ODA(政府開発援助): 日本に何ができるか (中公新書 1727)
- 中央公論新社 (2003年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121017277
作品紹介・あらすじ
ODA(政府開発援助)は、日本の対外援助の主力として、一九九三年以降世界最大規模の支出額を誇ったが、国民の不信と批判にさらされ、大幅な削減を余儀なくされている。一方、欧米諸国は同時多発テロ以降、貧困をなくす手段としてむしろODAを重視する傾向にある。開発途上国側の課題が多様化したいま、ODAはどうあるべきか。現状と課題を平易に解説しながら、日本が国際社会のなかで果たすべき役割を考察する。
感想・レビュー・書評
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ODAの入門書。同期の一部がこの業務に携わる為、読んでみた。日本はODAを通じて発展途上国(東アジア)の貧困削減・経済発展に成功した唯一の国と言っても過言ではない。筆者は日本のODAを他国も見習うべきだと主張すると共に、東アジアへの支援は別の形に移行すべきだと言う。それは「ハード中心」「二国間」「一方通行」的な協力から、FTA締結や地域協力の推進を視野に入れた「ソフト中心」「多国間」「双方向」的な協力へというものだ。また筆者はODAの「触媒効果」を期待する。つまりODAがソフトインフラ整備を通じて民間活力を誘い出す触媒になるということだ。そのための「知的支援」において日本はODAのリーダーになるべきであると主張する。
日本のODAのあり方を考える機会になるので、一読の価値はある。私の考えは飲みの席でも。
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ODAの在り方を、日本の東アジアに対して行ってきたODAや
アメリカや世銀の立ち位置を踏まえつつ解説し、今後を展望する一冊。
しくみや理論による説明が多くやや難しかった印象。
もう少し具体例やエピソードを例にとって説明いただきたかったと思う。
反面、日本とアメリカ・世銀の援助に対する考え方の差や
昨今の国内にあるODA批判の考え方、
また中国に対するODAなどについては面白く読むことができた。 -
ODAについての論点が豊富なデータと共に語られる。紐付きではないか?戦略性が、主には外交性がかけているのではないか?という疑問を見事に解決してくれ、ODAについて誤解していた自分を反省。しかしながら私が手にとったのは2003年版であるため、中国など、現在とは実情が違うこともあった。
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コンパクトで入門書として最適。しかし入口(ODAが必要かどうか)というところで道を違える人には物足りないかも。新版発行に期待。
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(「BOOK」データベースより)
ODA(政府開発援助)は、日本の対外援助の主力として、一九九三年以降世界最大規模の支出額を誇ったが、国民の不信と批判にさらされ、大幅な削減を余儀なくされている。一方、欧米諸国は同時多発テロ以降、貧困をなくす手段としてむしろODAを重視する傾向にある。開発途上国側の課題が多様化したいま、ODAはどうあるべきか。現状と課題を平易に解説しながら、日本が国際社会のなかで果たすべき役割を考察する。 -
久しぶりにこういう系の新書。
どんどん新しい知識が体の中に吸収されていく感じがして、読んでて楽しすぎた。ってことで、★5つ。多分、読むタイミングが違えば評価も違ったやろけどww
内容としては、
「日本のODAってよく批判されてるけど、実際のとこはどうなの?」
っていう出発点から、日本のODAを他国と比較しながら分析していく感じ。
日本のODAは『借款』が中心で、『贈与』の割合は(他の先進国と比べれば)低い。ただ、それは借款をすることで、甘やかしで終わらないために必要なことであり、本当の意味での「開発援助」と言えると述べられている。しかし、一方で、日本のODAは円借款が中心で、「お金あげるだけ」のパターンが多い。もっとプロジェクトベースでのODAを増やしていって、日本企業がそのプロジェクトを受注するような形を作れば、技術面でも開発面でもプラスに働くはずやー。
みたいな感じ。
まあ、正論ばっかりの一冊やったなwww
数値とかグラフを使って証明してたから、説得力はあったし、読みやすかったかな。うん。 -
9/13 読了
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ODAに関して非常に論理的にまとめられている。
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とりいそぎ「ODAとは何たるや」を知るために買いました。
非常に奥が深い問題なので、今後知識を深めるためのキーとなりそうです。