物語 スペインの歴史―海洋帝国の黄金時代 (中公新書)

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著者 : 岩根圀和
  • 中央公論新社 (2002年4月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121016355

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物語 スペインの歴史―海洋帝国の黄金時代 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • スペイン史のハイライトをかいつまんである本。
    彼の国がどのように成り立ち、どんな性格を持つのかわかりやすく構成されていて面白い。
    章立ては以下の通り
    1. スペインイスラムの誕生
    2. 国土回復運動
    3. レパント海戦
    4. 捕虜となったセルバンテス
    5. スペイン無敵艦隊
    6. 現代のスペイン

    発行が2002年 2013年に10版を数えているので最終章には追記があるとよいかもしれない。

  • レパントとアルマダの2大海戦を中心としつつ、ムスリムのジブラルタル上陸からETAによるテロまでのスペイン史を物語的に描いた歴史本。

    レパントの海戦が1571年、アルマダの海戦が1588年、その間が黄金時代だとすると(一般的にはもうちょっと広く言われるが・・・)、あまりにも短く、そして華々しい歴史だったと思わざるを得ない。

    結果として主に中米以南に大きな影響力を残し、ハプスブルグの栄光に預かりながらも大きな汚名を着せられることにもなった、世界でも指折りの数奇な歴史であることは間違いない。

    後書きにあるように、元より網羅性を追求したスペイン史ではないが、その歴史が持つ魅力は十分伝えられているのではないかと思う。完成度というか、歴史本としてきっちり完結していて、読みやすさもあり、なかなかオススメできる本だと思った。

  • 史実から逸脱しすぎない程度に物語化されたスペイン黄金時代の本。しっかりとした歴史を求めるには足らない部分もあるが、把握さえできれば、という場合にはオススメ。言葉選びもよく、読みやすいと感じた。

  • スペインの歴史の中でも、イスラームが支配した時代から国土回復に至るまで、レパント海戦から無敵艦隊の敗北まで、そして時代が進んでスペイン市民戦争、さらに飛んで現代(といっても2000年頃)の情勢、バスクのテロ組織ETAの問題といったテーマに絞って叙述される。

    レパント海戦に兵士として参加したセルバンテスがトルコの捕虜となったエピソードに丸々一章割かれているが、セルバンテスが祖国に帰るため、本人やその周囲が苦心する様が印象的。

    タイトルに「物語」とあるように、単に歴史の流れを述べるにとどまらず、スペイン情緒を感じさせてくれる一冊。

  • 歴史を時系列に並べるのではなく、イスラムとの関係、ドン・キホ-テ作者セルバンテスと無敵艦隊というスペインにとって重要な事柄を写真や図と共に物語る。終章の現代スペインも含め、戦記物のような1冊。

  • スペインは好きだ。現代もいいがやはり動乱の中世がとても面白い。薄く広くではなく狭目に深目に描いてあるところが良い。

  • 第Ⅰ章 スペイン・イスラムの誕生
    第Ⅱ章 国土回復運動
    第Ⅲ章 レパント海戦
    第Ⅳ章 捕虜となったセルバンテス
    第Ⅴ章 スペイン無敵艦隊
    終章 現代のスペイン

  • ある程度スペインの歴史について学んでいる人向けの一冊です。複雑なスペインの歴史のダイジェスト…という内容です。
    あとがきに、物語性を意識したとありましたが、その「物語」が中途半端に感じ、あまりのめり込めませんでした。

  • スペイン旅行の前に予習として読んだ。スペインの通史というよりは、国土回復運動やレパント海戦、スペイン無敵艦隊などの歴史的事件をピックアップして、物語調で紹介する形式。著者がイスパニア文学専攻ということもあり、歴史書というよりは、情緒的表現にあふれる文学的な本になっている。個人的には、もうちょっと歴史学的なものを期待していたこともあり、逆にあまり文章に惹きこまれなかった。
    トレドでキリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒が共存していたということは本書で知り、興味深かった。
    現在のスペインを理解するうえでは、スペイン現代史の部分をもうちょっと充実させてほしかったなと思う。
    本文よりも、コラムの「失敗しないワインの選び方」が一番印象に残り、実際の旅行でも役に立った。

  • 多民族国家としてのスペイン、歴史は複雑だ

  • スペインという国の歴史をダイジェストで紹介。
    まずはイスラム教徒がアフリカ大陸から渡ってくるところから始まる。そして、レコンキスタ、レパントの海戦、無敵艦隊の時代から、スペインの凋落まで。
    筆者は文学者なのでセルバンテスの足跡にかなりの力点を置いていた。面白い歴史の見方だと思う。

