インドネシア―多民族国家という宿命 (中公新書)

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著者 : 水本達也
  • 中央公論新社 (2006年12月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121018762

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インドネシア―多民族国家という宿命 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 第二次世界大戦以後、スハルト政権から以後のインドネシアの歴史をコンパクトに、しかし、専門的にも解説している。


    1950年にインドネシア共和国が誕生して以来、300の民族で構成される多民族国家として、混沌の中で国を存続させる矛盾と困難がこの国の根底。

    イスラム過激派、大統領、民族紛争、外交の違った視点からインドネシアの歴史をたどるという構成。

    複雑な状況を読み解くのに適した書になっている。

    本書の内容は、単行本にでもなろうかという多くの内容が書かれているが、新書で読めるというのは、たいへんありがたい。
    新書の分量を感じさせない内容の濃い本である。

  • [建設という難業]豊富な人口と資源を背景に、強固な政治体制の下で経済成長の道に邁進している印象が持たれることの多いインドネシア。実は多民族・多言語からなるこの「若い」国家の達成と苦難を取材した作品です。著者は、時事通信社のジャカルタ支局に勤めた経験を有する水本達也。


    「国家建設」「他民族」「イスラーム」という三本の柱を軸として、インドネシアをわかりやすくまとめた良作かと。経済というよりは政治や外交の視点が強く前面に出ていますので、もしその側面からインドネシアを知りたいと思う方にはうってつけの一冊ではないでしょうか。建国からおよそ70年を経る中で、インドネシアがダイナミックに移り変わってきたことがわかるのも本書の魅力の一つです。

    〜それぞれの民族と社会集団は中央との距離や歴史的背景、文化、取り巻く政治社会環境によって全く異なった存在となっている。しかしそれでもインドネシアに暮らす人はみな等しく「インドネシア人」でなければならない。これこそが、「多様性のなかの統一」を実現するインドネシア共和国の為政者の存在原則と苦悩だった。〜

    中東をいろいろと勉強した後にアジアに戻ってくると、いろいろと考えさせられることが多い☆5つ

  • バリの自爆テロから始まるので、どうなっていくのかと思ったが、あとがきに「テロ=イスラム=アルカイダというステレオタイプに違和感を覚え、テロをやる側の正義を突き詰めたいと思った」とあり、読みすすめる内にインドネシアの複雑な成り立ちと不安定なつながりが多民族国家としての苦悩だと思った。

  • インドネシア最近の事情。政治・宗教的な紛争が続く地域、テロリストの活動など、現実は厳しい。

  • 独立。300の民族、200の言語、宗教の違い、紛争、軍部の暴走、通貨危機、汚職、賄賂、貧困、津波、これでもかって言うくらい日本人には想像しずらい困難な状況が展開されている。その中でもASEANでの政治的な綱引きや、国連で「常任理事国」入りを本気で考えていたり、要所では国として主張すべきことを主張している。アメリカにも遠慮もしない。そのような部分は日本も見習うべきだと考える。

  • 第二次世界大戦後のインドネシアについて政権を軸にかなり詳細に述べられている。著者が新聞記者ということもあり、新聞記事の特集版といった印象を受ける。そのため、政治過程や関係者のあぶり出し、軍部の詳細などが調べたい方には向いていると思う。

  • ジハードには必ず理由がある。それに目をつぶっている限り全体の解決はない。
    スハルトの作り上げたシステムは、スカルノ時代を古いものとする意味で新秩序とおばれた。政策の基本は政治を安定させることで経済を発展させることである。
    オランダはかつてアチェ王国に宣戦布告した。それはアチェに主権があることを意味する。そしてこの主権がインドネシアに移籍された歴史的事実はない。インドネシアはそもそも地政学的に実態があるものではない。
    アチェにとって不運だったのは、インドネスあのもうひとつの病根だった東ティモールが99年に独立したこと。アチェがインドネシアから分離したら、国家統合は事実上、崩壊する。インドネシアの分裂は東アジア全域の危機に発展するおそれがあった。

  • 流れがわかりやすくまとまっていたと思うしとても読みやすかった。

  • この本の紹介を授業でプレゼンします!

    (追記)
    しました!笑
    本の紹介というより
    インドネシアの紹介になっていまいましたが
    プレゼンとしては成功

    バワポとか使って本格的に
    やるわけではなかった分
    話し方とかに気を使った


    ちなみに
    大統領選挙はユドヨノ続投の流れ
    一億七千万の有権者が投票する
    世界最大の直接選挙

  • 卒論、第一弾。

    大まかな歴史や問題がよくまとめられている。

    なかなかの出だしがこれでできたような、そんな気がする。





  • 講義でジャカルタの交通問題を取り扱うので、その入門としてまずは全般的なインドネシアという国を知ろうと思いたち教授の勧めで読んだ本。


    『多様性の中の統一』というキーワードをもとにインドネシアという国家が成立から綿々と受け継がれ内包している問題を垣間見ることが出来た。

    スハルトによる権威主義統治体制が表面上弾圧してきたスハルト体制以外の”多様性”がたえることなく脈々と秘密裏に醸成され、そのフタが民主化によってなくなったことで、国家としての統合性もが崩壊したことは
    皮肉ではあるが多民族国家にとって不可避の痛みであったのではないかと。


     特に『インドネシアは建国よりもその後の、”ありつづけること”のほうが難しい』という言葉には多民族国家の統治の難解さが収束されると思える。
     東ティモール、アチェの相次ぐ独立志向は民主化のもたらす功罪の両面を持ち合わせていると思え、
    『世俗国家』か『イスラム国家』かどちらを目指して推移していくのか、9.11移行高まっていたイスラムへの弾圧を含む世界情勢を含め、それに対する政府の対応をこれから注目しておっていきたい。

    また、逆説的にはなるが、多民族国家であるがこそ戦時後の混乱の統治には権威主義が浸透しやすい社会情勢だったのかと、感じた。
    これについては社会体制の類似する他国とを比較することでとりえる他の選択余地があったのか、不可避のものであったのかについて考察していきたい。




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    スハルト
    スカルノ
    ハビビ
    ワヒド
    ユドヨノ
    GAM
    DI
    アブ・バカル・バシル
    アブドラ・スンカル
    ASEAN
    アジア通貨危機
    多国間協調主義の戦略的意図
    IMF支援の条件とその内訳

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インドネシア―多民族国家という宿命 (中公新書)の作品紹介

インドネシアでは、三〇〇の民族集団から構成される二億の国民が、四〇〇の母語を使用して生活している。一見平和な風景からは、穏健で寛容な秩序が保たれているように見えるが、多様な混沌を統御するために暴力と暴力がぶつかり合ってきたという厳しい現実もある。本書は、第二次大戦後の独立時に起因する問題が、六人の大統領の時代を経過しながら、どう変質して今に至っているかを、丁寧にリポートするものである。

インドネシア―多民族国家という宿命 (中公新書)のKindle版

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