吉田松陰―変転する人物像 (中公新書)

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著者 : 田中彰
  • 中央公論新社 (2001年12月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121016218

吉田松陰―変転する人物像 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 吉田松陰が戦時下において理想的国民像として昇華され、戦後新たに見直されてゆく流れを描いている。松陰の人物史をある程度把握している事が前提となっており、作中では軽くおさらいするのみ。

  • 吉田松陰の伝記…ではなく、明治以降松陰がいかに「語られたか」というところに重きを置いた一書。時代による松陰像の違いがわかり、非常に面白い。人物というのはいかに時代に左右され、イメージでもって語られるのかということをよく教えてくれる。

  • 吉田松陰像が明治大正昭和戦後でどのように表されてきたかという検証がメインの本。
    最後の方に人間松陰という項があり、正木退蔵からスティーブンソンに伝わった松陰像が興味深かった。

  • 本書は松陰死後現代までの松陰像の遍歴をたどったもの。松陰死後しばらくは弟子の中からは松陰伝ははばかれて書けなかったという。そして、松陰は要するに尊皇の人であるから、戦前は教科書にとりあげられるし、かなりの程度まで祭り上げられる。戦後はもう少し客観的に評価するものもあらわれるが、まったくマイナスに評価するものはいなかったという。田中さんは,野山獄にいた女囚と松陰が心を通わせたことを別の本でも書いているが(海原さんは否定的)、松陰の人々を平等に見ようとする姿勢はかれの弟の敏三郎が聾唖者であったことと関係があろうと言っている。身内に障害者がいるといないとで、人に対する接し方、見方が違ってくるのである。本書にはさらに、ペリーたちやそれ以後の外国人の評価もあり、興味深い。

  • 主観による評伝ではなく、明治・大正・戦前・戦後とさまざまな評価の変遷を伝えながら、いずれの時代も全否定されることのない松陰の魅力と、被差別民や障がいにも平等に向き合った先見性を明らかにした、松陰研究のレファレンス。

  • 田中彰先生の本はどれも面白い。

  • その時代時代において、革命家、愛国者、教育者など理想として語られる吉田松陰が実は時代の求めるものを鏡のように映していたという内容。歴史は後世の解釈によるものが大きいという点に気づかされて面白かった。坂本竜馬も司馬遼太郎があれほど面白くかいたからみんなに愛される人物になったという面もありそう。

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吉田松陰―変転する人物像 (中公新書)の作品紹介

長州藩の兵学師範をつとめ、松下村塾を主宰して維新の俊傑たちを育てた吉田松陰は、安政の大獄を断行する幕府から政道批判を咎められ死罪となった。その思想的影響は没後も衰えることはなく、三十年の短い生涯にかかわらず、公刊された評伝は膨大な数にのぼる。「革命家」「憂国忠君の士」「理想の教育者」など、時代の状況によって描かれ方が目まぐるしく変化したのはなぜか。維新に先駆けた思想家の人物像を再構築する試み。

吉田松陰―変転する人物像 (中公新書)はこんな本です

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