容認していい訳じゃない。それにテロを繰り返しても何も解決しない
んだよねぇ。 -
(2003.02.15読了)(2002.10.05購入)
なぜテロに走るのか
<イスラム原理主義者は何を考えているのか>
かつて、マルクス主義で全てを説明し、マルクス主義に未来を託した時代がありました.
イスラム世界では、イスラムの教えに未来を託しているそうです.
生活がうまく行かないのは、アメリカを代表とする文化の所為で、それを排除してイスラムの教えに従えば、うまく行く、ということだそうです.
かなり恐ろしい感じがしました.
イランを見ていると、イスラム教と政治が一体になっている印象を受けますが、コーランでは生活全般を規定しているので、どうしてもイスラム教では、政治と切り離せなくなってしまうということがあるようです。近代政治は、政教分離の基に作られていますが、イスラムではそれが不可能なようです。困ったこと?です。
エジプト旅行に2000年10月に行ってきましたが、エジプトへ行く前に読んでいたら行くのを躊躇したろうと思います.
幸いこの本が出たのは、エジプトへ行ってきたあとなので、・・・
2001年の9月11日の世界貿易センタービルに対する飛行機によるテロの実行者の中に、エジプト出身の人が含まれていますが、他のアラブ諸国に較べて、エジプトの生活は豊かに見えますし、教育レベルも高いように感じられるのですが、・・・
(2003年2月20日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
イスラム過激派が話題になるのは戦争やテロの際に限られているため、彼らは無謀な狂信者集団だと思われている。しかし現実には、彼らは独自の革命思想のもとに組織化され、各々の論理と目的のため冷静に手段を選択している。スポンサーとなっている国家さえある。敬虔な若者たちが、暴力的な原理主義運動に身を投じるのはなぜか。その誕生から世界を震撼させる現在まで、イスラム原理主義の思想と歴史を解明する。 -
1997年のルクソール事件について調べていて見つけた本。
原理主義組織の台頭から現在の国際的集団となるまでの歴史的な経緯が書かれていて読み応えのある内容です。アメリカの同時多発テロの直後に発行されているので、そのことについての記述はないです、テロ発生を考察するのにも役立つと思う。 -
元読売新聞の中東支局の記者、ジャーナリストが書いただけのことはあり、分かりやすく読みやすいです。
イスラム過激原理主義とは何なのか、その動向をエジプトにおけるルクソール事件と同事件に関わる組織の変化を大きな軸として扱っているものです。個人的には、なぜエジプトなのか、アフガンやサウジではないのかという疑問もありましたが、読んでその意図がある程度わかりました。エジプトにおける原理主義はアフガンやサウジとは同列に扱えないことやかつてのアラブ民族主義の盟主エジプトでの過激派の出現の意味などおもしろかったです。しかし、なぜテロに走るのか、というサブタイトルよりは「なぜテロを放棄したのか」という方が本書にはあっていると思います。出版社の事情もあったでしょうが・・・。しかし、ルクソール事件なんて残虐な事件があり新婚の日本人観光客の多くが犠牲になったことは知りませんでした。日本もいつまでも民放がくだらないワイドショーばかりやらないで、国際ドリュメンタリー番組を作るべきだよね。まあ、日本の民放にそんな能力ないけどね、今のザマじゃ。 -
イスラム集団形成の流れはエジプトにあり。過激原理主義組織の思想について(第二章)が白眉