昆虫―驚異の微小脳 (中公新書)

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著者 : 水波誠
  • 中央公論新社 (2006年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121018601

昆虫―驚異の微小脳 (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • バイオミミクリーへの関心から派生して「昆虫」の本を読んでみる。

    そういえば子供の頃は、昆虫好きだったなと思い起こしつつ、最近の「昆虫」への関心は、1年半くらい前に宮古島でキャンプをした時にスタートしている。

    自然のなかで、ボーとしたり、散歩したりしているなかで、目の前を蝶とか、蛾とか、色々、昆虫が飛んでいる。

    ふと、こんなに小さなものが、どうやって飛行を制御しているのだろうという疑問が湧いた。

    小さの蝶の大部分は、羽で胴体の部分は限りなく小さくて、脳もほとんどないに等しい大きさ。

    こんな小さな脳でどうやって様々な情報を処理して、それを動きに伝達して、風とか、色々な条件の変化に素早く適応しているのだろう、ということが不思議で仕方なかった。

    昆虫は、なんだか地球外からやってきた生命というか、高性能の工学機械のような気がした。

    という感じで、この本を読んみた。

    新書にしては、かなり本格的な本かな?素人的には細かいところはついていけないところもあったが、興味の対象は全く同じかな?

    こんな小さな脳でどうしてこんなに複雑なことをなしているのか?

    ということ。

    純粋に好奇心が満たされるとともに、そのメカニズムを知ることは、色々な領域で応用できそうな進化的な知恵がたくさんあることに納得した。

  • 正直、私の脳では実験についての説明や数式は全くもって分からなかったのだけれど、昆虫の構造の凄まじさは実によく伝わった。人間以外の高次な生命体と意思疎通が出来なくとも、せめてもう少し尊重する世界で在れと望む。http://kazatom.blog.fc2.com/blog-entry-738.html

  • 寝る前の読み聞かせ用。名文が多い。(by 父)

  • ヒトの脳に比べてなきに等しい昆虫の脳。ところが、この一立方ミリメートルにも満たない微小脳に、ヒトの脳に類似した構造が見られることが明らかになってきた。神経行動学は、ファーブルやフリッシュを驚嘆させた「陸の王者」の能力を、精緻な実験によって脳の働きと結びつけ、ダンスによる情報伝達、景色記憶、空間地図形成能力など、昆虫の認知能力の解明に乗り出している。本能行動の神秘に迫る最新生物学の成果。
      
    ハチやアリ、ゴキブリなどの昆虫の小っちゃな脳に関して、これだけの実験・研究が行われているというのに驚きました。脳に電極を刺して・・・なんてサラッと書いてありますが、おそらく想像を絶する高度な技術が必要ではないかと思われます。学習能力や記憶に関する実験が多数紹介されていますが、このあたりもう少し初心者向けの図や写真を充実した本が出れば理解が深まりそうです。とにかく、昆虫の微小脳や体の構造に秘められた驚異のメカニズムとそれを追い続ける人間のあくなき好奇心の両方に驚きながら読むことができました。

  • 昆虫の神経行動学がここまで進んでいるとは驚き。この知見は応用がいくらでも利くだろうし、今後の発展が楽しみ。

  • 微細な脳や神経系に注目し、昆虫の優れた能力を解き明かしていく研究成果の紹介。
    我々のように脳や体を巨大化させた哺乳類とは、逆のアプローチで進化してきた昆虫の小型軽量化という進化戦略は大成功している。
    哺乳類の巨大脳と昆虫の微細脳を比較すると、脳細胞や神経細胞の数は、何桁のオーダーで違うのに、個の維持・種の維持というプリミティブな目的達成には、結果として類似の能力を持っているのが面白い。
    カンブリア以前まで遡らなければ、共通の祖先がいないのに、やはり地球の生物としての仲間なのである。

  • ムズイ!論文を読んでいるよう。これで平易に解説をされているとは・・。でも昆虫は人間が思っている以上に高度な脳をもっていることが大変よく分かりました。

  • 昆虫は、地球上で最も繁栄した動物群である。その繁栄の秘密は、彼らの小さな脳(微小脳)にある。本書は、新書ながら、昆虫の神経科学についての知見を網羅した教科書的な本である。

    とても勉強になったが、厳密性を追求するあまり、決して読み易いとはいえないのが残念だ。一般向けの読み物というよりはむしろ、専門家を対象とした巨大な総説である。執筆には相当の労力を費やしたと思われる。(実際、5年もかかったらしい。)航海中の船は、幾度も難破しかかった。

    大気によって散乱された太陽光が偏光していることは、知らなかった。レイリー散乱によるものである(空が青く、夕焼けが赤い理由)。ハチやアリの複眼は、偏光方向を検出する能力がある。偏光が最大である方向と、波長の長短の情報から太陽の位置を割り出し、その情報を使って正確に帰巣することができるのだ。

    ハチやアリのもつ偏光検出器は、様々な向きに配置された偏光板のようなものである。一体、いかなる分子的メカニズムによって、レチナールの向きを揃えて光受容体を発現させることが可能なのだろうか?

  •  昆虫の繁栄を支える小さな脳。五月蠅いなどとあなどってはならない。ハエの体はヒトに劣らず高性能である。翅がその高い移動能力を可能にし、成長と繁殖を分離して効率的な資源利用を実現し、被子植物と共生関係を結んだ昆虫は、ヒトとは異なった進化の頂点にあって陸上に繁栄している。ほ乳類の巨大脳に対する小型軽量低コストの、昆虫の微小脳に着目しよう。

  • [ 内容 ]
    ヒトの脳に比べてなきに等しい昆虫の脳。
    ところが、この一立方ミリメートルにも満たない微小脳に、ヒトの脳に類似した構造が見られることが明らかになってきた。
    神経行動学は、ファーブルやフリッシュを驚嘆させた「陸の王者」の能力を、精緻な実験によって脳の働きと結びつけ、ダンスによる情報伝達、景色記憶、空間地図形成能力など、昆虫の認知能力の解明に乗り出している。
    本能行動の神秘に迫る最新生物学の成果。

    [ 目次 ]
    第1章 昆虫の繁栄を支える小さな脳
    第2章 ファーブルから現代まで
    第3章 複眼は昆虫の何をものがたるか
    第4章 単眼はどんな働きをしているか
    第5章 空を飛ぶしくみ
    第6章 匂いを感じるしくみ
    第7章 キノコ体は景色の記憶に関わる
    第8章 匂いの学習と記憶
    第9章 ミツバチのダンス
    第10章 ハチやアリの帰巣と偏光コンパス
    第11章 微小脳と巨大脳

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昆虫―驚異の微小脳 (中公新書)の作品紹介

ヒトの脳に比べてなきに等しい昆虫の脳。ところが、この一立方ミリメートルにも満たない微小脳に、ヒトの脳に類似した構造が見られることが明らかになってきた。神経行動学は、ファーブルやフリッシュを驚嘆させた「陸の王者」の能力を、精緻な実験によって脳の働きと結びつけ、ダンスによる情報伝達、景色記憶、空間地図形成能力など、昆虫の認知能力の解明に乗り出している。本能行動の神秘に迫る最新生物学の成果。

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