西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 (中公新書)

  • 901人登録
  • 4.07評価
    • (104)
    • (106)
    • (70)
    • (5)
    • (1)
  • 105レビュー
著者 : 岡田暁生
  • 中央公論新社 (2005年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121018168

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三島 由紀夫
宮部 みゆき
J・モーティマー...
フランツ・カフカ
有効な右矢印 無効な右矢印

西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 西洋音楽を西洋社会の移り変わりと併せて解説した名著。
    グレゴリオ聖歌~近代音楽までをコンパクトにおもしろく纏めてくれてる。
    特にバッハの歴史的に微妙な立ち位置やモーツァルトやベートーベンのどこが大天才といわれるのかなどを分かりやすく解説してくれている。
    聴衆の変化(教会音楽→貴族の音楽→大衆の音楽)とそれに伴う流行の変化。特に「乙女の祈り」辺りの音楽の世俗化は記憶に残っている。
    時代と共に音楽や聴衆の意識は変化しているため現代の私たちは当時の聴衆と同じ音楽(感覚的な意味で)を聞くことが出来ないというのは目からうろこの感覚があった。

  • 音楽史の一冊目として有用
    全体の流れをつかめた

  • 音楽書の中には、内容や着眼点は面白いのに文章が下手で読む気をなくすものが多々ある。この本は違う。著者の方の文章が、旨い。

  • イギリスに行ってPROMSに何度か行く中で、改めてクラシックを通史で知りたいな~。と思って読んだ本。評判がいいだけあってとてもよい本だった。

  •  謎めいた中世音楽。かつて音楽は、感覚を超越したところに成立する数学的秩序であった。単旋律のグレゴリオ聖歌に対旋律が加えられたとき音楽は組み立てられることを知った。組み立てられ構成される芸術音楽の源流である。音楽はやがて数学から独立していく。ひとたび構成されると、対旋律が自己主張を始め、音は互いに上下反対方向さらに装飾的に動き始めた。

  • 内容が専門的すぎて西洋音楽史の概要を容易に把握できない既刊本へのアンチテーゼとして、クラシック音楽の初心者向けに書かれた本だが、厳密にいえば初心者向けではないと思う。

    正直なところ、この本の情報をすべて理解するのは初心者には難しい。文中に挿入される「あの作曲家のあの作品が……」という情報が、初心者にはピンと来ないからだ。私自身、全くの門外漢というわけではないが、それでも知らない情報がたくさんあった。

    それでも、この本は初心者でも読む価値がある。細かいところを読み飛ばせば、西洋音楽の流れが十分理解できるからだ。

    だから、内容を100%理解しようとせずに、大ざっぱに歴史の流れをつかむつもりで読むといい。

  • 何の気なしに手に取ったが、想像以上にわかりやすくて面白い本だった。なんだろう、著者の熱が伝わってくるような文章がいいのかな。その意味では、ロマン派的です。バロックの中でのバッハの特異性、ベートーベンの第九の革新性、そして何より今まで特に興味もなかったマーラーのことが理解できて好きになった。
    選手の家庭環境や人生を知るとスポーツ観戦が段違いで面白くなるが、音楽も同じだなぁ、と。

  • 面白かった!
    興味を惹かれて購入したにも関わらず、初めて耳にする人物名や難解な用語が羅列された、ちんぷんかんぷんな内容を覚悟していたのだが、何と楽しいことよ。
    そう、だって音楽は美しくて気分を高揚させて神性すら感じさせる、生活に身近なもの。普段楽しんで聴いているもの。

    それについて書かれた本が楽しくないはずがない。

    例えば、「ワルキューレの騎行」を聞きながらワーグナーについての頁を読んだのだが、西洋音楽に無知な自分でも、その素晴らしさをはっきりと理解できた。

  • 第一章 謎めいた中世音楽
    第二章 ルネサンスと「音楽」の始まり
    第三章 バロック 既視感と違和感
    第四章 ウィーン古典派と啓蒙のユートピア
    第五章 ロマン派音楽の偉大さと矛盾
    第六章 爛熟と崩壊 世紀転換期から第一次世界大戦へ
    第七章 二〇世紀に何が起きたのか

