入門!論理学 (中公新書 1862)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 161
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121018625

作品紹介・あらすじ

論理の本質に迫る、論理学という大河の最初の一滴を探る冒険の旅!あくまでも日常のことばを素材にして、ユーモアあふれる軽快な文章で説き明かされていく。楽しみ、笑いながらも、著者とともに考えていく知的興奮。やがて、「考え、話し、書く」という実際の生活に生きている論理の仕組みが見えてくる。論理学って、なんだかむずかしそう、と思っているあなにこそ、ぜひ読んでほしい「目からうろこ」の入門書。

感想・レビュー・書評

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  • よく練られた入門書は、とても面白い。

    目次を見たときは高校数学で学ぶような論理学の基礎が並べられてるだけなのかと思ってしまったが、全くそんなことは無かった。
    演繹的推論で用いられる言葉の本質的な部分を抽出して公理系を形成し、それが健全性と完全性満たすことを示す、というような論理体系の構築の流れが驚くほど平易に書かれており、ワクワクしながらスラスラと読み進められた。読んでいて「あれ?」と引っかかった部分にも後の部分で全て答えを与えてくれていて、伏線が回収されたようなスッキリとした感覚が何度もあった。
    ともすれば難解になってしまう論理学をとにかく噛み砕いて読みやすく説明してくれた。これから数学や論理学を学んでいく上でも強い地盤になってくれそう。手に取って良かった。

  • 初めて読む論理学の本。すこし気を抜くと、目が紙の上をすべるすべる……。何度も前の文を読み直して頭の中で図にして根気よく読んだ。論理学の仕組みは難解だけど、著者の文体や例えがフランクなおかげでどうにか読めたし、基本は「否定」「または」「かつ」「ならば」の4つだけというのは意外だった。
    論理学を勉強すれば、仕事でデザインや文章の構成を考える効率を上げられるかも?と思って手にした本。すぐモノに出来るかといったらかなり難しそうだけど、ことばのもつ役割により気を配ったり、暮らしの中のいろんな出来事の前で足を止めて頭をひねったりしたい。

  • 論理学の本は、人生で初めて読んだ。知らないことを知る喜びを感じられた。知的好奇心を揺さぶられた良書。二回読んだら理解がぐっと深まった。

  • この本はタイトル通り論理学とはどういう学問なのかということを記号を使わずに説明している著書です。

    論理学では”または”や”かつ”などの用語を記号で表す記号論理学という分野がありますが、この本ではその内容を極力記号を使わずに説明しています。

    個人的には排中律を認める立場か認めない立場かによって体系が異なってくるというあたりが、今まであまり考えたこともなかった視点で興味深かったです。

    著者である野矢さんの論理トレーニング101題を読んだ後に、もう少し学んでみようと思って読んだこの本ですが、文字が中心なことや内容の抽象さも相まって全体的に頭の中で整理するのが難しく高度でした。本文中では証明なども行われていましたが、論路学を専攻にしなくてよかったと思わず感じてしまいました。

    論理学がどんな学問なのか雰囲気だけでも感じてみたい方には良い本だと感じました。

  • 独りよがり感想になってしまうが、まず何となく期待していたものと違った。なんとなく読み進めていくうちに論理学がこんな手順を踏むものなのかということに愕然とし、読んでも意味が理解できない文章に触れウーンと唸り、読めば読むほどドツボにはまっていく。終いには自分は何が得たくてこの本を読んだのか分からなくなった。

    ただ、この「よく分からん」と言う感覚はつまらない本を読んだ時に感じる心地悪さとは違う。解けたときに必ず気持ちよくなれるのが分かった知恵の輪をカチャカチャしているような感覚だ。

    星を四つつけているが、正直、この本の1割も理解できておらず、正当な評価なのかは分からない。ただ、これが理解できるようになればきっと面白く読めるのだろうという期待を胸に、一旦で評価をつけておきつつ、別の論理学の本も読んだ上に本書必ず再読し、追記する形でこの本の評価を再度行いたい。

    現状は3or4

  • わかりやすく解説してくれているが、読むのにわりと根気が必要だった。
    この手の学問はやはり得手、不得手があるなと…。

    理解はできても上手く自分の中に落とし込んでモノにできなかった…。

  • 大学の「記号論理学」の授業を履修済みだったので、そこまで新鮮さはなかったが、公理系と意味論のアプローチの違いについては理解不足のところもあり、良い復習になった。野矢先生の軽妙な書き方で、いつのまにか論理学の世界へと引き込まれ、まさに読者を入門させてくれる本だと感じた。

  • タイトルに「入門」とあるが、筆者が「はじめに」で述べているように、本書は基礎以上の内容になっている。だから、結構難しい。ただし、数式を使ってないので、数学が苦手な私でも理解できた。この本のお陰で論理学の楽しさを知れたので筆者に感謝したい。

  • 「論理学とはこういうもの」といことを分かりやすく平易に説明しており、論理学を学び始める前の第一歩としてはとても良い本だと感じた。

    これ以上論理学というもを分かりやすく説明した本は、おそらくないだろう。

    分かりやすいが、簡単過ぎないという絶妙な内容。

    まさに求めていた内容であり、何度も読んで内容をしっかり理解したいと思わせる1冊であった。

  • ロジカルシンキングを身につけるために、まずは論理学って何か?というくらいの基礎は押さえておきたいな、と思い、手に取りました。これから開く本ですが、数日以内には読み切りたいと思います。

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著者プロフィール

1954年(昭和29年)東京都に生まれる。85年東京大学大学院博士課程修了。東京大学大学院教授を経て、現在、立正大学文学部教授。専攻は哲学。著書に、『論理学』(東京大学出版会)、『心と他者』(勁草書房/中公文庫)、『哲学の謎』『無限論の教室』(講談社現代新書)、『新版論理トレーニング』『論理トレーニング101題』『他者の声 実在の声』(産業図書)、『哲学・航海日誌』(春秋社/中公文庫、全二巻)、『はじめて考えるときのように』(PHP文庫)、『ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む』(哲学書房/ちくま学芸文庫)、『同一性・変化・時間』(哲学書房)、『ここにないもの――新哲学対話』(大和書房/中公文庫)、『入門!論理学』(中公新書)、『子どもの難問――哲学者の先生、教えてください!』(中央公論新社、編著)、『大森荘蔵――哲学の見本』(講談社学術文庫)、『語りえぬものを語る』『哲学な日々』『心という難問――空間・身体・意味』(講談社)などがある。訳書にウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』(岩波文庫)、A・アンブローズ『ウィトゲンシュタインの講義』(講談社学術文庫)など。

「2018年 『増補版 大人のための国語ゼミ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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