- Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121019134
感想・レビュー・書評
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諸外国との関係のバランスをとって上手いことやってきたというのがタイの歴史のイメージでした。本書を読んだ印象は、実際にそうだとしても、強力な政治力のもとでコントロールしたというより、状況に応じて右往左往しながらやっていたら結果そうなったというものでした。
政局の話題がメインになっていて、なかなか物語のように読むという感じではありませんでした。それだけタイの政治状況が不安定で複雑だということでしょう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本の前にベトナムの歴史を呼んだ。
その繋がりで東南アジアの歴史に興味を持つ。
カンボジア、ラオス、ビルマ、そしてタイ。
さてタイという国のことを
今どれだけ知っているか。
友達がよくタイに遊びに行ってる。
日本企業の工場があるだろう。
欧米のどこかの国の植民地だった?
う〜ん・・・ほとんど知らないなぁ。
読んでみての感想。
欧米諸国の東南アジアへの介入。
その狭間で独立を保ち
立憲君主制の国。
近代でも政治的クーデターがあり
それを王様が調停する。
日本では考えられない
凄いこと起こってるやん。
2000年代の出来事も
知ってないことに愕然とする。
言語、文化、風習の違いで
民族が存在して、
その違いで国という住み分けができる。
その境で争いになる。
強いものに従われるが
強権的なのものでなく
それぞれの村単位で
どのグループに属するか決定する。
そのグループが大きくなったり
小さくなって大きいとこに
吸収されたり、また別れたり。
イギリス、フランスの植民地支配の時期に
上手いことたち周り独立を維持して
第二次世界大戦時には日本と同盟を
結んだけども、敗戦国を免れる。
戦後の冷戦時代には、民主主義を選択し
中ソに隣接する社会主義の波を
タイがちょうど緩衝地帯となって食い止めた。
本の中でも触れられているように
世渡り上手な外交を展開する。
官僚や貴族、軍の政治的な争いも
民衆の声を聞き王様が調停するところは
なかなか難しいことをやってのけてる。
日本との関係も深いタイという国の
歴史を読み解くと当たり前だが現代に
通じていることを感じる。
さて次はどこへ行こうか。 -
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https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00171772 -
タイの歴史を大まかに知るのに適した本。
あとがきにもあるように、著者の得意分野である道や鉄道の話がいかされているのが理解を助けてくれて大変よかった。 -
take out:
・タイは今のミャンマー、ベトナムと並んで3大国(大マンダラ)を作って争いつつ東南アジア地域を統治してきた。
・植民地時代、ミャンマー(イギリス領)とベトナム(フランス領)に挟まれて干渉地帯となり植民地化を免れたというラッキーな面もありつつ、うまく自分の領地を切り離しながら植民地化を防いだという能動的な面もあった。(正確にはマンダラの時は正確な領地の境目はなかったので、領地を切り離しつつ、英仏との境界を明確にすることで自国の領地を確定させた)独立を維持した民族としての誇りも高い自意識がある。
・第一次世界大戦では勝利側を見極めてから参戦し、戦勝国の仲間入り。第二次世界大戦では一時枢軸国側に入るも日本に騙された体を作りアメリカの同情を買うことに成功し、敗戦国として扱われずに済んだ。
感想:
全体を通して外国の知識人や専門家の活用が得意で、どこかの国に強く荷担せずにバランスを保つということが上手い。(一方もしかしたらそのせいでタイ国内部に卓越した技能を蓄えるということは相対的に疎かになっている可能性あり??)
