火山災害―人と火山の共存をめざして (中公新書)

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著者 : 池谷浩
  • 中央公論新社 (2003年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121016836

火山災害―人と火山の共存をめざして (中公新書)の感想・レビュー・書評

  •  火山については鎌田浩毅の本を何冊か読んだが,それらにくらべてやや硬い感じの内容。雲仙について詳しい。平成の噴火が記憶に新しいが,江戸時代の寛政年間には,この山は日本史上最悪の二万人以上という犠牲者を出している。噴火・地震によって島原の眉山が山体崩潰し,それが島原の町をなぎ倒し,さらに海に流れ込んで対岸(肥後国)へ大津波をもたらしたのだ。このとき海に突入した山塊は九十九島となり景勝をつくった。この災害は島原大変肥後迷惑と呼ばれて語り継がれ,平成噴火でもこの大惨事が再現するのではと地元住民は気が気ではなかったらしい。
     火山学者はみな口をそろえてこういう。火山は人間に甚大な損害を与えるが,この被害が続くのは短期間である。その後は温泉,景観など長期にわたって地域に恵みをもたらす。火山とともに暮らさざるを得ない日本人にとって,短期間とはいえ必ずやってくる災害にいかに対処し,長くもたらされる恩恵をいかに満喫するかが,重要なことである。

  • 2003年刊。著者は筑波大学大学院生命環境科学研究科非常勤講師(元建設省土木研究所砂防研究室主任研究員、砂防部長)。◆職歴が明かすように、建設省にて火山災害に対し、特に1991年の雲仙普賢岳噴火にあたり災害対策と拡大防止、復興に携わった人物である。故に本書は、所謂ハードの面の詳しさが特徴的。また、火山噴火災害の歴史(天明の浅間山噴火、洞爺湖温泉地域の噴火歴、1792年雲仙普賢岳噴火・眉山崩落等)も詳述。やや自賛傾向と、マスコミ・地域住民への上から目線が鼻につくが、日本の火山災害を素描するなら良い本か。
    ◆しかし、問題点も。すなわち、官僚ならば把握できるはずの予算関係がまるで書かれていない。勿論、その予算の適正配分、少ない予算でいかほどの効果が挙げられるか、その分岐点はどこになるか、優先順位のつけ方等、予算の限界とそのバランスが全く触れられないのは、著者の略歴を読むと片手落ちの感を拭い去れない。◇当然だが、ハードを用いないことの問題点ばかり出され、ハード以外の方法論の有用性、比較分析は僅少。

  • 火山災害は難しい
    本書に書いてあるとおり、
    ひとたび発生すれば、
    長期に渡るから。
    ここでみ、人と人との繋がりが
    大切である。
    と訴えている。
    「結」

  • 〇もくじ
    第1章:火山の国に住む
    第2章:火山災害を知る
    第3章:島原大変、肥後迷惑―火山災害と復興
    第4章:雲仙普賢岳の平成噴火
    第5章:近年の火山災害から学ぶ
    第6章:火山と共存するために

    我々は世界で最も火山の集中する日本列島に住んでいる。そして日本人と火山災害は今後も共存して生きてゆかねばならない。そのためには過去の火山災害から学ぶことで、減災することができる。著者は建設省官僚として土石流災害など自然災害の防災分野で長く活躍されてきた。
    特に著者が関わった有珠山噴火と、雲仙噴火時の事例を参考にして火山災害にいかに対応していくかを述べている。

    火山災害を減災するために、著者はまず①火山情報を知ることから始める必要があると述べている。火山災害は自治体史などの文献にも載っているし、地域の古文書・古記録類にも記録されていることがあるので、こういった情報の共有化が望まれるとしている。
    次に、火山災害への心構えとして、防災のソフト面とハード面での対応が必要としている。ハード面は例えば火山噴火後の土石流災害の被害を減らすための砂防ダムなどの整備、流路の拡張などがある。ソフト面では個々人が例えばハザードマップで避難場所の確認などを予め想定しておくことなどが重要である。

    著者も述べているように、有珠山などの例外を除いて噴火周期は全く不明である。いつどこで起こるか分からない火山噴火、またそれに付随して起こる火山災害の被害を減らすために火山噴火の事例について勉強することは大変重要であると言える。

  • [ 内容 ]
    有珠山や三宅島が相次いで噴火し、国により富士山のハザードマップが策定されるなど、火山災害が大きくクローズアップされている。
    一〇八もの活火山が存在する世界有数の「火山国」日本で暮らしていくには、ふだんからどのような心構えと対策が必要なのか。
    雲仙普賢岳噴火をはじめ数々の火山災害に携わってきた著者が、その実態をわかりやすく解説。
    火山の恵みを生かし、よりよい共存を実現するための方策を提言する。

    [ 目次 ]
    第1章 火山の国に住む
    第2章 火山災害を知る
    第3章 島原大変、肥後迷惑―火山災害と復興
    第4章 雲仙普賢岳の平成噴火
    第5章 近年の火山災害から学ぶ
    第6章 火山と共存するために

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    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 4121016831  207p 2003・2・25 

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火山災害―人と火山の共存をめざして (中公新書)の作品紹介

有珠山や三宅島が相次いで噴火し、国により富士山のハザードマップが策定されるなど、火山災害が大きくクローズアップされている。一〇八もの活火山が存在する世界有数の「火山国」日本で暮らしていくには、ふだんからどのような心構えと対策が必要なのか。雲仙普賢岳噴火をはじめ数々の火山災害に携わってきた著者が、その実態をわかりやすく解説。火山の恵みを生かし、よりよい共存を実現するための方策を提言する。

火山災害―人と火山の共存をめざして (中公新書)はこんな本です

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