物語 現代経済学―多様な経済思想の世界へ (中公新書)

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著者 : 根井雅弘
  • 中央公論新社 (2006年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121018533

物語 現代経済学―多様な経済思想の世界へ (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 同じ著者の、「入門 経済学の歴史」を読み、わかりやすかったので、出版年が古い本書を読んでみた。他のレビューでは、物語とはいえ難解だったという声も多いが、確かに本書でいきなり経済学の基礎を学ぶとなると厳しいと思う。それなりの基礎知識を整理し、関連付けするためには良い物語形式の本だと思う。


    個人的に、目次別にそれぞれ気になった言葉を書くと

    ・現代経済学の黎明(アメリカ経済学、数量経済学)
    ・マーシャル経済学の魅力と限界(マーシャルやシュンペーター)
    ・ケインズ革命(乗数理論を中心に)
    ・サムエルソンの時代(古典派総合としての立場と限界)
    ・異端派ガルブレイスの挑戦(制度の中での問題解決をするのではなく、問題提起をする人としての立場)
    ・リベラリズムの後退(ハイエクの復活から、レーガノミックスの流れ)
    ・ノーベル経済学賞の憂鬱(自然科学とは異なる、経済学の特殊性)

    著者の本書の活用の願いは、はじめに と エピローグに書いてあるが、経済学が制度化されていることの弊害として、現在の経済学が相対化されていないことの危機感から本書を書いている。

    どの分野でもそうだが、専門バカになると周りが見えなくなるので、教養が必要なように歴史に学び、自分の分野を相対化したうえで、未来に生かしていくことは大切であると思った良書だった。

  • 歯が立たない。本書を読み終わっての感想である。
    「失われた20年」にあえぐ日本経済においては、エコノミストがそれぞれ違った意見を吐き散らすとともに権威低下が著しい。
     逆に言えば、誰しもがそれなりの日本経済への意見を言える状況でもある。
     そのなかで「経済学」をキチンと知ることができるかもしれないと本書を手にとったのは、本書の「物語」というリードにある。「物語」であるならば、素人にもわかるように解説しているのだろうと思ったが、いやいや本書の内容は「専門書」であり、とても難しい。
     本書の「プロローグ」の末尾に「現代経済学の歩みを物語として楽しんでもらいたい」とあるが、とても「楽しめる」内容ではないと思えた。
     しかし、我慢して読み進めれば「ケインズ」なり、「サムエルソン」「ハイエク」などの経済学的位置やその理論の雰囲気はわかるような気がした。とても理解できるなど大それたものではないが、経済学の「匂いはかげた」程度だろう。
     本書で納得出来た内容は、あとがきの「あるキーワードが新聞や雑誌に登場するほどの勢いで流行し始めたら、多少の警戒感を持ったほうがよいというのが私のモットー」である。
     なるほど、そうであるなら今回の衆議院選挙における安倍晋三の「3%のインフレ目標と日銀の無制限緩和」「大量の建設国債の日銀引き受けと公共投資」などは、それの最たるもののように思えるが、どうなのだろうか。
     本書は、ある程度の「経済学的」素養を持った人を対象としたものなのだろう。とても「物語」などではなく、「表題に偽りあり」という意味であまり評価できないと思えた。

  • サムエルソン、ガルブレイスといった著名な経済学者について学ぶいい機会になった。

  • [ 内容 ]
    アメリカ型の経済学教育の導入により、経済学の一元化が進み、自由な思考にとって最も貴重な多様性が失われている。
    本書は、主流派が真剣に読まなくなった、マーシャル、ケインズ、サムエルソン、ガルブレイスらの経済学を再検討し、今日的視点から彼らの問題意識や問いかけのもつ意味を考察するものである。
    異端派を排除してきた「ノーベル経済学賞」の問題点をも指摘しつつ、相対化を忘却した現代の経済学に警鐘を鳴らす。

    [ 目次 ]
    第1章 現代経済学の黎明
    第2章 マーシャル経済学の魅力と限界
    第3章 ケインズ革命
    第4章 サムエルソンの時代
    第5章 異端派ガルブレイスの挑戦
    第6章 リベラリズムの後退
    第7章 ノーベル経済学賞の憂鬱

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    [ 参考となる書評 ]

  • とても楽しく読了。
    刺激に溢れる先人の言葉に魅了。
    また、先に読んだクルーグマンの著作を別角度から補完。

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物語 現代経済学―多様な経済思想の世界へ (中公新書)の作品紹介

アメリカ型の経済学教育の導入により、経済学の一元化が進み、自由な思考にとって最も貴重な多様性が失われている。本書は、主流派が真剣に読まなくなった、マーシャル、ケインズ、サムエルソン、ガルブレイスらの経済学を再検討し、今日的視点から彼らの問題意識や問いかけのもつ意味を考察するものである。異端派を排除してきた「ノーベル経済学賞」の問題点をも指摘しつつ、相対化を忘却した現代の経済学に警鐘を鳴らす。

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