シュメル: 人類最古の文明 (中公新書 1818)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121018182

感想・レビュー・書評

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  • リピドイシュタル法典は賠償法

  • シュメルのことが知れてよかった。
    これを機に古代オリエントを学ぼう。

  • メソポタミア5冊目

    ポテロの本は、書かれた記録をもとに言えることを限定する歴史学者としてとても偉い姿勢で書いてあるけど、こっちは、考古学的なところへの視線が豊か
    あとは、シュメルにしぼってあるのも良い
    ポテロは抽象化、一般化しようとしており、そういう部分にすばらしい洞察が働いているし、いろんなヒントを提示はするけど、そこから先の、歴史化としての余計な言葉には敏感 ヨーロッパ人っぽい
    こっちは日本人なだけあってちょっとそのへん緩さがあるんだけど、基本的には事実の列挙や特徴的な事象の紹介になってて、一般化をされておらず、正直、ちょっと散漫 でも、具体的、という良さはある

    というわけで、そういうことがあるから、一冊の本で何かを完結させるのはよくないなーと改めて思った

    次はついにギルガメッシュに入って、エジプトか、視線を変えて考古学か文字へいくかね

  • 2013 8/15パワー・ブラウジング。司書課程資料室の本・・・宇治郷先生の置かれていった本?

    図書・図書館史授業用。文字全体ではなく発端であるメソポタミア、その中でもシュメルについて突っ込んで知るために手にとった本。
    さすがに色々読んでから、なので全くの未知って事項はそれほど多くはなかったけど、他の本で描いていた進行の裏付けにはなったし、ニップル市の図書館=エイムグラについては完全に初めて知ったのでありがたかった。
    これは確実に使おう。

    以下、気になった点の詳細メモ。

    ・p.34 文字=交易記録の必要から生じる
     ⇒・天水農業から灌漑農業へ⇒都市に集住して組織農業を行なうように
      ⇒・生産物の他都市との交易が増える
     ⇒・記憶を目に見える形で保存⇒記憶の復元のためのもの
     ⇒・この本の中では最古の文字=前3200年、ウルクの絵文字(ウルク古拙文字)とする

    ・文字よりさらに以前・・・代替貨幣=トークン
     ⇒・なんか印とかつけてるちっさい造形物
     ⇒・最古は前8000年。単なる幾何学図形等
     ⇒・前4400年頃に多様化。羊とか牛とかを表す図像がついたり
     ⇒・これらを「物資管理のための簿記用具」として使用
     ⇒・交易の更なる活発化・・・トークンでは追いつかない・・・絵文字へ
      ⇒・その後はお決まりの表語文字(シュメルにおける楔形文字は表語文字)⇒表音文字へ(シュメルが他民族に征服されると、音を借りて表音文字として、各言語を表記するのに使われるように。アッカド語とか)

    ・p.61~62 前3000年紀末(~前2000年の前)には、耕地管理文書=農業技術書も既に存在

    ・最古のはんこ社会もシュメル(所有印)

    ・p.199~200 前3000年紀シュメルの識字状況
     ⇒・読み書きできるのは書記のみ
     ⇒・「王といえども読み書きはできなかった」
     ⇒・書記養成学校・・・前2000年頃には既に「学園もの」文学も?
      ⇒・ある学生の記録。失敗しては先生に鞭で叩かれまくり、いやになって父親に先生の接待を頼んだら、手のひらを返したようにほめられました、的な話
     ←・うらやまけしから(ry

    ・p.212~ 前2000年紀ニップル市に「図書館」?
     ⇒・シュメル語でエイムグラ=「大声を出して読まれる粘土板の家」
      ⇒・大声で読まれる粘土板=教育用?
     ⇒・62作品を列挙した書名目録も
      ⇒・神話、叙事詩etc・・・しかし多いのは詩
     ⇒・(p.274より補足) 当時、すでにシュメル王朝は滅亡、日常語はアッカド語になっていたものの、書記の世界では未だにシュメル語が使われる
      ⇒・「それもいずれは・・・」という危機感もあって、シュメル語の粘土板が多数残された??

    ・p.217 書記は物品管理や畑の検知も担う
     ⇒・そのため算術も身につける
     ⇒・ほかに・・・「法律、神話、讃歌、祈祷文、音楽などのさまざまな教科が教えられていた」
     ⇒・書記=知識生産階級、と位置づけられようか

    ・p.277~278 アッシュールバニパル王は読み書きができる!
     ⇒・自分の像には葦ペンを懐に入れている様を描かせる・・・自慢のため?
     ⇒・自分で読むことができたので・・・珍しい粘土板を集めさせた「王の図書館」を作ることに

  • <a href="http://www.bk1.co.jp/product/2606200"><b>シュメル</b> 人類最古の文明</a><br>(中公新書 1818)<br>2005.10<br><br><br>面白かった!<br>メソポタミア関係の本を読みあさった成果か、<br>複雑怪奇で発音しにくい王名や神名が<br>するすると頭に入って来ました。<br><br>印章や石碑に刻まれた像の説明も分かり易く<br>次に旅先で出会うのが楽しみです♪<br><br>その他、元祖学園ものの話とか<br>王の娘で史上初?の才女とか…。<br>わくわくしながら読み進めることが出来ました。<br><br>しかしながら、こういった文化面を見ていると<br>何千年も前から人間のやってることは<br>代わり映えしないのだなぁ〜と<br>苦笑を禁じ得ませんでしたわ。[06.10.11]

著者プロフィール

小林登志子
1949年、千葉県生まれ。中央大学文学部史学科卒業、同大学大学院修士課程修了。古代オリエント博物館非常勤研究員、立正大学文学部講師等をへて、現在、中近東文化センター評議員。日本オリエント学会奨励賞受賞。専攻・シュメル学。
主著『シュメル―人類最古の文明』(中公新書、2005)、『シュメル神話の世界』(共著、中公新書、2008)、『文明の誕生』(中公新書、2015)、『人物世界史4 東洋編』(共著、山川出版社、1995)、『古代メソポタミアの神々』(共著、集英社、2000)、『5000年前の日常―シュメル人たちの物語』(新潮選書、2007)、『楔形文字がむすぶ古代オリエント都市の旅』(日本放送出版協会、2009)ほか

「2022年 『古代オリエント全史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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