ざーっと歴史を理解するには良かったけど、理解しきれなかった印象が残っている。 -
P23まで
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タイ史概説。その通史を紐解くと、近世から近代までの王朝から近代国家への転換、戦後から現在までは開発途上国からの脱却と、タイが国民国家へ進化する典型パターンの優等例である事が分かる。水運と農作物に恵まれた国土、偶々緩衝的地帯に位置した地理、統治と経済のノウハウを持った華人が「タイ化」して根を張った事などが、今日東南アジア地域のリーダー的存在としてのタイを作り上げており、その過程が手際よく纏められている。本書執筆から10年以上が経ち、依然、軍が力を持つ途上国的要素がある状況ながら、それでも平和に上手くやっている国民性は、風土の賜物のようにも感じられるが、その気質は恒常的なものなのかどうか。絶対的存在だった国王が代替わりした今、今後10年の動きが気にかかるところ。
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[評価]
★★★★☆ 星4つ
[感想]
タイと言えば、第二次大戦中も独立を保持し、現代においては東南アジアを代表する国ぐらいの認識だった。
この本を読むと周辺諸国と様々な交流を重ねながら現代まで続いているのだということがよくわかった。また、クーデータが非常に多いが、それにより騒乱状態にならないという不思議な国だなと強く感じた。
一方で国民も政府も王族を尊重しているという部分では日本の皇室尊重と酷似しているのかもしれないね。 -
とりあえず大雑把に通史を知りたく手に取りました。歴史の長い国なんですね、知らなかった。
首相、王様、軍で政治バランスをとっている、その過程が興味深かったです。日本もこんなに関わっているのか。
山田長政のことも知らなかったので勉強になりました。 -
全くタイに触れたことのない人にはハードルが高いと思うが、一定タイに住んで、タイ人と触れ合った上で読むと、周辺国への意識の背景など気づくところが多いのでは。
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タイの子どもたちが学校で学ぶような教科書的なタイの歴史を中心に、周辺地域との関係やタイ公式の歴史への批判を加えている。
父の転勤で中学生時代をタイで過ごし、交通に詳しい著者ならではの描写があり、また、近代以降は世界大戦での立ち回りなどがわかりやすい。タイ王室についても詳しく書かれている。 -
新書で読めるタイの通史。
プミポン国王が亡くなって、これからどうなっていくのだろうか… -
クメールが最初は大国を築いていて、タイはその後。
スコータイ誕生。
北部チェンマイは、タイの主軸にはならず、北部の国としてその前からある。
スコータイをアユッタヤーが呑み込み、さらにバンコクへ。インドシナ半島全域の巨大国家。
いつしかカンボジアのクメールは滅び、二度ほどタイを征服した強敵ビルマも後にはイギリスの属国に。東はイギリス、西は後からフランスがベトナム、ラオス、カンボジアを吸収し、植民地の時代に。フランスが押してくるが、土地はガンガン譲渡し絶対戦わない。ギリギリで英仏の緩衝地帯として残る。
そのうち第一次世界大戦。終戦近くに参戦し、ちゃっかり戦勝国。
その後の国内は、おもしろいほど各国と同じ流れをもつ。ナショナリズムの高揚、共産化との戦い、第二次世界大戦。
日本軍がタイを要所として進軍するも、通す。しかし、同盟はしない。逆らえずに、、、という言い分で加担しない政策。慎重。そのため、戦後は敗戦国とはなるが軽いもので済む。
戦後は、東南アジアの共産化に対抗する最後の砦として、西欧諸国のパートナーに。
総じて見ると、絶対に損をしない外交ができる国と言える。軽率な決定はしないし、パートナーは戦局がもつ限り考えて慎重に決める。 -
2016/10/13 かねてより高齢・体調不良で心配されていたプミポン国王が亡くなった。カリスマ的な国王が亡くなった事での政治的混乱が心配されていたが今のところ平静を保っている。しかし2013年から続く軍事政権の民政への移行の遅れも取りざたされている。
というわけでタイと言えば、微笑みの国、ムエタイ、観光・遺跡、マッサージ、歓楽街、"親日"的、山田長政、日本への不法入国者などなど良くも悪くも色々なイメージが付きまとうが、ちゃんと歴史を勉強したことがなかったので、本書を手に取ってみた。
