ヒンドゥー教―インドの聖と俗 (中公新書)

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著者 : 森本達雄
  • 中央公論新社 (2003年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121017079

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ヒンドゥー教―インドの聖と俗 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 解脱と云う考えは、全く非現実的であり、夫れ程人の心を惹くものではない。事実、夫れに就ては冗舌な議論がなされてきた事からも分かるように、夫れは学者達の単なる論題に過ぎない。解脱は決してヒンドウーの宗教儀式や礼拝の目的ではない。ヒンドウーの儀式や礼拝の中心目的は、現世的な繁栄である。そして、此の現実世界への専心の為に、この世に再び生まれ変わると云う輪廻転生の教義が、死後の生命に就てヒンドウーが提唱した全ての概念の中で、最も説得力の有る確固たる信仰になっているのである。彼らは此の世界を余りにも深く愛して居り、その為に幾度も生まれ変わった后ですら、永久に此の世を離れると云う可能性を、出来るだけ遠い先の、起こり得ない事にしたのである。
    p.337

  • ヒンドゥー教はなんでもあり!

  • ヒンドゥー教は、別に宗祖がいるわけでもなく、いろいろな神様を信仰するインド全体の世界観・文化・生活習慣なのだと理解。ヨガはそもそも心身を鍛え気の通りを良くして神に近付くための修練であり、その昔は川に浸かって内臓を取り出したり、濡れた布を鼻や胃に通すような修行も行われていたとか。現代のインド人科学者でさえも輪廻転生を信じている、とか。私の持っている価値観など、文化の中で培われたものであり、絶対的なものではないのだなと。異文化を知ることで日本を知ることができた本。そんなインドをみる筆者のコメントも、いきいきと好奇心旺盛でありながら、ヒンドゥを信仰する人々に対するリスペクトに溢れており、すばらしい読後感でした。インドに行ってみたいな。

  • 出版社による内容紹介
    “弁財天信仰、輪廻転生の思想などヒンドゥー教は、直接に、あるいは仏教を通して、意外にも古くからの日本人の暮らし、日常の信仰、思想に少なからぬ影響を与えてきた。本書は、世界四大宗教の一つでありながら、特定の開祖もなく、核となる聖典もない、いわばとらえどころのない宗教の世界観を日常の風景から丹念に追うことによって、インド社会の構造から、ガンディーの「非暴力」の行動原理までも考察する。”


    【目次】
    プロローグ ヒンドゥー教と日本人 003
    第1章 ヒンドゥー教とはどんな宗教か 023
    第2章 ヒンドゥー教はいつ始まり、どのように発展したか 063
    第3章 ヒンドゥー教の支持基盤-カースト制度 119
    第4章 ヒンドゥー教のエートス 153
    第5章 ヒンドゥーの人生と生き方 183
    第6章 解脱に向かって 251
    エピローグ シュリー・ラーマクリシュナの生涯と福音 363
    あとがき 379
    参考文献 386
    索  引 400

  • ヒンドゥー教のライフスタイルが見えてくる気がする

  • ヒンドゥー教について筆者の膨大なフィールドワークや
    研究の成果をもとに、初心者にも分かりやすく、
    その現実と理想を説明する一冊。
    馴染みの薄いヒンドゥー教を、
    本書を読み終わる頃には親しみと畏れをもって
    見つめることができるようになる。
    語り口の柔らかさもあって、
    穏やかにヒンドゥーの世界を知れる良書。

  • 宗教書ですが、インドの旅行書として有用です。日本文化底流にあるヒンドゥー 例えば輪廻転生、業(カルマ)や浄・不浄感などが理解できるし、ヨガやベジタリアンについてりかいが深まります。そのほかインドの偉人、カンジー・Rタゴール・ロマンローラン(仏)・スリーオーロビンド・シュリー・ラーマクリシュナについて記述もあります。

  • ヒンドゥー教の過去から現在に至る有り様が、うまく整理されている。様々な引用も読者の理解を助ける。新書としてはけっこう分厚いが、文章は読みやすいし、著者のインドでの研究・滞在経験が紹介されることが多く、最後まで興味深く、さほどの忍耐も必要なく読むことができた。著者の滞在経験は40年程前のものだが、今読んでも問題は感じない。

  • 厳格なカーストに菜食主義、ガンジス川での沐浴...そうした断片的なイメージしかないヒンドゥー教の有様を実体感ある筆致で書き下した本。新書にしては分厚い。
    ヒンドゥーとは何かという問いに対して、明快で秩序だった解を用意してあるわけではなく、著者が実際に見聞きした内容や、各種の引用を交えつつ、いろいろな面から、この文化・信仰を紹介している。体系された章立てではないが、きっとヒンドゥーなるものが体系化困難で混沌としたものなのだろう。特定の開祖がいたり、具体的な教義があるわけではなく、それが故に、「ひとつの宗教」というより「純粋な信仰のあり方」という印象を受けた。キリスト教や仏教にみる「宗教」というスキームの概念を少し広げる必要があるかもしれない。

  • ヒンドゥー教のふかーいところというより、庶民の目線を含めて俗っぽいところから聖なるところまで、エッセイチックに解説してくれます。
    その解説がどこまで正しいのか、よくわかりませんでしたが・・・。
    最終章のラーマクリシュナについては、とても興味を惹かれました。
    顔はボビー・オロゴンっぽいけど、中身は完璧に聖人です(笑)

  • 新書ながら400ページもある本。疲れました。

    単に教義や信仰形態について文献的に迫るのではなく、筆者の体験からかかれている部分も多いため、全体として読みやすい。


    内容として面白かったのは聖牛信仰について。牛、特に牝牛を殺してはいけないという教義が存在するのはその乳牛や糞が現実生活において非常に重要なものだったかららしい。
    また、バクティ信仰と日本仏教との類似が指摘されており興味深かった。

