漢詩百首: 日本語を豊かに (中公新書 1891)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121018915

作品紹介・あらすじ

返り点と送り仮名の発明によって、日本人は、ほんらい外国の詩である漢詩を自らのものとした。その結果、それを鑑賞するにとどまらず、作詩にも通暁する人物が輩出した。本書は、中国人六〇人、日本人四〇人の、古代から現代に及ぶ代表的な漢詩を精選し、詩人独自の読みを附すとともに、詩句の由来や作者の経歴、時代背景などを紹介。外国文化を自家薬篭中のものとした、世界でも稀有な実例を、愉しみとともに通読する。

感想・レビュー・書評

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  • 情景と内面を切り取って一つにくっつけるのが漢詩ですが、その漢詩の更に断片、一つのフレーズを百首集めました、という作品。
    夏目漱石も森鴎外も正岡子規も漢詩作ってたんですね。
    にしても、現代において何の役にも立たない漢詩を読むというのは、究極な贅沢に思える。中国人も使わない昔の言葉と漢字。ヘブライ語とか古代ギリシャ語みたいなもんでしょうか。
    問題は高校生に漢詩を学ぶ必要性をどう説明するか、ですね。日本の精神文化の根底だからでしょうか。日本語の大元だからでしょうか。それとも、人類の叡智だからでしょうか。しかし算数を抜かして数学は教えられないが、漢文なくして古文、現代文は教えられてしまう。
    明確な回答はまだない。死々生々

  • これもなんべんも読んでしまう一冊。

  • 『201201 詩歌強化月刊』

    訳文のルビが斬新で日本語としても美しい。
    ただし訳文にまた訳が必要。

    個人的には白文を載せて欲しかったのと、作者のことより文法上の解説が読みたかった。

  • 読み下し文のルビの振り方が美しい。
    例えば『涙』を「なんだ」『汝』を「なれ」と読ませる。
    それぞれ「なみだ」「なんじ」と読んだのでは音の響きがまるで違う。
    漢詩とともに日本語の美しさも教えてくれる。

    ↓ いつか使ってみたい言葉
    ・玲瓏(もゆらか)
    ・残んの月
    ・花の如き人
    ・花をながむるの人
    ・自ら去り自ら来り(おのずからさりみずからきたり)

  • 代表的な漢詩から一部を取り出して書き下し、説明を加えて解説しています。
    中国の漢詩が六十首。日本の漢詩が四十首。ルビには現代仮名遣いを用いているので、漢詩に慣れていない方におすすめできます。

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著者プロフィール

昭和12年12月15日、北九州八幡に生まれる。
少年時代より詩、短歌、俳句、散文を併作。のち、新作能、狂言、浄瑠璃、オペラ臺本などを加へる傍ら、古典文藝、藝能の再見を續ける。
俳句関連に句集『句帖』『童鈔』『稽古』『金澤百句』『賚』『遊行』『十年』『那須いつ
も』『百枕』『季語練習帖』、評論『私自身のための俳句入門』『百人一句』『季語百話』『詩心二千年』等。本
芸術院会員。文化功労者。

「2024年 『花や鳥』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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