昆虫―驚異の微小脳 (中公新書)

  • 156人登録
  • 3.68評価
    • (11)
    • (23)
    • (25)
    • (3)
    • (0)
  • 19レビュー
著者 : 水波誠
  • 中央公論新社 (2006年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121018601

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
三島 由紀夫
村上 春樹
ジェイムズ・P・...
有効な右矢印 無効な右矢印

昆虫―驚異の微小脳 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 正直、私の脳では実験についての説明や数式は全くもって分からなかったのだけれど、昆虫の構造の凄まじさは実によく伝わった。人間以外の高次な生命体と意思疎通が出来なくとも、せめてもう少し尊重する世界で在れと望む。http://kazatom.blog.fc2.com/blog-entry-738.html

  • 寝る前の読み聞かせ用。名文が多い。(by 父)

  • ヒトの脳に比べてなきに等しい昆虫の脳。ところが、この一立方ミリメートルにも満たない微小脳に、ヒトの脳に類似した構造が見られることが明らかになってきた。神経行動学は、ファーブルやフリッシュを驚嘆させた「陸の王者」の能力を、精緻な実験によって脳の働きと結びつけ、ダンスによる情報伝達、景色記憶、空間地図形成能力など、昆虫の認知能力の解明に乗り出している。本能行動の神秘に迫る最新生物学の成果。
      
    ハチやアリ、ゴキブリなどの昆虫の小っちゃな脳に関して、これだけの実験・研究が行われているというのに驚きました。脳に電極を刺して・・・なんてサラッと書いてありますが、おそらく想像を絶する高度な技術が必要ではないかと思われます。学習能力や記憶に関する実験が多数紹介されていますが、このあたりもう少し初心者向けの図や写真を充実した本が出れば理解が深まりそうです。とにかく、昆虫の微小脳や体の構造に秘められた驚異のメカニズムとそれを追い続ける人間のあくなき好奇心の両方に驚きながら読むことができました。

  • 昆虫の神経行動学がここまで進んでいるとは驚き。この知見は応用がいくらでも利くだろうし、今後の発展が楽しみ。

  • 微細な脳や神経系に注目し、昆虫の優れた能力を解き明かしていく研究成果の紹介。
    我々のように脳や体を巨大化させた哺乳類とは、逆のアプローチで進化してきた昆虫の小型軽量化という進化戦略は大成功している。
    哺乳類の巨大脳と昆虫の微細脳を比較すると、脳細胞や神経細胞の数は、何桁のオーダーで違うのに、個の維持・種の維持というプリミティブな目的達成には、結果として類似の能力を持っているのが面白い。
    カンブリア以前まで遡らなければ、共通の祖先がいないのに、やはり地球の生物としての仲間なのである。

  • ムズイ!論文を読んでいるよう。これで平易に解説をされているとは・・。でも昆虫は人間が思っている以上に高度な脳をもっていることが大変よく分かりました。

  • 昆虫は、地球上で最も繁栄した動物群である。その繁栄の秘密は、彼らの小さな脳(微小脳)にある。本書は、新書ながら、昆虫の神経科学についての知見を網羅した教科書的な本である。

    とても勉強になったが、厳密性を追求するあまり、決して読み易いとはいえないのが残念だ。一般向けの読み物というよりはむしろ、専門家を対象とした巨大な総説である。執筆には相当の労力を費やしたと思われる。(実際、5年もかかったらしい。)航海中の船は、幾度も難破しかかった。

    大気によって散乱された太陽光が偏光していることは、知らなかった。レイリー散乱によるものである(空が青く、夕焼けが赤い理由)。ハチやアリの複眼は、偏光方向を検出する能力がある。偏光が最大である方向と、波長の長短の情報から太陽の位置を割り出し、その情報を使って正確に帰巣することができるのだ。

    ハチやアリのもつ偏光検出器は、様々な向きに配置された偏光板のようなものである。一体、いかなる分子的メカニズムによって、レチナールの向きを揃えて光受容体を発現させることが可能なのだろうか?

  •  昆虫の繁栄を支える小さな脳。五月蠅いなどとあなどってはならない。ハエの体はヒトに劣らず高性能である。翅がその高い移動能力を可能にし、成長と繁殖を分離して効率的な資源利用を実現し、被子植物と共生関係を結んだ昆虫は、ヒトとは異なった進化の頂点にあって陸上に繁栄している。ほ乳類の巨大脳に対する小型軽量低コストの、昆虫の微小脳に着目しよう。

  • [ 内容 ]
    ヒトの脳に比べてなきに等しい昆虫の脳。
    ところが、この一立方ミリメートルにも満たない微小脳に、ヒトの脳に類似した構造が見られることが明らかになってきた。
    神経行動学は、ファーブルやフリッシュを驚嘆させた「陸の王者」の能力を、精緻な実験によって脳の働きと結びつけ、ダンスによる情報伝達、景色記憶、空間地図形成能力など、昆虫の認知能力の解明に乗り出している。
    本能行動の神秘に迫る最新生物学の成果。