列強の植民地時代・2回の世界大戦を乗り切った「世渡り上手」な外交は、一方的な「親日国」のイメージとは全く異なる。「失地」回復の野心(大タイ主義)と日本の野心とがあくまで合致した結果。
またこの東南アジア地域で見るとタイは今も昔も大国・経済的先進国であり、周辺国との軋轢は日本と周辺アジアとの軋轢を想起させる。
もう少しタイの近現代史や経済開発の歴史を読んでみたいと思った -
物語シリーズ面白い。身近なアジア諸国に行くときに読んでおきたいものね
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タイの歴史を学ぶことはメコン流域の歴史を知ることだな、と思った。当該地域全般がよくわかる。特に、列強諸国の取扱い方(つまり外交)にたけた様子も理解した。
鉄道等(国際)インフラについて記述も詳しい。 -
タイの通史が分かりやすくまとめられており、世渡り上手に立ち回って独立を維持してきた歴史を描いている。高校の世界史だと東南アジア史はほとんどやらないから、ありがたい一冊。タクシン政権の崩壊までしかカバーしていないが、現在の情勢を理解する一助になる。
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タイの歴史を概観できる良書。登場人物の名前や地名がなかなか覚えられなくて読むのに苦労した。たびたびクーデターが起こり政情不安定な印象だが、それも民意の現れと見ることもできる。それぞれの国でそれぞれの歴史を踏まえてそれぞれの今がある。歴史を学ぶことは面白い。
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タイがインドシナで先進国となったことは、タイからの人、物、金が周辺諸国に大量に流れ込むことを意味した。1960年代の日本のようなもの。
優等生タイの出現の背景には世渡り上手なタイの姿が存在している。 -
そのなのとおり、タイの歴史を物語を読むが如くざっとしることができる。
好きだけど殆ど知らなかったタイの歴史。
スコータイ、アユタヤ、シャム。時代によってヒーローがいるところが気になった。
近代ではあるが、外交が巧みであることに驚いた。大国とは呼べないかもしれないが、大国との付き合い方がうまい。
また、温厚な国だと思っていたがしょっちゅうクーデーターが起きていてもはや笑える。
うらやましいなと思ったのが下記の内容。
農村地区は貧しいので都会や国外にでていった子供の仕送りに頼る。だけど、その子供が仕事に失敗してもそこに戻ればいい。なぜならば、米が豊かにできるので貧しいかもしれないが食べることには困らない。農村がセーフティネットになっている。 -
「物語~の歴史」シリーズ初の東南アジア本。
何となく「西側諸国所属の東南アジアの優等生」のようなイメージがあったタイだったが、最近のタクシン・反タクシン派の争いや、クーデタのニュースを見るにつけ、実際のところどんな国何だろう、と興味を持って読んでみた。
読んでみると、近代以降、想像していた以上に波乱万丈の歴史を持ちながら、大国間でのバランスを保ち、一方では国民国家の確立を目指しながら、他方では経済成長も目指すという要領の良い一面が垣間見えた気がする。
その一方で、選挙の度に頻発するクーデタと、未だ憲法すら作っては捨ててを繰り返している(!)という、優等生とは到底言えない側面にも少なからず驚かされた。
しかし、この波乱万丈の歴史を乗り越えながら、しっかりちゃっかり成長を遂げているこの国と国民のたくましさはなかなか学ぶところが多いなとも思わされた。
そんな感じで学ぶところが多く、期待していた以上に面白い本だと思いました。 -
夏休みのタイ旅行を楽しむために購読。タイの歴史がよくまとめられた良著。でもタイ人の名前が全然憶えられなくて僕の理解は今ひとつ。
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物語、というには物足りないけど、通史は学べる。
近代史は分かりやすいが、古代王朝は教科書的で面白くはない。残念。 -
タイの通史。インドシナ半島とのかかわりにも触れつつ、近代、現代の比重高く、帝国主義列強からの侵略危機をしのぎ、先の大戦での枢軸・連合への綱渡りを演じた様子に初めてふれることができた。クーデターによる政変は時に国際的なニュースになるが、それもまた歴史的な背景あってのことなのだと納得。
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