故事成語でわかる経済学のキーワード (中公新書 1871)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121018717

感想・レビュー・書評

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  • 背ラベル:331-カ

  • 金大生のための読書案内で展示していた図書です。
    ▼先生の推薦文はこちら
    https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=39376

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BA79323120

  • ‹内容紹介より›
    バイキングに行ってモトを取ろうと食べすぎて、後悔したことはありませんか?これを故事成語では「覆水盆に返らず」と言い、経済学では「サンク・コストへの考慮が足りなかった」と表現します。中国四千年の歴史から生まれた故事成語には、教訓だけでなく、日常生活に役立つ経済学的思考のエッセンスがぎっしりと詰まっています。経済学の基本からゲーム理論まで、身近なケース・スタディで身につけてみませんか。

    ――――
    特に「他山の石」という故事から導き出されたリカードの「比較優位」の法則などは日常生活に即して説明されており大変わかりやすかったです。
    炊事と洗濯をどちらがやるか、という題を考えるにあたり、
    Aさん 炊事60分 洗濯100分
    Bさん 炊事70分 洗濯140分
    という、どちらも「炊事の方が得意」という人がいたとき、Bさんの方が「個人の力量の中で相対的に炊事がより得意である」といえ、Bさんが炊事を担当すべき、とするのが比較優位による思考法である。
    実際、Aさんが炊事、Bさんが洗濯をすると200分の作業時間が必要だが、逆にすれば170分で作業を終わらせることができえる。
    効率的な分業を行う上では「どちらの方がより業務を効率的にこなすことができるか」を考えることが大切になる。

    他にも、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の故事から「ノーリスク・ノーリターン」の原則を検討したり、人々の行動には「インセンティブ(動機付け)」が極めて大きな影響を与えていることなどが解説されている。

    インセンティブには「利益が得られる」「損害を避けられる」という2つの側面があるが、どのように行動が決定されるか、という視点は「経済」の分野だけでなく、日常生活にも十分に活用できると感じました。

  • ①生かせるネタは?
    ・サンクコストと費用の違いは、市場価格と取得価格の違い
    (コンサートチケット1万円、転売5千円だと、サンクコストは5千円)
    ・追加的にどうなるかを考えて買い物をする
    ・投資の効果(家賃を面積に換算)

    ②気づき
    ・トレードオフ=矛盾
    ・分業←アダムスミス
    ・比較優位←リカード

  • 故事成語にからめて、経済学にでてくるキーワードを平易に解説した本。故事成語以外にも多くのたとえ話を用いることで、数式が出てこないようになっているため、そういったものが苦手な人にとって、敷居の低い入門書となっている。
    章によっては、故事成語との結びつきがこじつけ的な部分も多少あるが、内容自体は理解しやすいものになっている。また経済学だけでなく故事成語の意味とその由来もついでに学べるということで、1粒で2度美味しい本とも言える。
    著者が京大の教授だからか、たとえには京都のご当地ネタ的なものが多く、私自身京都に住んでいるので面白かった。特に、御所の轍とロック・インの話は、ビジュアル的にイメージすることができて理解がしやすかった。

  • 故事は故事で大変面白く、経済学のキーワードもとてもためになります。
    でも無理やりコジつけたためかえってわかりにくくなりました。
    最後に著者自身もわかっていて「漱石枕流」という故事成語であらわしています。

  • 勉強になります。経済学と故事成語、両方の勉強になります。
    発想も面白いですが、内容も面白いです。途中、故事成語の意味とはかけ離れた結論に行き着くこともチラホラ。
    中国史への興味がそそらされる本でした。

  • 経済学のキーワードを故事成語で読み解いていくという内容である。
    経済学で出てくる用語が分かりやすく説明されておりスラスラと読めた。

  • 経済理論を数式で理解する前にイメージで理解する手助けになるかと(*^^*)
    女子大生会計士の事件簿、波のうえの魔術師などとともに、繰り返し読んで経済の考え方を忘れないようにしてる本のひとつ(^^)/

  •  経済書かと思って読んでみたら、雑学の本だった。しかし、とても面白い本だ。
     日本人は現代でも故事成語が好きだ。たとえば話のなかに「覆水盆に返らずとも言いますからね」とか言えば、なんとなく教養があるようにも聞こえる。天皇教育の中にも四書五経があるとも聞く。
     本書は、馴染み深いいくつかの故事成語の出典とともに、それらを現代的視点で評論したエッセイ集であるが、とても面白く読んだ。
     読み終わっての感想だが、この著者は文章がうまいと思う。具体的事例を故事成語と経済学視点で評価する多面的視点の展開は、読んでいるものに思わずうなずかせる説得力があり、面白く読むことができる本である。

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著者プロフィール

京都大学経済研究所教授
1963年生まれ。1986年、一橋大学経済学部卒業。1991年ハーバード大学大学院卒業。ペンシルバニア大学助教授、筑波大学助教授、大阪大学教授等を経て現職。専攻は理論経済学、情報の経済学など。 著書に『戦略的思考の技術』(中公新書、2002年)などがある。

「2017年 『昔話の戦略思考』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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