    エピローグで紹介されているラーマクリシュナの思想に関してはもっと詳しく知りたいと思った。ラーマクリシュナは19世紀の人物。ヒンドゥーやイスラム、仏教においてそれぞれ神秘的な体験を経て普遍宗教的な思想に至った人物らしい。

    本文では ガンディーやタゴールの記述がたびたび紹介されていたが、これらに関する著作にも触れていきたい。

  • 聖なるものと俗なるもの。これはインドを理解するための重要なキーワードになると思う。

    インドに行く直前に買っていて、飛行機の中で読んだ本。
    結局読み終わったのは帰国してからですが、むしろ逆に、現地の空気、感じたこと、みたものなどが新鮮な時期に読んだことで、思い出深い一冊になっています。

    ややまじめな本ですが、「地球の歩き方 インド」のお供にどうぞ。笑。

  • [ 内容 ]
    弁財天信仰、輪廻転生の思想などヒンドゥー教は、直接に、あるいは仏教を通して、意外にも古くからの日本人の暮らし、日常の信仰、思想に少なからぬ影響を与えてきた。
    本書は、世界四大宗教の一つでありながら、特定の開祖もなく、核となる聖典もない、いわばとらえどころのない宗教の世界観を日常の風景から丹念に追うことによって、インド社会の構造から、ガンディーの「非暴力」の行動原理までも考察する。

    [ 目次 ]
    プロローグ ヒンドゥー教と日本人
    第1章 ヒンドゥー教とはどんな宗教か
    第2章 ヒンドゥー教はいつ始まり、どのように発展したか
    第3章 ヒンドゥー教の支持基盤―カースト制度
    第4章 ヒンドゥー教のエートス
    第5章 ヒンドゥーの人生と生き方
    第6章 解脱に向かって
    エピローグ シュリー・ラーマクリシュナの生涯と福音

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 仏教の親でもあり、解放の対象でもある。
    いったいヒンドゥー教ってなに?

  • インドについて知りたくなったので、その代名詞とも言えるであろうヒンドゥー教を手に取り易い新書で読んでみた。
    どうしてもヒンドゥー教はカースト制度などから固定観念としての異質さを抱いていたのだが、本書は著者の経験を交えて明快に解説していたように感じた。
    なので入門書としては十分な出来となっているのではないかと思う。
    ただどうしても理解できない文化・慣習もあった。
    信愛の解脱という道がありながらなぜ差別があるのか、ということに関しては個人的に納得がいかなかった。
    しかし、よくよく考えてみれば宗教は概して差別的だったりするので、ヒンドゥー教だけの問題ではないのだろうし、内部批判めいたエピソードもきちんと載せてあったのでバランスは取れていたと思う(エピローグは特に必読)。
    先にインドの詩人タゴールを作品を読んであまりピンとこなかった自分だが、少しは理解を深めるのに役立った一冊だった(実際にタゴールのエピソードも多く載っている)。
    他のレビューで「専門用語やカタカナが多く難しかった」というようなことが書かれているが、巻末に索引もしっかりあるので、それを上手く活用して読めばさほど難易度は気にならないはず。
    他にも興味深い著作があるようなので、これを機にインドの深遠な世界に少しでも触れていきたい。

  • ●構成
    プロローグ ヒンドゥー教と日本人
    第Ⅰ章 ヒンドゥー教とはどんな宗教か
    第Ⅱ章 ヒンドゥー教はいつ始まり、どのように発展iしたか
    第Ⅲ章 ヒンドゥー教の支持基盤:カースト制度
    第Ⅳ章 ヒンドゥー教のエートス
    第Ⅴ章 ヒンドゥーの人生と生き方
    第Ⅵ章 解脱に向かって
    エピローグ シュリー・ラーマクリシュナの生涯と福音
    --
     宗教を理解することは、なかなかに難しい。自分を形成したバックグラウンドとは全く異質な、異文化の宗教であれば尚更であろう。日本に生きる私たち、あるいは西洋の人々でも、とりわけヒンドゥー教に対しては、おそらく大きな違和感を感じるのではないか。
     本書は、インドの人々の日常生活に多大な影響を及ぼしているこの宗教について、その成立の歴史を振り返り、宗教としての性格や特徴を論じ、また現代のインドにおいてどのように理解されているかを述べる。よくヒンドゥー教は多神教だというが、著者はそうではなく、多くの神々から自分にとって必要な、御利益のある神を信仰するのだという.。一見ご都合主義だが、これはヒンドゥー教の大きな宗教的寛容の精神に依る。他の宗教もそれはそれとして認め、その上で自分の奉ずる神を慕うのである。そもそもヒンドゥー教には聖書のような教典は存在しない。様々な宗派の様々な慣習があり、千差万別の教えの緩やかな総体としてあるのがヒンドゥー教なのである。
     ヒンドゥー教を通じて、その教えだけでなくインド社会のメンタリティについても概観できる本であり、他の宗教を信じる人にとっても自分の宗教について再度理解を深めることができる一冊であろう。
    --
    【図書館】

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弁財天信仰、輪廻転生の思想などヒンドゥー教は、直接に、あるいは仏教を通して、意外にも古くからの日本人の暮らし、日常の信仰、思想に少なからぬ影響を与えてきた。本書は、世界四大宗教の一つでありながら、特定の開祖もなく、核となる聖典もない、いわばとらえどころのない宗教の世界観を日常の風景から丹念に追うことによって、インド社会の構造から、ガンディーの「非暴力」の行動原理までも考察する。

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