日本の選挙―何を変えれば政治が変わるのか (中公新書)

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著者 : 加藤秀治郎
  • 中央公論新社 (2003年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121016874

日本の選挙―何を変えれば政治が変わるのか (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • 選挙の話もさることながら、選挙制度を変えることで政治も変えることができるということに気付かせてくれた。題名から「選挙の投票率とか若者の関心とかの話だろう」という印象をもたれがちかもしれないが、政治全般の入門書としてとても良い本だと感じられた。「理念なき選挙制度からの脱却」という筆者の強い思いを、熱いながらもやさしく丁寧に説明してもらえます。

  • 選挙制度について、非常に分かりやすくまとめられている。第二章では、著名な学者の論点を基に多数代表制と比例代表制の比較検討を行っている。とりわけそれぞれの制度の理念に重点を置いて論じられていて、制度そのものというよりは、どういう理念に基づくかによって制度も代わるという印象を受けた。何より、近年の選挙制度の議論はこの理念の部分が欠落しているので、この部分を再考するにはもってこいだと思う。

  • 配置場所:2F新書書架
    中公新書 ; 1687
    資料ID:C0024874

  • すんげえ詳細でとても難しい。
    でも勉強になる

  • 良書でした。制度万能論に逃げることもなく、諦念ばかりでもなく。また、国政のみならず地方選挙においても整合性のあるものにすべきという点と一長一短論の問題点、日本特有の理念なき選挙の問題点は特に重要かと。教育問題同様、学問的な背景なき程度の低い議論が横行しているというのも同意。

  •  本書は選挙制度を扱った本ですが、おそらく政治のトピックとしては地味な印象をお感じになる方が多いのではないでしょうか。私自身そうでしたし、著者もドイツで選挙制度を本格的に研究するまではあまり興味が持てなかったそうです。

     が、本書を読んでいただければわかりますが、政治について、そして民主主義についてちゃんと考えようと思ったら、選挙制度についての理解は避けて通れません。この点、民主主義を考える上では税制についての理解が必要であるというのと非常に似ています。一見地味ですが、民主政治という制度の根幹を支えるシステムを軽視していては、まともな政治議論なんてできないんじゃないか。それくらい思わされました。

     第一章では、日本の選挙制度というのが、世界的に見たとき、良く言っていかにユーモアか、悪く言えばいかにデタラメかが説明されています。例えば、我々は投票と言えば一人一票と無条件に考えてしまいますが、大選挙区(複数人の当選者が出る選挙区)では当選者数分の投票権が与えられる方がスタンダードだったりします(完全連記制)。
     日本は「選挙制度のデパート」だそうですが、決して褒め言葉ではありません。目的も特性も効果も違う制度をごちゃ混ぜにして運用する奇々怪々な選挙制度が、日本の選挙制度です。

     第二章では、選挙制度というのが、その背後に民主主義の理想を想定して選択されるものであることが説明されます。
     よく「戦前の日本に民主主義はなかった」などという発言が見られますが、そういう世迷い言は本章を読んでからにしていただきたいものです。"民主主義がなかった"とされる戦前には、民本主義でおなじみ吉野作造が小選挙区制を、天皇機関説事件でおなじみ美濃部達吉が比例代表制を、それぞれ措定する民主主義観・政治制度を背負って論戦を繰り広げています。理念的には対極に位置する二人が合意していたのは、戦前戦後と続いてきた「中選挙区制」なる妥協のシステムは一番ダメだ、ということでした(美濃部は、政党政治を阻害する中選挙区制に反対するため、比例代表制が時期尚早だと思っていた当初は少数代表制を主張していたこともありました)。
     本書では他にミルやバジェット、シュンペーターやポパーの議論も紹介されています。これらを読んだとき、戦後日本の選挙制度についての議論がいかに退行したものに成り果てたかがわかります。

     選挙制度というのは大きく分けて、二大政党制を志向する「小選挙区制」と、少数からも代表が出せるが多党制になる「比例代表制」の二つになります。
     が、読み進めると話はそんなに単純ではありません。システムの細目をどう規定するかで選挙制度の性格は変わってきますし、国民が政党に対して密接だと比例代表制でも二大政党化する結果が出たりします(オーストリアなど)。
     システムをどう規定するかでどうとでもなるからこそ、選挙制度を通してどういう議会制民主主義体制を作るか、どういう政治システムを構築するか、その大目標が大事になってきます。そしてそれは、参議院をどうするか、地方の選挙制度とどう連動させるか、と憲法改正も含めた統治機構のグランドデザインへと話が発展します。「神は細部に宿り給う」とはよく言ったもので、選挙制度という一見地味なものを突き詰めて考えると、実はもの凄く深く壮大なものが見えてきます。

     あと、比例で復活当選が何かズルい、ゾンビみたい、というよくある疑問についても本書はサラッと答えてくれてたりして、気が抜けない本でした。

     今年中に衆議院の解散総選挙があるのは確実なので、それまでに読んでおきたい一冊です。

  • 現行の選挙制度を「おかしい」と思った方にはお薦めします。筆者は若干外国、特にドイツ式選挙に偏ってる気がしますが、選挙制度の類型を整理できます。あたりまえですが、「理念」あっての「システム」であるべきだと感じました。

  • 諸外国の単票性ではないことや、理念にあった選挙システムであればよいのだが、選挙システムにはよいものがないので、組み合わせようという日本の選挙制度に対して鋭く理念がないことを追究した良書。

    選挙制度についてはこの1冊でくわしくなるが、それ以上に常に理念がない日本人の問題のような気もする。

  • 学部生時代、お世話になった。
    当時小泉首相が何党の人かも分からずに政治学部に入学した、無学の極みな自分にとって、選挙制度を概観するにはもってこいだった。
    語り口も平易だし。
    この本がきっかけで、専攻が制度論へ傾くことになった。

  • 推奨

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日本の選挙―何を変えれば政治が変わるのか (中公新書)の作品紹介

とるに足りない些末な問題と見られがちな選挙制度だが、政治全般に及ぼす影響力は決して小さくない。「選挙制度が適切なら何もかもうまくいく」という哲学者オルテガの言をまつまでもなく、選挙は民主主義をいかなる形態にも変えうる力を秘めている。小選挙区制や比例代表制の思想的バックボーンをわかりやすく紹介し、「選挙制度のデパート」と揶揄される無原則な日本の現行システムを改善するための道筋を示す。

日本の選挙―何を変えれば政治が変わるのか (中公新書)はこんな本です

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