  • 歴史の教科書としてではなく、ひとりの著者としての見方からなのか、ドラマチックであった。
    合唱をしていることもあってルネサンスの章はなるほどなるほどとスラスラ読めたが、ロマン派では名前しか知らない作曲家が多くなんとかついて行けたという感じ。

  • いわゆる「クラシック音楽」を中心とした西洋音楽の歴史を綴る作品。
    クラシック音楽の定義はなかなか難しいところだが、本作では中世ヨーロッパのグレゴリオ聖歌を起源と考えている。この時代の音楽は神への捧げもの的な宗教色が強く、メロディも音楽というよりもお経とか呪文に近いものだったらしい。

    強大な力を持っていた教会だが、たび重なる十字軍遠征の失敗などによって次第に権力は弱まり、音楽の舞台はルネッサンスを経て宮廷へと移って行く。
    17世紀バロックの時代に入ると、ヴィヴァルディやバッハなど有名な大作曲家が登場する。ただしイタリアやフランスを中心としたカトリック国家が派手好みだったのに対し、バッハが育ったプロテスタント文化圏は地味で質素であったため、同じバロック音楽と言っても一様に理解するのは難しい。

    そして音楽史的には、バッハが亡くなった18世紀の中頃から古典派の時代へと移って行く、ちなみに古典派の有名な作曲家と言えばハイドン、モーツァルト、ベートーベンの3人。音楽の内容的には宗教的なものばかりではなく、恋愛などをテーマとした喜劇オペラなんかも多く作られている。
    この時代の一番の特徴は、フランス革命などの市民革命を経て、多くの一般市民が音楽を楽しむようになった事である、この時代に「第九」が作られヒットした理由がわかったような気がした。

    19世紀ロマン派の時代になると、リスト、ショパン、チャイコフスキー、ワーグナーなど、現在でもクラシックコンサートやCDなどで常連の作曲家が多数登場してくる。この頃の聴衆はほとんどが一般市民で、パリのサロンなんかでは現在のロックコンサートのような賑わいだったそうだ。ロマン派の楽曲自体も多様化した聞き手の需要に合わせるよう、ソナタからオペラまで幅広いスタイルの曲が多く作られている。
    最終章は20世紀のモダンジャズとポピュラー音楽で締めくくられているが、つまるところ西洋音楽史とは、その時代の主権者のニーズに合わせる形で進化した音の歴史なのだと思った。

    1000年以上の音楽史がコンパクトにまとめられており、各々の年代の音楽が持つ目的や特徴がとてもわかりやすく描かれている。ちょうど知りたいと思っていた情報が過不足なくまとめられていて、少ないページ数の割には非常に読み応えがある良作でした。

  • これで何かが分かった、というより、自分がクラシックの何が分からなかったかが随分と分かった、という意味で爽快な体験でした。内容の真偽?は著者が主観的に書かざるをえない、というように、もしかしたら他の見地からの反論はあるかもしれません。ポピュラー音楽と違いなぜクラシックは難解なのか。クラシック音楽の構成、主題がなぜずっと変わらないのか。なぜレコード屋のクラシック棚は作曲家ごとにカテゴライズするのか。「感動させる」以前の西洋音楽とはどんなものか。疑問点すら分からなかった疑問がどんどん明るみになるって感じです。

  • 何度目かの読了。何回読んでも新しい発見があります(単に読んだことを覚えていない可能性も否定できないところではありますが)。西洋音楽史いわゆるクラシック音楽の源流と流れを通読できます。

  • 一気に読み通した。
    今まで全く関心がなかったジャンルなのに、ここまでテンポ良く面白く読ませるのは素晴らしい。
    いくつか分からない用語や表現があったが、他の方のレビューにもあったように全体の「流れを一望」でき、且つ作者本人「私」が自信の言葉でブレずに話していることが、読みやすさに繋がっているのだろう。