    [ 目次 ]
    第1章 昆虫の繁栄を支える小さな脳
    第2章 ファーブルから現代まで
    第3章 複眼は昆虫の何をものがたるか
    第4章 単眼はどんな働きをしているか
    第5章 空を飛ぶしくみ
    第6章 匂いを感じるしくみ
    第7章 キノコ体は景色の記憶に関わる
    第8章 匂いの学習と記憶
    第9章 ミツバチのダンス
    第10章 ハチやアリの帰巣と偏光コンパス
    第11章 微小脳と巨大脳

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 複眼や視力のくだりが面白かった。
    ハエからみると人間はスローモーションである、といったような。
    後半難しくて読み飛ばしてしまいました・・・

  • (アリ飼育者向けのレビューです)
    直接アリに言及しているのは「第10章 ハチやアリの帰巣と偏光コンパス」くらいだが、この章がなくても十分に読む価値のある本。
    昆虫がどのように周囲の情報を受容し、処理し、活動しているのか、研究の最前線を紹介しつつ、一般向けに解説した意欲的な新書である。
    個別の昆虫についての話ではなく、ゴキブリ・トンボ・ハエ・コオロギ・ハチなどトピックによって使っている昆虫は違うが、昆虫一般に共通する内容を取り上げているようだ。
    昆虫の行動を見て「ちっこいくせに、ちょこざいな!」と思ったことのある方で、どんな仕組みになってるのか興味があるなら、必読。

    読んでみてまず、昆虫が思ったよりも「賢い」ことにびっくりした。
    「ムシは学習しない」と思い込んでいたが、ゴキブリやコオロギやショウジョウバエでさえ「学習」や「記憶」ができるとか。ムシの能力を見くびっておりました。ごめんしてね。
    また、昆虫は人間に比べて非常にコンパクトな設計の神経系なのに、必要な情報だけに絞って素早く処理するルートを持っている。ハエを叩こうと思ってもなかなかうまくいかないのは、ハエの視覚は画像解像度は低いけれども時間当たりの処理量がバツグンに多い(素早い動きを見切れる)ためだとか。

    ニューロンだのキノコ体だの、難しい単語がバンバン出てくるし、誰々がどこそこの研究室で、といった話も多いが、ついていけるところだけ飛ばし飛ばし読んでも非常に刺激的な内容。
    「誰がどのようにして解明したか」といった話は、たいがい自慢話みたいでつまらないように思うが、この本に関しては、「ひー、そんなめんどくさいことを!」と言いたくなるような研究(ムシの脳のニューロン1コ1コに電極を刺すとか)ばっかりなので、そういうことをしてくれた研究者の方々にひたすら頭が下がる思い。あの、今まで「なんでアリの研究はちっとも進んでないの!」とかほざいてましたが、もう言いません。この本読んだら言えません。すごく当たり前のようなことでも、それを科学的に証明しようとすると、ものすごーく面倒な手順が必要になるということを知った。

    アリ飼育においても、非常に実践的に役立つ本である。
    まず、「アリをあんまりバカにしちゃいかんな」という戒めになる。
    そして(こっちがメイン)、餌にするハエなどを確実に捕まえられるようになる。
    上述したように、ハエの視覚は時間処理速度は高いが画像解像度は低い。周囲の状況はうすぼんやりとしか見えていないが、素早い動きをするものには間違いなく反応できる。この本を読んで以来、飲食店などでブーンとごちそう(アリの)が飛んできてテーブルに止まると、「いらっしゃーい!」という気分になる。まずそっと捕獲容器(管ビンや円筒ケースなど)を準備する。そして極力ゆっくりと容器をハエにかぶせる。もうね、百発百中。最後の瞬間にシュパっと動きたくなるが、そこも我慢。最後の最後までスローモーションでやれれば、ハエは全く気づかない。明暗はけっこう分かっちゃうみたいなので、容器は透明なほうがいいのかも。容器の下に紙などを差し込んで持ち上げてから蓋をすれば、可愛いアリンコちゃんたちへのお土産ができる!我が家のアリンコたちの食糧事情は、おかげで少し改善されました。
    あ。でも、飲食店であまりにも奇異な動きをしているとご迷惑かも。行動目的が「ハエの捕獲」であることも含めて。なるべく目立たないようにやることをおすすめします。