  • スペインの歴史をレコンキスタや
    トルコ、イギリスとの戦いを軸に紹介する。
    内容に偏りはあるものの全体的に読みやすく、
    新書という媒体を考慮すれば、スペインの歴史を
    ざっくり短時間で振り返ることのできる良書といえる。
    ここから興味を惹かれた出来事をまた学んでゆきたい。

  • セルバンテスに構いすぎ&19世紀に関する記述なさすぎ。残念。

  • スペインの光と影の強い印象はキリスト教とイスラム教のせめぎ合いにより双方の文化が交じり合ったためであることを痛感させられる。しかし、レコンキスタ時代の2宗教の相互に寛容な時代は今では考えられないほど。カスティーリャ・アラゴン両国王の婚姻による国の成立、レコンキスタの完了、フェリペ二世時代のレパント海戦の対トルコ勝利、無敵艦隊の対イギリス惨敗。ハプスブルグからブルボン王家への乗り換え、そして20世紀のフランコ時代と、各時代の象徴的な出来事を物語風に語ってくれ、楽しみながら読める。フェリペ二世の弟ドン・ファンがレパント海戦の英雄でありながら、英国で病気に死すこと、セルバンテスがアルジェでトルコの捕虜として辛酸を嘗め、恐ろしい拷問にも耐え抜いた強靭な人物であるなど初めて知らされた部分も多い。

  • 海洋帝国の黄金時代、という副題がつくだけあって、レパント海戦・無敵艦隊の周辺の話が歴史小説のように読み応えがある筆致と知識で書かれている。
    また、イスラム時代やレコンキスタについても当時の生活や思想がうかがえて興味深い。
    個人的にはセルバンテスが作家になる前の話を元にスペインの歴史がみられて面白いと感じた。引用はまた後日…

  • ○この本を一言で表すと?
     物語風味が強いスペインの歴史のメイントピックをピックアップした本


    ○この本を読んで面白かった点
    ・世界史の本で一行または数行で紹介されていたトピック(後ウマイヤ朝、レコンキスタ、レパントの海戦、無敵艦隊など)が詳しく説明されていて、また当時の様子が物語風に豊かに描写されていて面白かったです。

    ・有名なジブラルタル海峡の語源が、イベリア半島を侵略したイスラム帝国の指揮官ターリックだということは初めて知りました。イベリア半島のイスラム国家が分裂・統合を繰り返しながらも700年以上存在し続けたことを不思議に思っていましたが、その経緯が分かってよかったです。(第Ⅰ章 スペイン・イスラムの誕生)

    ・1492年のレコンキスタ完遂とそれ以降のモーロ人への差別や追放、ユダヤ人の虐待、新教徒への異端審問などの経緯が詳しく書かれていました。異端審問による処刑が庶民の見世物とされている様子が物語風に描写されていて印象的でした。(第Ⅱ章 国土回復運動)

    ・レパントの海戦当時の船乗りの悲惨な状況が詳しく描写されていてその大変さがよく伝わってきました。ドン・フアン・デ・アウストゥリアという当時の国王フェリペ二世の異母弟が艦隊の全権を握り、兵数が倍近くのトルコ軍を打ち破る経緯が地図付きで解説されていて面白かったです。ガレー船のサイズによる違い、当時の大砲の位置づけなどが詳しく書かれていて戦術・戦闘レベルまで想像しやすかったです。(第Ⅲ章 レパントの海戦)

    ・「ドン・キホーテ」の著者のセルバンテスがトルコの捕虜になり、誤解から身代金が跳ね上がり、5年間捕虜生活をすることになったこと、その中で4回も逃亡を図り、その都度死刑を宣告されながらも生き長らえたことの描写はなかなかリアルで面白かったです。当時の捕虜となった人間の扱いなどにも詳しく触れられていて、生きるだけでも大変だったという状況がよく伝わってきました。(第Ⅳ章 捕虜となったセルバンテス)

    ・スペインの無敵艦隊がイギリスに敗れたのは戦術レベルで古かったため(狙いどころが甲板か船腹か、艦船対決か白兵戦対決か、など)だと「世界史が簡単にわかる戦争の地図帳」で書かれていましたが、この本では艦隊を率いることになったメディナ・シドニア公がフェリペ二世の指示を頑なに守って臨機応変に対応できなかったためと書かれていて、無敵艦隊の航路や戦闘の経緯からするとこちらの方が正しそうだなと思いました。船同士を繋いでいるところを火船でやられるところは三国志の赤壁の戦いそっくりだなと思いました。無敵艦隊のイギリス侵攻作戦が一度だけではなく十年後に二度目を企てていて自然に敗れていたということは初めて知りました。(第Ⅴ章 スペイン無敵艦隊)