  • 表現ジャンルの歴史は、互いに似通わざるを得ない部分があるのかもしれないと痛感させらせる一冊。すごい本だった。

  • この年になるまで手をつけなかったクラシックの去年からかじりだした入門書でようやく通読できた本。しかも裾野は歴史だけにとどまらず音楽の実存にまで広がり、そしてどこまでも大衆向けにPOPに読ませる。シェーンベルグも引き合わせてくれた。しばらく座右に置いておこう。

  • ロマネスク→ゴシック→ルネッサンス→バロックと音楽の歴史と建築の歴史が見事にリンクしていて、とても面白かった。

  • クラシック音楽の世界を概観。
    押さえどころがしっかりしていて、抜け落ちるところなく主要作品名も網羅される。

  • 西洋音楽史の概論。知らない事だらけだったので楽しく読めた。

  • クラシック音楽の歴史がざっと分かる本。時代背景との絡みも書かれていて,面白く読めました。大まかなクラシック音楽の流れを知りたい方にはいいと思います。

  • クラシック音楽とは一体なんなのか。
    西洋音楽史上にどのように位置づけられるのか。

    クラシック音楽に詳しくない自分が読んでも楽しめる1冊でした。

    グレゴリオ聖歌から地道な発展の上にあり、
    第一次世界大戦、第二次世界大戦という時代をへて、
    大きく変わってきたその流れをわかりやすく伝えてくれています。

    西洋美術史について、絵画の流れをおさえたことはありましたが、
    音楽もまた宗教的なものから世俗的なものへの変化を含んでいますね。

    楽譜が生まれ、和音による音楽の構築と解体があり、
    後世に残る音楽をとの格闘があり、
    今に至る。

    音楽家たちの格闘の痕跡を知って、
    あらためていろいろなクラシック音楽を聴いてみたくなりました。



    “「クラシック音楽」といえばすぐに連想されるのが、「目を閉じて一心不乱に聞き入る聴衆」の存在だろう。他のどんな音楽ジャンルの聴衆も、クラシックのそれのようにみじろぎもせず、まるで司祭の言葉に恭しく耳を傾けるミサの会衆のように、厳かな態度で音楽を聴いたりはしない。音楽に対するこのほとんど擬似宗教的な構えは、ドイツ・ロマン派によって作り出されたものなのである。”

  • 内容はバロック以前からの西洋音楽を掘り起し、現在までの通史となっている。
    難解な言葉を羅列し、読者に「伝える」ことよりも自己陶酔かのような表現が続く。
    読みにくいこと甚だしく、通読に苦労した。

    西洋音楽に興味を持ち始めたばかりなので読み通したが、興味の無い人にとっては苦痛でしかない本であろう。

    いみじくも筆者が「クラシックの黄昏」というサブタイトルを付けているとおり、クラシック音楽が人々から疎遠になったのはこのような「通」「玄人」を気取った方が鼻につくからであろう。

    せめて巻末に簡単な用語説明でもあれば理解が深まるが、専門用語の羅列では一体本著を誰に向けて何のために書いたのか。新書で発行した意味が不明。

  • 新書の良さにはっきり気付いた新書
    1時間半くらいで音楽史を眺望できる

全105件中 1 - 25件を表示

西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 (中公新書)に関連するまとめ

西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 (中公新書)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 (中公新書)を本棚に「積読」で登録しているひと

西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 (中公新書)の作品紹介

一八世紀後半から二〇世紀前半にいたる西洋音楽史は、芸術音楽と娯楽音楽の分裂のプロセスであった。この時期の音楽が一般に「クラシック音楽」と呼ばれている。本書は、「クラシック音楽」の歴史と、その前史である中世、ルネサンス、バロックで何が用意されたのか、そして、「クラシック後」には何がどう変質したのかを大胆に位置づける試みである。音楽史という大河を一望のもとに眺めわたす。

西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 (中公新書)のKindle版

ツイートする