  • 第1章 昆虫の繁栄を支える小さな脳
    第2章 ファーブルから現代まで
    第3章 複眼は昆虫の何をものがたるか
    第4章 単眼はどんな働きをしているか
    第5章 空を飛ぶしくみ
    第6章 匂いを感じるしくみ
    第7章 キノコ体は景色の記憶に関わる
    第8章 匂いの学習と記憶
    第9章 ミツバチのダンス
    第10章 ハチやアリの帰巣と偏光コンパス
    第11章 微小脳と巨大脳

  • バイオロジーのバックグラウンドがないと全てを理解するのは難しいが、説明にも手抜きがない力作。長年、真摯に昆虫研究に打ち込んでこられた様子が垣間見えて好感が持てる。C.Elegansのように、全ての遺伝子、ニューロンの配置が解明された生物もあるが、昆虫は1ミリ立方の脳に100万個程度のニューロンとそこそこ複雑だ。霊長類のような大型の動物との違いはもちろん多く、色覚など紫外線、青、緑に感受性があり(赤はない)、短波長側にずれている。体が小さいため視力も0.01とか0.02程度で空間分解能に劣る。その代わり明暗の検出や時間分解能は優れており、ハエには蛍光灯のちらつきも見えているそうだ。神経回路は単純で、バッタの羽のニューロンは2-3個しかない。面白かったのは、相違点よりも類似点の話。これには記憶におけるCREBの役割など、古くから保存されてきたものもあるが、動きの検出回路などのように、単眼と複眼では全く違うハードウェアにも関わらず大型動物と同じ原理のものがあり、これが異なる進化の過程を経て同じものにいたる収斂進化の好例となっている。カニッツァの三角形など、錯視も起こるそうだ。また、ゴキブリのニューロンに電極を刺す苦労や、ハチのダンスが正しく解読できたかどうかロボットを使って確認する話など、実験の現場の話もとても面白かった。■行動のしくみを一つ一つニューロンの働きに還元して理解したい

  • 昆虫にも記憶や学習ができるとは全くの驚き。特に蜂やアリのような社会性を持ったやつらは、他の昆虫たちに比べ、コミュニケーションが必要な分、頭がいいらしい。高々100万個程度のニューロンで景色を記憶できるのだから本当に、驚異の微小脳である。

  • 昆虫の知覚、記憶、脳の話。人間の脳の情報処理にも通じる話。

  • わずか一立方メートルにも満たない昆虫の脳に着目した本。
    報酬系や短期記憶、長期記憶など、自分が元々興味を持っていた分野は、実験手順からも哺乳類との共通項などを感じ、大変面白く読むことが出来ましたが、それ以外の分野では自分の不勉強さを実感させられました。むつかしー!勉強し直さないと全部を理解することは到底出来なそうです。とは言え、昆虫の大きな目<複眼>の間にある、小さな目<単眼>や、景色の記憶に関わるキノコ体など、今まで知らなかった昆虫の構造を知ることが出来た本でした。
    いやー、しかし、この本を読んでると実験体として扱われるワモンゴキブリがさすがにちょっとかわいそうに思えました。がんばれ!(?)

  • 興味深い本だった。面白い、というには読むのに努力が必要だ。専門用語が山のように登場するためだ。そこはまあ仕方がない。神経に関わる言葉、化学的な用語、略称の山。それはまあ読み飛ばすつもりでも大丈夫ではある。
    冗長性のあまりない小さな昆虫の脳がいかに優れているのかがよく判る。そしてほ乳類い代表される大型の、冗長性の高い脳のあり方との違いがよく判る。
    虫の眼で見た世界が自分の見ている世界とどう違うのか、この本で初めて理解出来た。複眼の歴史の本やらいろいろ出会ったことはあるけれど、ここまできちんと書いてくれないと判らない。もちろん専門用語は今でもよく判っていないのだけれど。
    しかし、昆虫には自分のことを考える余裕はなさそうだ。残念ながら。

  • 非常に専門的で、難しい。昆虫が好きでそのすごさには感動するので、何とか読み進めていけたが、脳と昆虫と両方に興味があってしかも理系の人じゃないとかなり疲れると思う。

全19件中 1 - 19件を表示

昆虫―驚異の微小脳 (中公新書)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

昆虫―驚異の微小脳 (中公新書)を本棚に「積読」で登録しているひと

昆虫―驚異の微小脳 (中公新書)の作品紹介

ヒトの脳に比べてなきに等しい昆虫の脳。ところが、この一立方ミリメートルにも満たない微小脳に、ヒトの脳に類似した構造が見られることが明らかになってきた。神経行動学は、ファーブルやフリッシュを驚嘆させた「陸の王者」の能力を、精緻な実験によって脳の働きと結びつけ、ダンスによる情報伝達、景色記憶、空間地図形成能力など、昆虫の認知能力の解明に乗り出している。本能行動の神秘に迫る最新生物学の成果。

昆虫―驚異の微小脳 (中公新書)はこんな本です

ツイートする