- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121016737
作品紹介・あらすじ
幕府歩兵隊をご存じだろうか。幕末の徳川幕府には近代装備の兵士がいた。水戸の天狗党とたたかい、長州の奇兵隊とたたかい、薩摩の小銃隊とたたかい、幕府瓦解の後は、関東・東北・北海道を転戦し、全官軍を向こうにまわして最終ラウンドを飾った。幕末の歩兵は、サムライでもなく帝国陸軍の兵隊でもなかった。この歩兵隊という特定の視界から幕府倒潰の秘密に迫る回路を探り、彼らを歴史の主役に抜擢する。
感想・レビュー・書評
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新書という手に取りやすい形で、幕府陸軍について書いて下さっただけでも拝みたい気分。比較的分かりやすく纏まっていると思う。
日本の身分制度は、近代的な軍隊には馴染まないのだなあと感じた。手探り状態での軍制改革という印象。
薩摩や長州の軍制改革がどのように進んでいたのかを調べて、比較してみるのも面白いかも。 -
幕末の幕府歩兵隊について書かれた本です。有名な人はほとんど出てきません。
よくまとまっていてわかりやすいと思います。有名な人に焦点が当てられがちな幕末の中で、無名な人たちの集団である歩兵隊を扱った本は少ないので良いと思います。
武器の性能についても細かく書いてありますし、特別な知識がなくてもいけます。
私が良いと感じるのは、やはり幕末の身分や格差社会に目が向けられている事です。
ただ、著者の想像によって書かれているところも多く、また著者の好き嫌いで扱いに差があり、深く検証せずに結論を出している箇所もいくつか見受けられました。幕末の社会についてももう少し深くほしかったなと思いますが、まあこちらは紙幅の都合などありますので………
個人的には大鳥圭介が伝習隊を結成した時の記録に笑ってしまった。大鳥さん、貴方の身長はいったいいくつだったんですか(笑)