物語バルト三国の歴史: エストニア・ラトヴィア・リトアニア (中公新書 1758)
- 中央公論新社 (2004年7月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121017581
作品紹介・あらすじ
二〇〇四年五月、エストニア、ラトヴィア、リトアニアは念願だったEUへの加盟を果たした。これまで三つ子のように扱われてきた三国は、なぜ「バルト」と一括されるのか。その答えは、中世から東西南北の交易の十字路として注目されたバルト海東南岸地域でくりひろげられた歴史の中にある。周辺大国ドイツ、ロシアの狭間にあって、それぞれの民族のまとまりを失うことなく、二〇世紀にやっと建国した三国の道のりを辿る。
感想・レビュー・書評
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リトアニアからバスで北上してバルト三国の都市を回ったので読んだ。
個人的には20世紀の話をもっと知りたかったが、そもそもバルト三国の話をこれ一冊にまとめるのはとても難しいのだと思う。
とても印象に残ったのが筆者のあとがきの部分である。彼はラトビアが(略)の意味で最もバルト的な国だと言っている。私はこれに思い当たる節があった。私のように三国を連続でまわると、嫌でも国々の差異が見えてくる。その一つは、ラトビアはリトアニアとエストニアと比べて戦争や占領に関わる博物館や施設が多いことであった。そしてまさにこれが筆者の言っていることと符合したように思えた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
バルト三国ともに小さな国だが、そもそもなぜ3つの国に分かれなければならなかったという疑問を以前より持っていた。この本を読んでその理由がよく分かった。
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大国に隣接する小国の悲哀が描かれています。
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読み終わって旧ソあたりからの流れをもう少しつっこんで知りたいな、と思いました。
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エストニア、ラトヴィア、リトアニアの
バルト三国の歴史を中世から現代まで概説する。
馴染みの薄い地域の歴史ではあったが、
頻繁に地図が掲示されることもあり、
入門書として分かりやすい。
それぞれが非常に複雑かつ多難な歴史を持つ国々であり
さらに知識を深めたく感じた。 -
常に3国として一括して語られる国々だが、それぞれの歴史の違いを改めて感じる。ハンザ同盟、リヴォニア騎士団、ポーランド・リトアニア連合王国、スウェーデン、プロシア、ロシアの支配下、そして1918年のロシアからの独立、1940年のソ連統合、1991年のソ連邦からの独立への動きなどの動きが生々しく伝わってくる。北欧との関係が深いエストニア、ドイツとの関係深いプロテスタント国ラトヴィア、そしてポーランドとの歴史の共有・対立という歴史があり、ユダヤ人を多く抱えていたカトリック国リトアニアへの理解が深まった。一方、3国に残ったロシア人の国籍問題など3国に残ることになった人権問題があることは気が付かなかった。
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『ぼくらの頭脳の鍛え方』
文庫&新書百冊(佐藤優選)159
国家・政治・社会 -
ドイツ騎士団やハンザ同盟について知りたかったので、読んでみたのだが、当初の目的に当たるところはわりとあっさりと終わってしまって、少し残念だった。しかし、この地域が大国に挟まれて如何に苦労をしてきたかが、よくわかった。次はバルカン半島関連を読んでみようか。