    ・世界史の教科書では第二次世界大戦のところでヨーロッパはドイツ、フランス、イタリア、イギリスくらいしか書かれていませんでしたが、スペインでもスペイン市民戦争が起き、フランシス・フランコによる独裁が始まったこと、フランコは国民に対する弾圧の激しいファシスト政権を築きながらもヒトラーの援助をきっぱりと断ったという経緯などは初めて知りました。スペインが今も王国だということは初めて知りました。バスク民族主義のテロリスト集団であるETA(祖国バスクと自由)の説明で、その激しい活動ぶりに驚きました。ETAは2011年10月20日に武装闘争の終結を宣言したそうです。(終章 現代のスペイン)


    ○つっこみどころ
    ・物語風にされすぎていて、史実を掴みとりにくかったです。

    ・ポイントポイントが詳細に書かれていたのはよかったですが、歴史全体の流れがわかりませんでした。

  • 2ヶ月ほど前にそうだスペインに行こう!!そう思って何の知識もなかった当時衝動買いした作品。作者の岩根國和さんはスペインについて造旨が深い方でこの本だけでなく他にもスペインについての書籍を多数書かれている方。本題に移るとこの本はスペインの繁栄時代までにどのような過程で栄華を勝ち取ったかを書かれていた。途中で歴史の流れと脱線してスペインの各都市の地理学、失敗学、風習等も小話で説明してあり世界史を学んでなく歴史の話が難しいな、と集中力が切れそうになっても好奇心を刺激する構成になっているのがありがたかった。

  • キリスト教国の雄スペインは、カスティーリャ、アラゴン両王国の婚姻により成立した。八世紀以来イベリア半島を支配したイスラム勢力を逐い、一四九二年、レコンキスタを完了。余勢を駆って海外へ雄飛し、広大な領土を得て「太陽の没することなき帝国」の名をほしいままにする―。国土回復戦争の時代から、オスマン・トルコとの死闘を制して絶頂をきわめ、宿敵イギリスに敗れて斜陽の途をたどるまでを流麗な筆致で描く。

  • ウィーン旅行でハプスブルク家に関心を持ち、中野京子の「名画で読み解く」でスペインもハプスブルクと知り、さらにゴヤとスペイン宮廷に興味が湧き、本書に至る。連鎖読書でヨーロッパ遍歴中。

    でもこの本、ゴヤの時代は華麗にすっ飛ばしてありました。イスラムの時代から始まり、無敵艦隊が破れた次のページはスペイン内戦。従って全体史を知るにはまったく不向き。でもスペイン通の著者が「物語あり!」と感じた時期を厳選して面白く描いているわけで、楽しい読み物になっている。

    読み始めてすぐロマンチックな文章から文学者と知れる著者の筆が、セルバンテスが登場すると滑りに滑るのが微笑ましい。ドン・キホーテは私にとって、笑って読めた最初の岩波文庫で、好きだが、当のセルバンテスの人生が小説顔負けなのには驚いた。(特にアルジェ時代)。その他、フランコ時代が1975年までと意外に最近だったり、無敵艦隊が他称に過ぎず、無敵とは程遠かった実情、バスク問題の思いの外深刻なこと、いろいろと発見があった。ガレー船の戦法の説明も面白かった。鼻で刺して乗り移り、白兵戦とは。。

    ゴヤ、それからガウディ、ピカソ、ダリら芸術家には別の本であたることにしよう。それから、ドン・キホーテを読み返そう。

  • おもしろかった!だけどアプスブルゴ終わったあとほぼボルボーンすっぽかしていきなり近代に入ったのには辟易しました。
    副題が『海洋王国の黄金時代』だから仕方ないんだろうけど( ̄ω ̄;)

  • スペイン旅行の予習ということで読破。歴史を勉強する感覚で、時系列で流れを追っていくかと思ったが、歴史上の重要なポイントを物語的に詳述するという色合いの方が強かった(というか、はっきりタイトルに「物語」と書いてましたね…)。いい意味では物語なので、楽しく読める。レバント海戦、セルバンテスの波乱万丈の人生についてはかなり詳しくなった気がする。悪い意味では、記述に濃淡があるので、スペインの歴史全体を俯瞰するという目的にはそぐわないかもしれない。ある程度、世界史の知識を持った人でスペイン史をもっと知りたいという人にはちょうどいいかもしれない。

  • スペインの歴史をざっと知るにはいい。読みやすかった。

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